住友電工の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
ワイヤーハーネスに代表される自動車関連製品、光ケーブルなどの情報通信機器、さらに半導体やインフラ設備の開発ほか、さまざまな事業をおこなう住友電気工業(以下、住友電工)。住友グループの中核をなし、創業から120年が経過した同社は、非鉄金属メーカーとして国内ではトップの売上高となっています。
歴史を持つ企業のためか、社員の口コミには「年功序列の縦社会」「男社会」「良くも悪くも昔ながらの会社」といった声が聞かれます。事業規模の割には認知度が低く、それにより仕事の進め方に影響が出るのが不満という意見も。電気自動車の普及により、将来性はあるものの、そこに頼りすぎる点を問題視している人もいます。
一方、大企業ならではの利点も多く聞かれ、「信用確実」「安全や環境破壊への高い意識」など理念に関するものや、福利厚生の充実もあげられています。仕事面では「任される業務は多いものの、若手のうちから大きなプロジェクトに携われやりがいを感じる」「コスト意識が高く、その点で学ぶことが多い」との声があり、自分に任された業務をしっかりとこなしていく人には良い環境にあるといえるでしょう。
「信用を第一とし、仕事を通じて社会に貢献する意識を持ち合わせている」「調和を重んじ、その中で自己の成長を図り変革を生み出していける」というビジョンを持つ人材を求めている同社。面接においては、このような企業風土にマッチしているかを見定められるといえるでしょう。
住友電工グループは
顧客の要望に応え、最も優れた製品・サービスを提供します
技術を創造し、変革を生み出し、絶えざる成長に努めます
社会的責任を自覚し、よりよい社会、環境づくりに貢献します
高い企業倫理を保持し、常に信頼される会社を目指します
自己実現を可能にする、生き生きとした企業風土を育みます
■選考は何次まで?
住友電工の選考プロセスですが、コーポレートサイトのキャリア採用情報によると、書類選考後にweb上での筆記試験(計数、言語、適性)、その後部門面接、人事面接など、計3回の面接を経て採用の流れとなります。選考期間は平均して40日程度となり、面接官は、部長、管理部門、役員、現場社員が担当します。
現在の募集職種は「営業」「法務」「開発」「研究」「製品設計」「生産技術」「品質保証」「設備技術」「施工管理」「社内SE」「知財」と多種にわたり、職種によってはさらに細分化されていますので、採用サイトでの確認が必要となります。合わせて応募資格、勤務地、待遇などについてもそれぞれ異なりますので注意してください。
応募はすべてwebサイトからとなり、合否の連絡もメールでおこなわれます。
なお、採用情報サイトには、教育制度、人事担当者や社員のメッセージが掲載されていますので、それらにも目を通し雰囲気をつかんでおきましょう。
■面接内容の傾向は?
志望動機や職務経歴など一般的な質問がおこなわれ、圧迫面接のような雰囲気もなく、穏やかに進みます。とはいえ「なぜ当社を希望したのか?」「どのようにして当社を知ったか?」など、志望動機についてはかなり念入りに聞かれるようなので、この点に関しては特に準備と対策をしておくことが必要となります。
企業理念はどういったものか、どのような業務をおこなっているかなど、会社への理解を充分に深めておくことも大切です。合わせて「協調性の有無」「仕事への意欲」といった人柄も同時に見極められているので、それらを整理した上でしっかりと自分の言葉で答えられるようにしておきましょう。
口コミには「海外への興味の有無を聞かれた」「忠誠心、従順さを見られている」との声もあるので、上記を踏まえながらこのような質問への対処法や、礼儀作法などにも気を払うなど、事前に準備した上で面接に臨むことをおすすめします。
住友電工の面接攻略法(面接対策)
■住友電工の「22VISION」を理解した上で自己分析をする
住友電工の面接を受ける際に重要となるのは、中期経営計画である「22VISION」をしっかりと理解することです。以下を参考に、どのような方針であるかを読み解いていくとともに、自己分析に落とし込んでいきましょう。
2022年度へ向けての中期経営計画である「22VISION」の基本コンセプトは、「総力を結集し、つなぐ、つたえる技術で、よりよい社会の実現に貢献する」となっています。設立より培われてきた事業精神と経営理念を基盤とし、既存事業のさらなる強化と伸長、そして昨今の事業環境の変化にもイノベーション(技術革新)によって対応し、新たなサービスを提供するという考え方です。
上図を参考にして具体的に見ていきましょう。まず「3つの基盤」の強化をあげており、これによると、「進化を続ける社会変化への対応」が見て取れます。技術の進化はここ数十年間で驚異的な早さで進んでいます。「社風への理解」の項で述べましたが、昔ながらの会社では時代に取り残されてしまうことすら考えられます。そこで、まずは新たな技術に対応できる人材を育成するとし、同社の基本である「モノづくり」の強化を促進しています。次にダイバーシティの推進、さらにグローバル化にともなう組織の再構築を進めています。この先ますます競争が激しくなる業界において、抜本的な組織の改革により、柔軟な企業としての成長を目標としていると見てよいでしょう。
さらに同社は上図のように「開発の強化」「世界視野の業務」「時代を先取りするイノベーションの創出」を重点取り組み項目として掲げています。現在、セグメント別では自動車関連業が売上の大半を占めていますが、全体を通してバランスのよい事業を目指しながら、この先も安定した業績をあげるためには、これらの項目を細部まで実行していけるかが重要なポイントとなるでしょう。
以上から住友電工では、「新たな技術や能力を積極的に身につけて仕事に取り組んでいける」「信頼と協調性を大切にしながら、時代の変化にも対応していける」といった人材を求めていると読み取れます。こうした経営戦略を理解し、面接では明確な自己アピールができるよう、事前にしっかりと対策をしておきましょう。
■「なぜ住友電工に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
同社の面接でよく聞かれる質問として、「なぜ住友電工を選んだのか」というものがあります。それにより面接官は「入社後の明確なビジョンがあるか?」「これまでの経歴が当社にどのような利益をもたらすか」という回答を求めてもいますが、「当社について本当に理解しているのか」を見極められているといえます。
業界および職種理解の枠のみにとらわれることなく、住友電工という企業の理念、社風、経営戦略をもしっかりと理解する。その上で、比較対象になりやすい他企業を知り、研究していくことも必須です。一例として以下の企業をピックアップしますので、研究の参考にしてみてください。
- 古河電気工業株式会社
- 三菱電線工業株式会社
- 株式会社フジクラ
住友電工の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、住友電工の採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が必要です。そして面接の場では、「信用と調和を第一に、仕事を通して自己の成長と社会貢献をする」という社風を意識し、「さまざまな変革の中において新しい技術力を発揮していける」人材と印象づけられるよう、数多くのエピソードを用意しておくとよいでしょう。
面接を受けた方が実際に聞かれた質問をご紹介していきます。これらを把握した上で、このような問いにはどう答えるのが最適か?など、シミュレーションしてみてください。
30代前半・男性/営業【結果:入社】
20代後半・男性/研究開発【結果:内定を辞退】
20代前半・男性/法務【結果:3次面接で不採用】
30代前半・男性/財務【結果:面接中止】
住友電工の採用面接に向けて
住友電工の採用面接を受けるにあたり、押さえておきたいポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下となります。
- 「信用を第一とし、仕事を通じて社会貢献をしていける」「協調性を持ちながら、自己の成長を図り、変革にも対応できる」という社風を意識して、これにマッチした人材ということをアピールする。
- 住友電工の経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ住友電工か」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。