三井住友銀行の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
三井住友銀行は「社員が、思う存分にその能力を発揮できる職場づくり」を経営理念に掲げています。実際に社員教育に力を入れており、社内でもよく勉強会が開催されています。資格取得に会社が協力してくれたという声が多数。一般職から試験を突破することで職種転換を果たした人も。働きながらスキルアップを目指すことができる環境です。銀行と言えばお役所仕事のイメージが強いですが、三井住友銀行は実力主義で知られているよう。社員の口コミからも「努力をすれば評価してもらえる」「若いうちから大きな仕事を任される」「ぶら下がっているとそれ相応の処遇になる」といった口コミが寄せられています。「職場はみんなが仲が良い」などのコメントから、成果を出しつつも和を重んじる雰囲気が伝わってきます。
市場全体を見渡してみると銀行にとっては厳しい状態。地銀や信金がシェアを拡大してきていますが、実は銀行全体の7割以上が赤字経営です。業務改善が急務でもあり、上流工程での採用も行われています。
他人と仲良くしつつも、成長意欲を持って成果を出していく。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
書類選考後、面接2~3回が行われます。銀行というと、敷居が高く感じられますが職種によっては他業種からの転職もOKで、様々な業界の人がチャレンジしている様子。その場合、新卒のように先輩社員の話を聞いて情報を仕入れている人が多く見受けられます。もし知り合いがいるなら、話を聞いてみましょう。職種ごとに、未経験OK、経験者のみ、資格が必要などが明記されているので要チェック。ただし未経験可であっても、入社後資格取得が必要な場合も。何はなくとも勉強意欲だけは持って挑みたいところです。選考期間は2週間から3カ月かかった人も。長期戦になることも視野に入れて計画を立てましょう。
信頼が重要な仕事である上、伝統と格式のある会社のため、服装も細かいところまでチェックされています。面接室を出るときにネクタイの乱れを指摘されたという人も。スーツのクリーニング、靴のかかとの修理などは余裕を持って行っておきましょう。入室前には髪やメイク、服装に乱れがないか再度チェックを。
■面接内容の傾向は?
専門的な質問が少なく、「新卒の採用のよう」という口コミが多数。実際の質問内容も「仕事をするうえで重視すること」「長所短所」「志望動機、転職動機」「あなたにとって仕事とは」といった一般的な質問が多く、「即戦力であるか」はあまり重視されていないように感じられます。志望動機、熱意は重要で「なぜ三井住友銀行か」については深く掘り下げられることも。
お金に対する価値観も重要。「あなたにとってお金とは」「金融はなぜ必要なのか」などは、金融経験のあるなしを問わず聞かれます。自分なりの考えを整理しておきましょう。また、スポーツ歴を聞かれることもあります。体育会系の人が多く、スポーツをやっていた経験はプラスになるのだとか。もしあれば、ぜひ自己アピールに盛り込みましょう。
応募者は「熱意と人として信頼できる人物かどうかを見ている」と感じた人が多い様子。実際に三井住友銀行は「人の三井」と言われていて「いい人が多い」との口コミも多いです。逆に言うと、合格するには「自然体でも常にいい人でいられる」という性質も必要でしょう。まずは正直に、誠意をもって面接官と接しましょう。
三井住友銀行の面接攻略法(面接対策)
■三井住友銀行の経営戦略を理解した上で自己分析をする
三井住友銀行の面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。主だった戦略には以下のようなものがあります。
デジタライゼーション等事業の成長と生産性向上につながる戦略的な投資をメリハリをつけて行い、グループ一体となってコスト削減に取り組むことで、この3ヵ年には、経費率の上昇トレンドを早期に反転させ、低下トレンドを定着させます。そして、2020年度以降の早期に60%程度への改善を目指します。
三井住友銀行の経営戦略は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営戦略に合致する人材であることをアピールしましょう。
三井住友ファイナンシャルグループは国内のマイナス金利政策など厳しい環境の中でも7~8%のROE確保を目指しています。そのためにデジタル技術による経費削減を推進している最中。経費率を2016年度比1%引き下げることを目標としています。リテール金融ビジネスでのデジタル先進性にも注力しています。
このような背景から、三井住友銀行でもIT化を推進し、収益率を向上させることのできる人材が求められています。具体的には業務効率化及びリテール部門でのITプロデューサーや技術者の採用に積極的。デジタル活用を推進してきた経験やプロジェクト推進力をPRできれば、他業界から採用される可能性も高くなっています。
既存ビジネスの中で「SMBCグループの競争優位性」及び「成長性」がともに高い事業領域としては「資産運用ビジネス」「グローバルプロダクト」が挙げられており、こういった分野では銀行業務の経験者が求められています。
■「なぜ三井住友銀行に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
三井住友銀行の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ三井住友銀行か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、三井住友銀行という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- みずほフィナンシャルグループ
- りそなホールディングス
三井住友銀行の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、三井住友銀行の採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「全員が仲良く、成長意欲を持って成果を出す」という社風を意識して、「業務効率化に貢献できる人材」または「会社の成長事業に貢献できる人材」であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
「銀行業務は初めてだったが覚えることができた」などの口コミも多く、そのうえ資格取得サポートなど、入社後会社に与えてもらうものも大きい転職となりそうです。新卒のような質問をされたら新卒のような謙虚な気持ちを持って面接に挑みたいところです。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
20代前半男性/海外営業【結果:2次面接を辞退】
30代前半・男性/代理店営業【結果:入社】
20代前半女性/アナリスト【結果:1次面接で不採用】
20代後半男性/法人営業【結果:内定を辞退】
三井住友銀行の採用面接に向けて
三井住友銀行の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の6つです。
- 「全員が仲良く、成長意欲を持って成果を出す」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- 服装や髪型の乱れに注意する。
- できれば先輩を見つけ、話を聞いておく。
- 新卒時を思い出し「誠意」「すなおさ」「謙虚さ」を持って相手と接する。
- 三井住友銀行の経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ三井住友銀行か」に対する答えを明確にしておく。
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慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。