小林製薬の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
医薬品分野を中心に開発から販売までを手掛ける小林製薬は、医薬品製造企業の本社が集まることで有名な、大阪・道修町に本社を置いています。製品カテゴリーは、一般用医薬品(OTC医薬品)・口腔衛生品・食品・衛生雑貨品・芳香消臭剤・家庭雑貨品・スキンケア・カイロの8つに分類され、約150のブランドを展開。「アイボン」「熱さまシート」「糸ようじ」など、消費者の“あったらいいな”を叶えた商品は、実用的な機能とユニークなネーミングで多くの人に親しまれています。
小林製薬では、「絶えざる創造と革新によって新しいものを求め続け、人と社会に素晴らしい『快』を提供する」という経営理念のもと、「Something New/Something Different(なにかが新しく、なにかが違う)」にこだわって行動することが求められます。こうした行動原則が独自のアイデアや発想の切り口となり、ニッチな市場を開拓して、素早く商品化していくことにつながっているのです。
アイデアを生み出す制度としては、「アイデアプレゼン」「アイデア提案制度」「全社員アイデア大会」などが用意され、チャレンジを推奨する企業風土が築かれる一因になっています。特に、1982年に始まったアイデア提案制度では年間3万件を超えるアイデアが応募され、ここから大ヒット製品に成長したものも数多くあります。「自分が関わった商品が市場に出て行って、それを自分が店頭で手にすることができるということが大きなやりがいであると思う」といった口コミからもわかるように、アイデアに直接関わることが社員のモチベーションにつながっているようです。その一方で、「新しい事はアイデアとしては認められて開発が進んでいくが、そこから実現に至る可能性が低く、業務効率が悪いように感じる」という口コミもあり、改善余地も残されているようです。
その他にも、年次や役職に関係なく意見を言い合える風土づくりを目指した「さん付け呼称」や、主体性を持って挑戦して成果を出した従業員に対して社長が直接メールで功を労う「ホメホメメール」という制度もあります。また、関西弁で「やんちゃな」という意味の「ごんた」という言葉を用いた「ごんたの10箇条」では、小林製薬が求める人財像がまとめられています。
■選考は何次まで?
基本的には、書類選考→面接ならびに筆記試験→内定という流れです。書類選考に関しては、合格者のみに通知が行きます。コーポレートサイトに面接回数の記載はありませんが、おおむね3回程度のようです。応募部門の部長クラス面接と同時に筆記試験が行われ、その後、人事部長面接→役員面接と進むのが一般的のようですが、なかにはさらに多くの面接を経験したという口コミもあります。
小林製薬では、様々な職種が募集されていますので、情報収集をしっかりとおこなってチャンスを逃さないようにしましょう。
■面接内容の傾向は?
口コミからは、「堅苦しさを感じず和やかなムードだった」という声が聞かれ、基本的には小林製薬の理解や仕事に対する価値基準を確かめる質問が多いようです。「あなたならどんな製品をつくるか?」「1億円好きに使えたらどのように弊社の商品を広めますか?」といった質問は、社員のアイデアを生かしてユニークな製品開発をおこなう小林製薬らしい質問だと言えます。
一方で、「あなたのキャッチフレーズはなんですか?」や「弊社を一言で言うと?」などのように、意表を突く質問をされることもあります。こうした質問に答えるには、抽象化できるレベルまで自己分析や企業研究をおこなう必要があるでしょう。
また、「3分間の自由アピールをしてください」という具合に、自己PRをする時間を与えられたという口コミもいくつか見られます。せっかく与えられた貴重なPR時間を無駄にすることのないよう、自分の強みや得意なことをしっかり把握し、相手に伝わる話し方を身に着けておきましょう。
小林製薬の面接攻略法(面接対策)
■小林製薬の中長期戦略を理解した上で自己分析をする
小林製薬は、2017〜2019年中期経営計画のテーマに『実力ある成長』を掲げ、新製品の開発力・育成力をさらに高め、実力ある成長を成し遂げ、「お客様のお困りごとを解決する新市場想像No.1企業となる」ことを謳っていました。これからも、企業としての「ありたい姿」に変わりはないでしょう。
続く2020〜2022年中期経営計画では『新たなる成長への挑戦』が掲げられ、「新成長事業の育成」と「大型M&Aの実行」が盛り込まれています。2019年5月に買収した老舗の梅専門メーカーの梅丹本舗に続き、今後も大型M&Aが実施されることが予想されます。
こうした計画を実行するするために必要な人財像をまとめたものが、先ほどもご紹介した「ごんたの10箇条」です。その中でも特に重視しているのが、「主体性」「チャレンジ精神」「関係構築力」「やり遂げる力、忍耐力」の4要件です。これらの要件をしっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接で具体的なエピソードとともにアピールできるとよいでしょう。
■「なぜ小林製薬に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
小林製薬の面接でよく聞かれる質問として、「なぜ小林製薬なのか」というものがあります。面接官はこの質問を通じて、「入社後に何がやりたいのか」「これまでの経験をどのように活かせるか」といった今後のビジョンを見極めると同時に、「どれだけ企業研究をしているか」ということを判断します。
同じ業界や同じ職種が存在する中で「なぜ小林製薬なのか」という問いに答えるためには、同社への理解はもちろんのこと、競合となりうる企業との違いを明らかにしておく必要があります。そのためには他社研究が欠かせません。少なくとも、以下のような企業についてはしっかりと調べておきましょう。
- アース製薬
- 大正製薬
- ロート製薬
- エステー
小林製薬の採用面接で実際に聞かれた質問内容
小林製薬が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。
小林製薬の場合、行動規範のひとつである「社員一人ひとりが主役」という考えのもと、「全員参加型経営」を推進しています。「主体性を持って行動できる人材」であることをアピールできるように、具体的なエピソードも整理しておきたいところです。また、社員のアイデアを重視する会社であるため、日頃から生活者目線で情報収集のアンテナを張り、暮らしの変化や消費者のニーズに気づくことが大切です。そのような視点で得た気づきを情熱を持って語れるように準備しておくことをおすすめします。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[20代後半・男性/代理店営業] 【結果:入社】
[30代前半・男性/マーケティング] 【結果:一次面接で不採用】
[30代前半・男性/マーケティングコンサルタント] 【結果:最終面接で不採用】
[40代前半・女性/研究開発] 【結果:入社】
小林製薬の採用面接に向けて
小林製薬の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「ごんたの10箇条」を自己分析に落とし込み、自己PRに繋げる。
- 小林製薬の中期経営計画を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ小林製薬で働きたいのか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。