資生堂の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
1872年創業、147年の歴史と伝統を持つ資生堂は、現在では化粧品シェア日本国内・アジアでNO.1を誇り、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指しています。
創業以来、社員に受け継がれてきた「OUR DNA」の一つ目として挙げられているのは、「PEOPLE FIRST」。「人」が全てであり、お客様はもちろん、すべてのステークホルダーが大切にされています。「社員には優しい会社」「資生堂以上に恵まれている会社はない」という声が多く見られ、結果として、「社員を大切にしているから、社員も会社が好きになる」「誇りをもって働くことができる」と、強い愛社精神を持つ、求心力の高い会社であることが分かります。「社員割引がある、ついつい自社製品を使ってしまう」「発売前のものや試作段階のものを手に入れられる」という環境があることも、愛社精神醸成に寄与しているようです。
女性比率の高い会社であることも特徴的であり、女性の働きやすさや活躍度という観点でも、社員からは高い満足度を伺わせる口コミが多数見られます。「産休、育休などは非常にとりやすく、ワークライフバランスもとりやすい」「女性が働くには非常にいい環境で、ブランドを良くしようというチーム感は強い」と、制度面や環境面で大変充実していることが分かります。中には「職場の雰囲気含めて男性より女性が強いのは確か」という声も見られるほどです。
「人」を何よりも大切にする風土の中で、強い愛社精神を持ちながらグローバルに活躍する。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
資生堂の中途採用プロセスは、書類選考後、2~4回の面接が行われます。面接回数は応募ポジションによって異なりますが、最終面接は役員・人事部長が担当します。所要期間は応募~内定まで2ヶ月程度と、他の企業に比べてやや時間を要することが特徴です。圧迫面接が行われた、という口コミはほとんど見られず、和やかで、双方のコミュニケーションを重視する面接であるようです。しかし、「会社全体が上品な感じ、言葉遣いや身だしなみには一定の配慮が必要」という口コミも見られるため、面接に臨む際には注意が必要だと言えます。
資生堂の職種は、「総合職」「生産技術職」「ビューティコンサルタント」の大きく3つに分類されます。「総合職」は、マーケティングやファイナンス、R&D、デザイン、サプライチェーンコース、IT等、さらに細分化されています。「生産技術職」は自社工場がある埼玉県、静岡県、大阪府に勤務地が限定されており、生産技術開発や工程設計等を担当しています。募集ポジションはそれぞれのコースの中で、事業領域や専門分野、勤務地等によってさらに細分化されているため、募集職種の全体像を把握したうえで、「その中でもなぜその職種に応募したのか」を明確に説明できるようにしておきましょう。
■面接内容の傾向は?
面接内容には、「『人』を何よりも大切にする風土の中で、強い愛社精神を持ちながらグローバルに活躍する」という社風が大いに反映されています。「あなたしか出来ない事は何ですか?」「あなたが入社した暁に会社にどんなメリットがありますか?」という質問が多く見られ、資生堂という会社を理解したうえで、自分自身のキャリアや専門性が、その中で具体的にどのように活かせるのか、を具体的に問われます。企業理念はもちろん、これまでの資生堂の歴史や事業内容、現在の経営方針等をしっかりと理解して面接に臨むことが必要です。
また、職種によっては、「男性化粧品について、今後の展望は?」「アジアを代表とするプレーヤーになるためにはどうしたらいい?」「100万円で会社のPR活動をするには?」と、具体的な経営戦略についてプレゼンテーションを求められることもあります。現在の経営方針・事業内容を把握するとともに、どんな質問を投げかけられても臨機応変に、論理的に回答できるよう、しっかりと準備をしておきましょう。
資生堂の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
資生堂の面接攻略法(面接対策)
■資生堂の中長期戦略「VISION2020」を理解した上で自己分析をする
資生堂の面接を受ける上では、中長期戦略「VISION2020」を理解しておくことが不可欠です。「VISION2020」には、以下5つの重点戦略が明示されており、新領域の開発として8つの領域と、2018-2020年の経営目標が掲げられています。
2018-2020の5つの重点戦略
”Building for the Future”
1. ブランド・事業のさらなる「選択と集中」
2. デジタライゼーションの加速・新規事業開発
3. イノベーションによる新価値創造
4. 世界で勝つ、人材・組織の強化「PEOPLE FIRST」
5. グローバル経営体制のさらなる進化
VISION 2020「新領域の開発」
VISION 2020「2018-2020の経営目標」
資生堂の中長期戦略「VISION2020」は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営戦略に合致する人材であることをアピールしましょう。
ありたい姿として「世界で勝てる日本初のグローバルビューティーカンパニー」を掲げている資生堂にとって、グローバルでの戦略実行と目標達成は最重要事項です。経営目標も、2020年目標が上方修正されており、事業展開において積極的な姿勢が伺えます。こうした現在の状況において、即戦力として活躍できるキャリア・専門性をアピールすることが、採用面接では重要になります。例えばこれまで携わったプロジェクトにおいて、当初の想定よりもさらに高い目標を設定し、それを達成するために、チームワークを発揮し、挑戦することで新たな価値を生み出してきたエピソードを準備するとよいでしょう。チームワークを発揮するために工夫したことや、人材育成において心がけてきたことを具体的に説明することで、「人材・組織の強化」に取り組む資生堂で活躍できる人材であることアピールできるでしょう。
また資生堂は、化粧品に関わる新たな8つの領域の開発を進めています。これらに関わる専門性をアピールすることはもちろんですが、これまで、前例に囚われず、新たな技術やツールを積極的に活用し、既存事業をさらなる成長ステージに押し上げてきた実績について紹介することは、強力なアピールになるでしょう。
■「なぜ資生堂に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
資生堂の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ資生堂か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、資生堂という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 株式会社コーセー
- 花王株式会社
- 日本ロレアル株式会社
資生堂の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、資生堂の採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「『人』を何よりも大切にする風土の中で、強い愛社精神を持ちながらグローバルに活躍する」という社風を理解して、チームワークとチャレンジを恐れない姿勢をもって、高い目標を達成できる人材であることを印象付けられるよう、様々なエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
24歳女性/商品管理【結果:最終面接を辞退】
43歳男性/総務【結果:2次面接を辞退】
30歳男性/代理店営業【結果:入社】
36歳男性/マーケティング【結果:1次面接で不採用】
[20代前半・男性/財務] 【結果:入社】
[20代後半・男性/カウンターセールス] 【結果:入社】
資生堂の採用面接に向けて
資生堂の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「『人』を何よりも大切にする風土の中で、強い愛社精神を持ちながらグローバルに活躍する」という社風を理解する。そして、チームワークとチャレンジを恐れない姿勢をもって、高い目標を達成できる人材あることを、自分の言葉でアピールする。
- 資生堂の中長期戦略「VISION2020」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社について研究し、「なぜ資生堂か」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。