豊田合成の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
豊田合成は1940年、トヨタ自動車のゴム関連部門を母体として設立されました。自動車の窓枠やドア、トランクの開閉部分などに装着する「ウェザストリップ」など、ゴム・樹脂の高分子技術を使った自動車部品の製造を主軸に事業を展開してきました。現在16ヵ所の海外拠点を持ち、世界中で高いシェアを誇るサプライヤーとして知られています。
豊田合成で働く人の口コミを見ると、トヨタグループの会社ならではの特徴が見えてきます。「大きな組織なので安定感がある」「有給休暇や福利厚生はかなり充実している」など、トヨタ系列であることが社員にとっての安心感の根拠ともなっているようです。同時に「トヨタへの依存度を低くするための開発も行っている」「研修制度や手順書が整っている」など、合理性や独自の存在感を追求する動きも進んでいるようです。
業務面では、「自分の提案が設計に反映されると嬉しい」「案件は最初から最後まで個人に任せられる」といった口コミが多く見られます。大小さまざまなプロジェクトを個人に委ね、責任とプライドを持って遂行させる手法に、やりがいを感じている社員が多そうです。
強い責任感を持ってプロジェクトに取り組むプロフェッショナルが集まり、非金属部門における枢軸としてトヨタグループの一翼を担う豊田合成。採用面接では、こうした社風の中で即戦力として活躍できる人材であるかが見極められます。
■選考は何次まで?
豊田合成の中途採用は、書類選考、部門担当者との一次面接、部門担当役員との二次面接というフローに則り行われます。応募は郵送、またはメールにて採用チーム宛てに必要書類を提出します。また、同社への紹介を行っている人材派遣会社もあります。選考にかかる期間は口コミによると1週間~1ヵ月と、少し幅がありそうです。
2020年3月現在、自動車部品の開発・設計、生産技術、商品企画など、複数の職種において求人を行っています。募集要項はコーポレートサイトのキャリア採用情報ページに掲載されていますので、まずはきちんと確認した上で応募し、面接が決まった後にも再度目を通しておくことをおすすめします。
■面接内容の傾向は?
豊田合成の面接では基本的な質問に加えて、専門的な質問をされることが予想されます。
「これまでの経験をどう生かせるか」「なぜ現職を辞めようと思うのか」といった一般的な質問により、仕事に対する考え方や人柄を垣間見ようとする意図がうかがえます。なぜ転職活動を行い、この面接に挑むのかをあらためて整理し、自身のキャリアにおいて前向きな意味で豊田合成を志望していることを面接官に示しましょう。
制御設計や回路設計などの面接では、具体的なツールの使用経験の有無や、その応用アイデアを問われたり、実際に回路を書いてみるよう求められたりしたという口コミも。プロジェクトを最後まで個人に任せることが多い同社らしく、候補者に即戦力としての技術や知識があるかを確かめていることがわかります。応募職種に求められる経験・知識を募集要項でよく確認するとともに、前職で体得したことを論理的に説明できるようシュミレーションしておくとよいでしょう。
豊田合成の面接攻略法(面接対策)
■豊田合成の「2025 事業計画」を理解した上で自己分析をする
豊田合成の面接を受ける前に、同社の中期経営計画である「2025 事業計画」を理解しておきましょう。
2020年までの8ヵ年計画で掲げた「真のグローバルサプライヤー」となる目標を実現させた豊田合成は、今次なるビジョンを描いています。2018年~2025年を対象とした「2025事業計画」の中では「変革・イノベーションによる成長」を基軸とし、その先を見据えた持続的な成長を目指します。
豊田合成 コーポレートサイトより
その実現を支えるための三本柱として、上の図のような活動を挙げています。ⅠからⅢの活動内容を具体的にまとめると、以下のようになっています。
Ⅰ、新しい技術を用いたアプリケーションビジネスなど、新領域の事業化
Ⅱ、領域ごとの事業戦略の再構築と、グローバルな販路の拡大・増強
Ⅲ、全世界での生産ノウハウの統一や、IoT・AIの導入による生産現場革新と、サステイナビリティの追求
いずれも従来のビジネスパターンからの変化を意識し、イノベーションを重視することで収益水準を底上げしていくための施策です。そして、この2025事業計画における経営目標を、「売上収益を1兆円台に乗せること」としています。
こうした壮大なビジョンを描く同社の軌道にともに乗るためには、高い技術力や開発・生産現場での経験値はもちろんですが、自動車業界のみならず社会の変容に対する鋭い洞察力が求められます。豊田合成の戦略を深く理解した上で、自身のキャリアが生かせるポイントを洗い出しましょう。これまで培ってきた経験を着実に生かしながら、新たなビジネスにも挑んでいく前向きな姿勢をアピールすることができれば、入社に一歩近づくでしょう。
■「なぜ豊田合成に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接では、「なぜ豊田合成を志望するのか」を論理的に説明できるようにしたいところです。面接官はこの質問によって「この人は何をしたいのか」「それは当社で実現可能なのか」「この人のキャリアは当社で生かせるのか」ということに加え、「本当に当社を理解しているか」という点も確認をしています。
業界やトヨタグループという枠を超えて豊田合成という企業を理解するためには、競合企業の研究も欠かすことができません。具体的には、以下のような企業について調べておくことをおすすめします。
- 日亜化学工業株式会社
- 西川ゴム工業株式会社
- 東海興業株式会社
豊田合成の採用面接で実際に聞かれた質問内容
豊田合成が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。豊田合成の場合、2025事業計画を理解した上で、同社の目指す未来とそれに向けた活動の柱に照らし合わせた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。
そして面接の場では、「責任とプライドを持つプロフェッショナルが集まり、トヨタグループの一翼を担う」企業風土を意識して、「これまで培った経験を着実に生かしながら、新たなビジネスにも挑める前向きな人材である」と印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
以下、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの事例を参考に、応募する職種の領域における細かな質問にも対応できるよう、これまでの業務経験から得た知識や技術を棚卸しして臨みましょう。
[20代後半・男性/機械設計] 【結果:入社】
[30代前半・男性/制御設計] 【結果:一次面接で不採用】
[30代後半・男性/アナログ回路設計] 【結果:一次面接で不採用】
[20代後半・女性/看護師] 【結果:結果待ち】
豊田合成の採用面接に向けて
豊田合成の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「責任とプライドを持つプロフェッショナルが集まり、トヨタグループの一翼を担う」社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- 「2025事業計画」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ豊田合成か」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。