0 編集部が注目した重点ポイント
①国内販売子会社の統合で経営体制を刷新する
2025年度第2四半期より、東北地区5社および中四国地区5社の国内販売子会社をそれぞれ統合し、計10社を連結範囲から除外しました。この国内営業体制の大幅な刷新により、管理部門の効率化や地域密着型の営業強化が期待されます。転職者にとっては、より統合された組織でのキャリア機会や、国内販売戦略の変革に携わるチャンスが拡大する可能性があります。
②米国追加関税の影響で営業利益が大幅に減少する
売上収益は前年同期比5.3%増と堅調でしたが、営業利益は53.8%減の1,027億円と大幅な減益を記録しました。これは主に1,544億円に及ぶ米国追加関税の影響によるものです。外部環境の急激な変化に直面する中で、コスト構造の改善やリスク管理を担う専門人材の重要性がかつてないほど高まっている状況が伺えます。
③自社BEV生産に向けた国内工場整備を推進する
バッテリーEV(電気自動車)の自社生産開始に向けた工事に伴い、国内生産台数が前年比6.9%減少しました。これは将来の電動化シフトに向けた先行投資による一時的な影響です。モノづくり現場においては、既存のガソリン車生産と並行してBEV生産ラインを構築する高度な生産技術や、プロジェクト管理のスキルを持つ人材が求められるフェーズにあります。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.5
売上収益
2兆3,857億円
(前年比 +5.3%)
営業利益
1,027億円
(前年比 -53.8%)
親会社所有者帰属利益
904億円
(前年比 -44.5%)
2026年3月期第2四半期累計期間は、米国を中心とした海外販売台数の増加(前年比5.3%増)や価格構成の改善により、売上収益は過去最高水準の2兆3,857億円を達成しました。一方で利益面は、為替レートの円高推移による差損や研究開発費の増加に加え、米国追加関税の影響が重なり、大幅な減益となりました。
通期予想の営業利益2,000億円に対する進捗率は51.4%となっており、厳しい事業環境下ながら、期初計画に対しては概ね順調に推移していると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.10
自動車事業
事業内容:スバル車の開発・製造・販売。主力車種「フォレスター」「クロストレック」「アウトバック」を展開。
業績推移:売上収益2兆3,235億円(+5.2%)、セグメント利益973億円(-56.1%)の大幅増収減益。
注目ポイント:米国市場での販売は34万台(+2.3万台)と非常に好調で、ブランド力は維持されています。現在はBEV自社生産に向けた国内工場の刷新や、新型車の価格構成改善を推進中であり、電動化シフトを支えるエンジニアやサプライチェーンの最適化を担う人材への期待が高まっています。
航空宇宙事業
事業内容:航空機の機体構造(中央翼等)の製造、防衛省向けヘリコプター等の開発・製造。
業績推移:売上収益595億円(+9.2%)、セグメント利益20億円(前年赤字から黒字化)。
注目ポイント:民間機事業における「中央翼」の納入数増加が寄与し、待望の黒字化を達成しました。自動車事業に次ぐ第2の柱として収益貢献が期待されており、民間機需要の回復に合わせた増産体制の構築や、先端技術の開発において専門性の高いエンジニアが求められています。
地域別動向(北米・日本・他)
事業内容:北米、日本、欧州、豪州、中国、アジア等の各市場における車両販売活動。
業績推移:北米売上1兆8,867億円(+4.7%)、日本売上3,344億円(+7.1%)といずれも伸長。
注目ポイント:北米が売上全体の約8割を占める圧倒的な重要市場です。カナダや豪州で微減したものの、欧州やアジア、その他地域を含めグローバルでバランスの取れた販売を目指しています。各地の市場特性に合わせたアフターサービスや部品用品ビジネスの強化(利益増)も、中長期的な収益源として注目されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.22
SUBARUは2026年3月期の通期見通しについて、売上収益4兆5,800億円、営業利益2,000億円の期初計画を据え置きました。上期は米国関税の影響により利益が圧迫されましたが、下期に向けては「フォレスター」などの新型車効果による価格構成の改善や、為替レート前提(145円/US$)に基づいた着実な収益確保を目指します。
特筆すべきは、年間1,600億円に上る研究開発支出を維持している点です。これは将来のBEV自社生産やソフトウェア定義型車両(SDV)への対応を加速させるための必須投資です。生産台数90万台、連結販売台数92万台という高い目標に向けて、現場では生産効率の改善と同時に、次世代モビリティへの変革を牽引するIT・DX人材やR&D人材の獲得が急務となっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
SUBARUは今、単なる自動車メーカーから「モノづくりと価値づくりの変革者」へと進化する重要な局面(電動化への大規模投資)にあります。米国市場での強力なブランド基盤(34万台超の安定販売)を背景に、航空宇宙事業の黒字化など多角的な成長を見せています。この「安定した収益基盤」と「未来への挑戦(BEV・SDV)」が共存する環境で、自分の専門性をどう活かせるかを具体化することが、強い志望動機に繋がります。
面接での逆質問例
・「米国追加関税の影響を最小限に抑えるための、グローバルなサプライチェーン再編において、中途採用者に期待される役割は何ですか?」
・「BEV生産ラインの構築に向けた国内工場の改修が進んでいますが、既存のガソリン車生産と生産効率を両立させるための現場の課題を教えてください。」
・「航空宇宙事業が黒字化しましたが、今後、自動車事業との技術交流やシナジーをどのように深めていく計画ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
スキルアップを目指す方には良い環境
新入社員研修や資格取得支援が充実しており、スキルアップを目指す方には良い環境です。特に、製品が世に出る喜びを感じられる点は大きな魅力です。全体として、安定した環境で働きたい方には適している職場です。
(20代後半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]年功序列で若手の意見が反映されにくい
組織の古い体質が影響しているのか、年功序列が根強く残っており、若手の意見が反映されにくいと感じることもあります。 上層部からのネガティブな発言が士気に影響を与えることもあり、改善の余地があると感じます。
(20代後半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期決算説明会資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。