0 編集部が注目した重点ポイント
① 通期純利益を1.5兆円に上方修正する
2025年度上期の実績が極めて好調に推移したことを受け、親会社株主純利益の通期予想を期初目標から2,000億円引き上げ、1兆5,000億円へ上方修正しました。達成すれば前年比で27%の増益となり、本業の収益力が一段と高まっています。転職者にとっても、勢いのある経営環境下で挑戦できる魅力的なタイミングといえます。
② 国内外の金利上昇で預貸金収益を伸ばす
日本国内における政策金利の引き上げを背景に、貸出金利回りが改善し、国内預貸金利回差が1.10%に拡大しました。貸出金残高も大企業向けを中心に堅調に推移しており、金利上昇を的確に収益へつなげる体制が整っています。金融マーケットの変化を捉えた高度なソリューション提案ができる人材の重要性が増しています。
③ 米国ジェフリーズとの協働案件を拡大する
グローバル戦略の要である米国ジェフリーズとの提携が深化し、協働案件数が累計で346件に到達しました。特に米州での資本市場・M&A案件の捕捉が加速しており、海外ビジネスの質的成長を牽引しています。グローバルな舞台で専門性を発揮したいプロフェッショナル層にとって、キャリアの機会が大きく広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度上期実績 決算説明資料 P.2
連結粗利益
2兆2,988億円
前年同期比 +12.4%
連結業務純益
1兆1,481億円
前年同期比 +25%
親会社株主純利益
9,335億円
前年同期比 +28.7%
※連結業務純益 = 一般貸倒引当金繰入前の実質的な本業利益を示す指標
2025年度上期は、国内の預貸金収益やホールセールビジネスの役務取引が伸長したことに加え、米国の投資銀行提携効果により過去最高の純利益を達成しました。特に国内リテールとホールセールの合算利益が大幅に増益しており、金利上昇局面における収益構造の強靭さが示されています。通期計画に対する進捗率は、修正後の高い目標に対してもすでに62.2%に達しています。
上期実績が当初想定を大幅に上回るペースで推移していることから、通期目標の達成は順調と評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度上期実績 決算説明資料 P.21
リテール事業部門
【事業内容】国内の個人顧客を対象とした資産運用、決済ファイナンス、コンシューマーファイナンス等の金融サービスを提供。
【業績推移】業務純益は1,793億円と、前年比で438億円の大幅増益を達成。預金収益が急拡大しています。
【注目ポイント】デジタル金融サービス「Olive」のアカウント開設数が650万件を突破し、決済取扱高が17%成長するなど、フィンテック領域での優位性が際立っています。利上げに伴う預金収益の増加という環境変化を捉え、デジタルと対面を融合させた新たな資産管理モデルを構築するため、UX設計やデジタルマーケティングの専門人材が必要とされています。
ホールセール事業部門
【事業内容】中堅・中小企業から大企業まで、国内法人に対する融資、証券、ソリューション提供を担う。
【業績推移】業務純益は4,621億円で前年比972億円の増益。貸出スプレッドの改善が収益を牽引しています。
【注目ポイント】企業の活発なコーポレートアクションにより、M&Aや不動産ファイナンス、ストラクチャードファイナンス等のソリューション収益が大幅に増加しています。特に大企業向けでは大型案件の捕捉が進み、法人向け貸出残高が前年比14%増と急伸。複雑化する経営課題に対し、銀行・証券・信託が一体となった高度な提案力を備えたRMやストラクチャリング担当が不可欠です。
グローバル事業部門
【事業内容】海外市場における法人・機関投資家向けビジネス、およびアジアにおける多角化事業を展開。
【業績推移】業務純益は3,421億円、前年比で657億円の増益。欧米を中心に貸出需要を的確に捕捉しました。
【注目ポイント】米国ジェフリーズとの協働による投資銀行ビジネスが軌道に乗っており、米州でのプレゼンスが飛躍的に向上しています。また、アジアの出資先銀行の業績回復も寄与しています。単なる融資に留まらず、現地の有力プレーヤーとの連携を通じて高度な金融サービスを提供する戦略を推進中であり、国際的な感覚と高い専門性を持つクロスボーダー案件のプロが必要です。
市場事業部門
【事業内容】金利、為替、株式等の市場取引を通じた運用および顧客向けソリューション提供を担当。
【業績推移】業務純益は2,463億円。前年同期の好調からの反動もあり389億円の減益となりました。
【注目ポイント】4月の相場急変などボラティリティの高い環境下でトレーディングが苦戦しましたが、機動的なポートフォリオ運営によりリスク量は適切にコントロールされています。金利環境の劇的な変化の中で、バンキング収益を安定的に蓄積する役割の重要性が高まっており、高度なクオンツ技術やマーケット分析力を持つ人材の価値が再評価されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度上期実績 決算説明資料 P.3
三井住友フィナンシャルグループは、通期のROE(自己資本利益率)目標10%について、当初の2028年度という計画を大幅に前倒しし、今年度中に達成できる見込みとなりました。これは本業の収益力強化に加え、政策保有株式の削減加速など、資本効率を重視した経営管理が実を結んでいるためです。
今後も国内金利の上昇による収益アップサイドが期待される中、貸出金の残高・スプレッドの同時改善や、国債ポートフォリオの再構築を通じた収益拡大を狙います。また、1,500億円の追加自己株取得を決定するなど、積極的な株主還元を継続できる強固な資本基盤があります。これらを実現するための「攻め」の体制構築に向け、M&A戦略の立案やデジタルプラットフォームの高度化を担える中核人材の採用が、今後さらに活発化するでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同グループは現在、金利環境の変化を収益に変える「歴史的な転換点」にあります。単なる「大手銀行への転職」ではなく、ROE前倒し達成やジェフリーズとの提携といった具体的な成長ドライバーに触れ、「強固な収益基盤を活用して、いかに新たな価値を創出したいか」を語ることが有効です。特にデジタルやグローバルでの実績は高く評価されます。
面接での逆質問例
「ROE目標の前倒し達成により、中長期的な投資の余力も増していると拝見しました。私の配属予定部署では、今後どのような新規事業や領域へリソースを投入していく計画でしょうか?」や、「金利上昇局面で預貸金利回り差の拡大を追求する中、顧客への付加価値を最大化するために、現場レベルでどのようなスキルセットが求められていますか?」といった、攻めの姿勢を問う質問が推奨されます。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
企業から感謝を受けたときにやりがい
仕事の面白みは融資したい企業に融資ができたこと。それによって企業が新しい付加価値のものを世に出し、社会に貢献。これによって企業から感謝を受けたときにやりがいを感じる。
(20代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]目標が多く負担感が非常に大きい
営業担当者一人一人に課せられる目標が多く、負担感が非常に大きいです。組織あるいはチームとして互いに支え合うというよりは、個人の目標の達成に向かって黙々と動き回り続けるしかなく、目標達成によって評価区分が決まります。サポートや的確なマネジメントがないまま、ただ目標達成できないことを指摘され、批判されるのはツライです。
(20代前半・法人営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年度上期実績 決算説明資料(2025年11月14日)
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年11月14日)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。