ロック・フィールドの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
「RF1」「神戸コロッケ」「いとはん」など、百貨店や駅ビルをメインに惣菜ブランドを展開するロック・フィールド。ヨーロッパの高級デリカテッセンにインスパイアされた創業者の岩田弘三氏によって同社が設立されたのは1972年。以降、女性の社会進出による共働き家庭の増加や核家族化といった社会的要因を背景に急成長。デリカテッセン業態で提供される同社の惣菜(同社では「SOZAI」「そうざい」と表記)は高い人気を誇り、一時の「デパ地下ブーム」を牽引しました。
そんなロック・フィールドの口コミから見えてくるのは、フラットで風通しの良い企業風土です。「有能な人材は男女関係なく管理者になっている」「商品開発や売り方提案に意見を言え、それが通ることもある」「出る杭が打たれるような会社ではない」といった声が聞かれ、社員の裁量が大きく認められている点、公正な評価がおこなわれている点に満足感を覚える社員が多い様子。「明るい人が多い」「店舗で困ったことがあれば本部も協力してくれる」という口コミも見受けられ、社内の風通しの良さや組織の柔軟性がうかがえます。
一方、店舗勤務者からは「休みが取りにくい」「残業が多い」「体力勝負」という声が多く聞かれます。人手が足りない場合には社員が激務をこなさなければならず、それを苦痛に感じる人もいるようです。しかし、「アルバイトへの指示の出し方など自分の考え方が問われる場面が多く、やりがいがある」「お客様とのコミュニケーションが取れると仕事の面白みが増す」といったことから、繁忙さの中にもやりがいを見出し、モチベーションを維持する人が多いようです。
これまで「デパ地下惣菜」分野をリードしてきたロック・フィールドですが、同業他社の台頭や人手不足など、事業環境には課題が多くあり、経営方針を不安視する声も聞かれます。今後の経営に注目していく必要がありそうです。
同社の社風にフィットし、その上で成果を出せる人材であるかどうかは、面接時に採用者側が見極めたいポイントのひとつです。自分の性格やキャリア形成の方向性を洗い出しつつ、対策をおこなっていきましょう。
■選考は何次まで?
コーポレートサイトの採用サイト情報によると、書類選考通過後、2回の面接を経て内定に至るのが一般的な選考プロセスとなっています。口コミによると選考期間は1週間~1ヵ月程度と、比較的スピーディーに進むことが多いため、限られた時間の中で万全の対策をおこなう必要があります。
2020年3月現在、ロック・フィールドでは店舗スタッフや店長候補の中途採用をおこなっています。採用サイトには募集要項や人材育成制度についてはもちろん、同社が「SOZAI」「そうざい」にかける情熱や大切にしていることなど、企業研究として役立つ情報が数多く掲載されています。面接対策の一環としてしっかりと目を通し、自己PRに繋げられるよう準備をしておきましょう。
■面接内容の傾向は?
面接では人物理解とともに、「どのようにロック・フィールドの事業に貢献できるか」が問われます。
一般的な内容の質問が多いものの、「これまで何を重視して仕事に取り組んできたか」など、キャリア採用ならではの質問から人柄や価値観を見極められるようです。これまでの経験から自分なりの「仕事の軸」を洗い出し、「今まで困難や挫折をどのように乗り越えてきたか」「仕事する上で最重要視しているポイントは何か」などを整理しておくとよいでしょう。
また、「あなたが入社することで当社が受けるメリットは?」「店長になったらどのようなお店にしていきたいか?」など、これまでのキャリアや素養をどのように活かして同社に貢献できるか問われる場面も。「仕事に活かせる自分の強み」「弱みとそれをカバーするための対策」などの回答を作成してみると役立ちます。自己分析と企業研究、それぞれの結果をすり合わせ、今後のビジョンを導き出しておくことが重要です。自己PRと事業の方向性に隔たりがないよう、最終チェックを怠らないようにしましょう。
ロック・フィールドの面接攻略法(面接対策)
■ロック・フィールドの経営戦略を理解した上で自己分析をする
面接に臨む前に必ずおさえておきたいのが、ロック・フィールドの経営戦略です。
現代社会のニーズに対応した惣菜の提供を通じて、社会への貢献をも目指す同社。自社を「ミライ・サラダ・カンパニー」と位置づけ、サラダをはじめとした惣菜を主力商品として、現代人の豊かなライフスタイルづくりに食の面からコミットしていく方針です。
企画部門においては、販売価格を適正に保つ努力はもちろん、良質な素材を活かした付加価値の高い商品づくりに尽力しています。また、インターネット販売に適した商品の開発にも積極的に取り組んでいます。販売部門では、売り場改善による生産性・収益性の向上とともに新たな販売チャネルの開拓を推進していく姿勢です。生産部門・物流部門でも生産性向上や効率化のための施策を進めています。
こうしたロック・フィールドの戦略の基本にあるのが、企業理念に基づいた食の安心・安全への取り組みです。信頼関係のある生産者から買いつけた良質な原材料を使うこと、その管理を徹底しておこなうことで、提供する商品の価値と安全性を担保するというスタイルの同社。面接に挑むにあたっては、上図のような品質保証体制について把握しておきましょう。「安心・安全な惣菜の提供」という同社のポリシーに共感していることを伝えた上で自己PRができると好印象です。そのためには経営戦略とともに企業理念の理解も必要です。
■「なぜロック・フィールドに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接では「なぜロック・フィールドか」という質問に対する明確な回答が求められます。志望動機を問うことで面接官は「持ち前の性格やこれまでのキャリアをどのように当社で活かすつもりなのか」といった入社後のビジョンとあわせて、「当社のことをどれだけ理解しているか」「当社の戦略や商品づくりにかける情熱やポリシーを理解した上で事業に貢献できる人物なのか」を見極めようとしています。
自分の希望する職種への理解だけでなく、ロック・フィールドの戦略とその実現に向けた各施策、および理念についてしっかりと理解した上での自己PRが必要です。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れずにおこないましょう。他社と比較して「その中でなぜロック・フィールドを志望するのか」を論理的に伝えられれば、入社への熱意だけでなく今後の仕事への意気込みもアピールすることができます。具体的には、「デパ地下惣菜」分野で競合する以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 株式会社柿安本店
- 株式会社アサヒブロイラー
- 株式会社なとりデリカ
ロック・フィールドの採用面接で実際に聞かれた質問内容
ロック・フィールドが目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。ロック・フィールドの場合、経営戦略を理解した上で、企業理念に沿って業務に取り組める人物であるかどうかが重視されます。
「働く楽しみを得られるフラットで風通しのよい社風」を意識して、「商品づくりへの情熱やポリシーに共感しつつ成果をあげられる人材」と印象づけられると良いでしょう。ともに働きたい人材だと思ってもらえるようなエピソードをピックアップしておき、状況に応じてアピールできる準備が必須です。
以下、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。質疑応答のシミュレーションの一環として、これらの質問をされたらどのように答えるか、自分なりの回答例を作成してみてください。
[20代後半・男性/制作ディレクター] 【結果:最終面接で不採用】
[20代後半・女性/店長] 【結果:二次面接で不採用】
[20代後半・女性/ショップスタッフ] 【結果:結果待ち】
[20代後半・女性/店長] 【結果:入社】
ロック・フィールドの採用面接に向けて
ロック・フィールドの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「働く楽しみを得られるフラットで風通しのよい社風」を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
- ロック・フィールドの経営戦略および企業理念を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜロック・フィールドなのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてインプットした情報を整理し、面接当日は積極的に自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。