【面接対策】フクダ電子の中途採用面接では何を聞かれるのか

医療機器の製造・販売を手がけるフクダ電子。1939年に国産第1号の心電計開発から始まった同社は、心電計やAEDを強みとし、呼吸・循環器系医療機器のリーディングカンパニーとして知られています。

経営理念は「社会的使命に徹し、ME機器の開発を通じて医学の進歩に寄与する」。社員からは、「提供する医療機器が現場の最前線で活躍しているのを見ると、非常に嬉しく思えるのと同時に、責任の重さを日々感じています」という口コミが見られ、経営理念に向き合いながら仕事に取り組んでいる姿がうかがえます。「ミスをした時も、責めるのではなく、共に考えてくれる体制が整っている」「チームワークが優れている」といった声からは、社員同士の協調性が感じられます。

また、80年の歴史を持つ同社は、安定を重んじる古き良き日本企業的な社風のようです。口コミには、「年功序列」「安定している業界のため、将来設計も比較的立てやすい」「社内営業が非常に重要」などのコメントが散見されます。外資系企業から転職してきたという社員からは、「日本らしい体育会系の会社。いままで外資系だったので戸惑ってしまった」という声も聞かれました。

同社の面接ではこうした社風にフィットすると同時に、医療に携わる者としての倫理観などが問われます。そうした点を意識した上で、自己分析をすすめてみてください。

基本的な選考プロセスは、応募→書類選考→一次面接→二次面接という流れです。

まず、コーポレートサイトに設けられた採用ページよりエントリーします。書類の内容をもとに選考がおこなわれ、合格の場合には２週間以内に連絡があり、一次面接へと進みます。一次面接では主に専門スキルと人物評価がおこなわれるようです。結果は１週間以内を目処に、合格の場合は電話またはメールで、不合格の場合には書面などで連絡が届きます。二次面接は役員による面接となり、これを通過すると内定となる運びです。結果連絡については、一次面接時と同様の方法となります。

なお、入社予定日については応相談となっていますので、在職中の場合であってもある程度は柔軟な対応が期待できます。

奇をてらった内容よりはオーソドックスな質問が中心。「これまでの経歴」や「人とのつき合いかた」などを聞かれることが多いようです。ある面接経験者は、「面接官は人づき合いについてとても関心があるようなので、その点をしっかり考えて臨むと良いと思います」とアドバイスしています。仕事上の関係者との人間関係の築き方やコミュニケーションのとりかたなどに対する考えを整理しておくと良いかもしれません。

また、別の面接経験者の口コミには、「医療機器メーカーですので、社会貢献をしたいという気持ちや、それに対し具体的なビジョンを持っていた方が良い」と記されています。医療機器メーカーという立場で、医療に携わる者としての倫理観や社会への貢献意欲は明確にしておきたいところです。

面接の雰囲気はおおむね和やかで、人柄や価値観・倫理観などを見られる傾向にあります。落ち着いて自分らしさを出すためにも、事前にできる準備はしっかりとおこなっておきましょう。

ここからは、フクダ電子の中期経営計画を見ていきましょう。

同社では、「お客様第一主義を基軸に新たな価値を生み出すと共に、電子、ライフテック、コーリンの協業強化によりさらなる成長を目指す」という中期経営ビジョン掲げています。それを実現させるために設定したテーマが「事業展開」「製品力」「組織力」の3つです。

事業展開としては、従来の「予防・検査→治療→経過観察・リハビリ→在宅」に介護分野も加え、地域医療を支える独自のビジネスモデルを具体化。医療機関などにおける効率的な医療サービスの実現を支援していきます。特に、ICT技術の活用によって救急、病院、診療所、在宅・介護の連携を深めるともに、フクダコーリン社によるオペ室へのアプローチの他、オムロンヘルスケア社との提携でヘルスケア分野とも連動した事業展開を進める考えです。また、働き方改革やグループ全体の生産性向上を通じて、組織力を向上させたいとしています。

このような戦略を通じて、経営環境の変化に左右されにくい体質を築き、持続的な成長につなげる考えです。これにより、2022年3月期には売上高1330億円、営業利益129億円を目指すとしています。

中途採用では即戦力となりうる人材が求められます。したがって、中期経営計画を理解し、自分の経験やスキルをどの分野で生かすことができるのかを整理しておきたいところです。その上で、しっかりと自己PRできるように準備をすすめましょう。

面接でよく質問されることのひとつに、「なぜフクダ電子なのか」があります。面接官はこの質問を通じて、「入社後に何をやりたいのか」「これまでのキャリアをどう活かすのか」ということはもちろん、「医療に携わる人としての倫理観」などを確認します。この質問からさまざまな方向に話が広がり深堀りされる可能性がありますので、しっかり答えられるように対策しておくことが重要です。

そのためには、競合となりやすい企業についても調べておき、他社との違いを明らかにしておく必要があります。事業の特徴に加えて、組織風土や求める人材像などにも企業によって違いがあることがわかるはずです。一例として、競合になりやすい4社ご紹介しますので、研究の参考にしてみてください。

• 日本光電工業株式会社
• オムロン株式会社
• ニプロ株式会社
• 株式会社フィリップス・ジャパン

フクダ電子が目指している方向性や、必要とされる人物像が具体的になってきたと思います。

「社会的使命に徹し、ME機器の開発を通じて医学の進歩に寄与する」という経営理念を掲げるフクダ電子。同社の社員には、医療機器メーカーという立場から医療に携わる者としての倫理感やビジョンが求められます。面接準備にあたっては、この点を強く意識した自己分析が必要です。その上で、中期経営計画などにも目を通し、自分の経験やスキルを生かせる分野をアピールできるとよいでしょう。

以下に面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。

フクダ電子の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

• 安定を重んじる古き良き日本企業的な社風を理解した上で、医療に携わる者としての倫理観やビジョンを伝えられるように自己分析をおこなう。


• 中期経営計画を理解し、これに沿った自己分析をおこない、自己PRにつなげる。


• 競合他社について研究し、「なぜフクダ電子なのか」に対する答えを明確にしておく。