SUBARUの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
中島知久平による飛行機研究所を前身とし、その後、中島飛行機株式会社として軍用飛行機の製造をスタートしたSUBARU。戦後は非軍需産業へ転向、自動車メーカーとして現在の地位を築き上げました。航空機に通じる質実剛健な自動車づくりをする同社には「スバリスト」と呼ばれるファンも少なくなく、六連星モチーフのロゴマークは海外でも知られています。しかし近年、リコール隠しや検査不正など、不祥事が相次いで発覚。企業体質の改善が望まれるところです。
そんなSUBARUの口コミからは、自社製品を愛する社員がやりがいをもって働いていることがうかがえます。部署によって残業時間の多さなど労働環境は異なるものの、「若い社員でも大事な仕事を任されることも多く、仕事のやりがいはある」「ものづくりが大好きな人にはとても良い会社」といった口コミが散見されます。裁量性が重視される環境の中で、自律的にものづくりに取り組める人にとっては適した環境と言えるでしょう。プロパー社員と中途入社者に差がないという意味ではフラットな組織環境があり、「いい人が多い」(口コミより)ため、職場の雰囲気も概ね良いようです。
一方、「まだ昭和の香りの残る職場」「実力主義の面もあるが、年功序列」といった口コミも見受けられます。2017年12月、検査不正に関する記者会見で吉永前社長みずから「良くも悪くも昭和の会社」と評した体質の古さには、多くの社員が不満を覚えているようです。不祥事を経て、こうした企業体質の改善に向けた取り組みが始まったばかりのSUBARU。今後、社風の変化に注目していく必要があるでしょう。
SUBARUには「昭和の会社」的体質は残るものの、社員がやりがいをもってものづくりに取り組める社風があります。中途採用において、こうした社風に適応できるかどうかは応募者側・採用者側どちらにとっても重要なポイントとなります。
■選考は何次まで?
書類選考通過後、通常2回の面接があります(Web適性検査をはさむ)。「(1次面接の)結果がよければそのまま最終面接も行う形だった」という口コミも複数。選考の進め方は個人によって異なるものの、スピーディに進む場合もあることを心得ておきましょう。
現在、SUBARUでは技術職をはじめ、総務関連職や企画関連職など事務系職種でも幅広く中途採用を行っています。口コミによると、面接は人柄をじっくり見極める人物重視傾向にあります。希望する職種において自分のどのような面が活かせるのか、またそれを面接の場でどのようにアピールするのが効果的か、事前にしっかりと対策をして臨みましょう。
■面接内容の傾向は?
「想定内の質問が多かった」という口コミが多く見られます。奇をてらった質問やあまりに専門的な質問よりは、中途採用面接としてはオーソドックスな質問を重ねることによって応募者の人柄を見定めることが重視されているようです。SUBARUの「ものづくり」に真摯な姿勢で取り組むことができるかどうかが問われると言えるでしょう。
自己分析を徹底し、「自分はどのような人間で、なぜSUBARUで働きたいと思っているのか」について語れる準備をしておくと良いでしょう。自分を端的に表現するキーワードを使うなど面接官にとって分かりやすい説明を心がけ、長所や短所など、想定される質問に対して、具体的なエピソードを添えた回答を用意しておくと役立ちます。
人物理解の一環として「今までで一番難しかった仕事は何か?」「過去に一番怒られた経験を教えてください」など、困難や苦境への向き合い方、その乗り越え方を問われることもあるようです。自分の経歴を振り返り、どのような困難をどのように乗り切ってきたかを整理しておきましょう。これは仕事に対する自分の「軸」を明確にすることにもつながり、自己分析の一環としても有効です。自分の性格や志向をからめながら、「今の自分らしさ」を形成した経験としてポジティブに説明できると好印象に結びつくでしょう。
SUBARUの面接攻略法(面接対策)
■SUBARUの新中期経営ビジョン「STEP」を理解した上で自己分析をする
SUBARUの面接を受ける前に、新中期経営ビジョン「STEP」を理解しておきましょう。
2018年7月に策定されたこの新中期経営ビジョンは、「スピード感ある取り組みによって、顧客からの信頼と支持を取り戻し、再び『安心と愉しさ』ある製品を生み出す企業へ」と変革を遂げることを目指しています。不祥事以降、信頼性が低下している現状から脱却するため、「Trust」要素には特に力を入れていく方針です。“Change the Culture”をスローガンに、多方面から企業として正しい姿を取り戻す組織風土改革に多方面から持続的に取り組んでいくとしています。
品質向上への取り組みや、より安心・安全な製品づくり、製品そのものを含めた高付加価値なサービスの提供、販売店のみならず顧客やコミュニティまでもが一体となった活動の実施、トヨタ自動車との連携強化などにより、顧客からの信頼回復およびブランド力の向上を狙う方針です。
企業としての持続的成長面では、海外市場での成長戦略、プライベートファンドを活用したベンチャー企業への投資によるイノベーション創出と新ビジネス開拓、航空宇宙事業のさらなる高度化などによって、減少傾向にあった売上高・営業利益の回復を目指します。
新中期経営ビジョン「STEP」の目標は、このように「顧客に喜ばれる高品質で個性のある製品を提供する」というSUBARUの原点に立ち返り、遂行することです。中途採用においても、「SUBARUの成長と顧客への『安心と愉しさ』の提供のために積極的に働ける人材」が求められていると言えるでしょう。したがって、採用面接に臨むにあたっては、この新中期経営ビジョンをしっかりと理解し、自己分析に落とし込んでおくことが必要です。
■「なぜSUBARUに転職したいのか」の明確化には他社研究を
SUBARUの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜSUBARUか」というものがあります。志望動機を問うことで面接官が知りたいのは「入社後に何がやりたいのか」「これまでのキャリアをどのように活かすつもりなのか」といったキャリアビジョン的な要素を含めた、入社への熱意です。「どれだけ企業研究をしてきたか」「どれくらい当社のことを理解しているか」も併せてアピールすることで、入社への意気込みや、今後の仕事への意欲を面接官に理解してもらえる可能性は高くなります。
業界理解や職種理解の枠を超えて、SUBARUという企業についてしっかりと理解する。そのためには競合となりやすい他社の研究も忘れないようにしましょう。具体的には、自動車業界において競合する以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 日産自動車株式会社
- 三菱自動車工業株式会社
- マツダ株式会社
SUBARUの採用面接で実際に聞かれた質問内容
SUBARUが目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのか、企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。SUBARUの場合「昭和の会社」的体質は残るものの、社員がやりがいをもってものづくりに取り組める社風であることを意識してください。現在の組織になじみながらも、より良い製品づくりとSUBARUの持続的成長のために積極的に働ける人材だと印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[20代後半・男性/研究開発] 【結果:結果待ち】
[20代後半・男性/建築・設備関連職] 【結果:面接中止】
[20代後半・男性/研究開発] 【結果:入社】
[20代後半・男性/研究開発] 【結果:入社】
SUBARUの採用面接に向けて
SUBARUの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「昭和の会社」的体質は残るものの、社員がやりがいをもってものづくりに取り組める社風を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
- SUBARUの新中期経営ビジョン「STEP」を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜSUBARUなのか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。