キョーリン製薬の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
1923年から90年以上にわたり、新薬の製造・販売を続けているキョーリン製薬。社名は中国の故事にちなんでつけられたもので、正式名称は「杏林製薬」。「人々の健康を願う」という思いが込められています。ただし持ち株会社が社名に「キョーリン」とカタカナを用いており、今ではHPの社名表記も「キョーリン製薬」が採用されていることから、この記事でも以下、「キョーリン」と表記しています。
働く人からは「新薬の開発に関われる」というやりがいのほかに、「個人とチームそれぞれの成果が評価されるので、適正な評価が受けられると」といった評価制度に対する満足や「各部門で連携を取って知識や情報を交換できる」といった環境への満足度があげられています。 採用サイトやコーポレートサイトでも「企業と人材の互恵的な協力・共存関係」が強調されており、そのために築き上げてきた組織化戦略が功を奏しているようです。
一方で、MRや営業職は新製品の開発が順調かどうかによって成績が左右される部分があるようです。新商品がなかなか出ない時期には成果を出すことが難しく、退職のきっかけにもなるとのこと。2020年4月現在は、コロナの検査薬開発や消毒薬の売り切れ続出によって株価も急上昇しており、売り上げを上げることに苦心することはないかもしれませんが、長期的には定番商品に長く関わっていくという局面に遭遇することも視野に入れておくべきでしょう。
人々の健康を願って、ひとつひとつの製品に丁寧に関わっていく。 こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
2020年4月現在、ホームページではSE、キャリコネ内では薬事申請の人材募集が行われています。選考フローについて明記はされていませんが、口コミによると一次、二次、最終面接が行われたとのこと。選考期間は2週間から3カ月以上と人によってかなりばらつきがあります。
採用メッセージには「企業の価値観を見極めてほしい」「キョーリン製薬の『働き方』に共感できる方に応募してほしい」とあることから、提出書類の志望動機に「企業の価値観への共感」を盛り込んでおきたいところです。
特に知っておきたいのは、同社がチーム制を重視し、仲間と協働して成果をあげることを求めているということ。この価値観については、採用ホームページの「なぜ、キョーリン製薬は、チームで働くことを大切にするのか」という記事でも繰り返し強調されているので、応募前に一度目を通しておいてください。
「実績よりもフィーリングを重視しているのでは」という口コミが散見されていることから、当日は自己PRに終始するのではなく、会話の調和を意識した雰囲気づくりを心がけるとよさそうです。
■面接内容の傾向は?
応募職種とは異なっていても、「MR」「研究開発」など、会社の根幹部分を担う職種については理解を深めておきましょう。「MRとはどんな仕事か」といったことを聞かれる場合もあります。
それらの職種を理解するために、会社採用HPに公開されいてる「MRの現場」「研究開発の現場」といった記事に目を通しておくことをおすすめします。公益財団法人MRセンターが毎年実施しているMR認定試験の参考書を一読すると、さらに理解が深まるでしょう。
そういった質問は、会社の事業内容を理解しているかどうかを確かめるだけではなく、前述のチーム制に関わる質問と捉えることもできます。同社では自分の職種だけではなく、全員に対する関心と理解を深め、一緒に成果をあげようという姿勢が求められています。どんな職種が存在しているのか、できる限り把握しておくのが望ましいでしょう。
そして「成功体験」も頻度の高い質問です。個人より、チームで成果をあげた経験をいくつかエピソードとして用意しておきましょう。
キョーリン製薬の面接攻略法(面接対策)
■キョーリン製薬の中期経営方針を理解した上で自己分析をする
キョーリン製薬の面接を受ける上では、中期経営戦略に対する理解が必要です。コロナ禍により、多くの企業が計画変更を余儀なくされており、キョーリン製薬も例外ではありません。ニュースもこまめにチェックしておきましょう。
企業の経営戦略は、採用する人材を決定する上で重要な指標となるものです。内容をよく理解し、自己分析の際は経営戦略に合致する部分を見つけ、今までのキャリアの中からアピールすべきポイントを絞り込んでおくことが大切です。
キョーリン製薬ホールディングスのグループ経営戦略によると、事業戦略のポイントは「創薬力の強化・新薬群比率の向上」などの4点。また、医薬品とヘルスケアにバランスよく力を注ぐことで、事業リスクの分散を図り、販売面では海外進出に力を注いでいくとしていました。
それに対応する形で、キョーリン製薬では、MR・研究開発ともに「呼吸器科」「耳鼻科」「泌尿器科」の3分野を重点領域と位置づけ、そこにリソースと人材を集中する戦略をとってきました。
コロナ禍について、キョーリン製薬も解決策の提供に積極的に携わっており、2020年4月23日には新型コロナウイルスの検出試薬の発売を日経新聞などを通じて発表。薬だけでなく装置の供給も急いでいます。現在出ている求人もこの製品に関するものです。
このように専門性の高い職種で「急募」の採用が多くなりそうなため、実績があれば離職期間が長い人にとってもチャンスであると言えます。面接を受ける際は、有用な人材であることをアピールするため、「創薬力の強化・新薬群比率の向上」や「医薬品とヘルスケアにバランスよく力を注ぐ」という経営戦略を意識した自己PRを行うとよいでしょう。
■「なぜキョーリン製薬に転職したいのか」の明確化には他社研究も忘れずに
面接で必ず聞かれると言われているのが「なぜキョーリン製薬なのか」という質問です。「やりたい仕事ができる」「自分の経験を活かして貢献できる」という点をアピールするのもよいのですが、面接官はそれ以上に「どのくらい当社のことを理解しているか」という点を重視しています。同じ業界や職種の中でなぜキョーリン製薬を選んだか、それを明確に説明できるようにしておきましょう。
キョーリン製薬の場合、「チーム制」を志望動機にあげる人が多いため、ほかの応募者と差をつけるには、それ以外のポイントをいくつか盛り込むことが重要です。
そのためには、競合他社について研究し、仕事内容や経営戦略、企業理念の違いを把握しておきましょう。具体的には以下のような企業と比較してみましょう。いずれもキョーリン製薬と同様に、コロナで株価が上昇傾向にある企業です。
- 科研製薬株式会社
- 小野薬品工業株式会社
- エーザイ株式会社
キョーリン製薬の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、キョーリン製薬の面接を受ける前には、経営戦略に沿ってアピールすべきポイントを抽出し、他社との比較に基づいた明確な志望動機の準備が不可欠です。
「人々の健康を願って、ひとつひとつの製品に丁寧に関わっていく」という社風の中で、チームとして、個人としてそれぞれどのように貢献できるのか。そして「創薬力の強化・新薬群比率の向上」や「医薬品とヘルスケアにバランスよく力を注ぐ」といった経営戦略の実現の一端をどのように担うのか。これらについて具体的なエピソードを交えて語れるよう、自己アピールを整理しておきましょう。
面接当日、実際に出された質問をいくつかあげてみます。このような質問に対してどのように回答すべきか、自分なりの答えを考えてみてください。
20代後半・男性/MR【結果:入社】
20代前半・女性/MR【結果:内定を辞退】
20代前半・男性/ルートセールス【結果:1次面接で不採用】
30代前半・男性/ルートセールス【結果:最終面接で不採用】
キョーリン製薬の採用面接に向けて
キョーリン製薬の面接を受ける前に、準備しておきたい大切なポイントをご紹介してきました。以下の4点について万全の準備を行っておきましょう。
- 「人々の健康を願って、ひとつひとつの製品に丁寧に関わっていく」という社風になじむよう、言動に注意する。
- 「創薬力の強化・新薬群比率の向上」や「医薬品とヘルスケアにバランスよく力を注ぐ」という経営戦略にどのように貢献できるのかを整理する。
- チームで成果をあげた経験をエピソードとしてまとめておき、企業の価値観への共感を示す。
- 競合他社と比較して「キョーリン製薬でしか実現できないこと」を明確にした志望動機を用意しておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。