【面接対策】ニッパツ（日本発条）の中途採用面接では何を聞かれるのか

世界トップクラスのばねメーカーであり、ばね、自動車シート、ハードディスクドライブ（HDD）関連を事業の3本柱とするニッパツ。自動車の懸架ばねやHDDの磁気ヘッド用サスペンションでは世界シェアNo.1を誇ります。

そんな同社の社訓は、「躍進のニッパツ、根性のニッパツ、みんなのニッパツ」。口コミには、「社訓の通り、気合いで乗り切ろうという風土」という、体育会系を思わせるコメントも見られます。また、保守的な風土を思わせる「年功序列」というキーワードも散見されました。社訓にある「みんな」とは、従業員だけでなく、取引先、地域社会などを意味するものです。すべてのステークホルダーを重視して、社会の発展に貢献する姿勢を示しています。

一方で、「前向きに取り組もうとすれば、どんどん仕事を任せてくれる」「海外進出や新規製品・事業も多く、やりがいのある仕事は多い」といった声もあります。やる気次第で挑戦の幅が広がる環境とも言えそうです。また、「プロパーとキャリアでの差は全くなし」「営業は特に転職者が多く、管理職層にもキャリア採用が大勢いる」という口コミは、中途採用を目指す人には嬉しい情報でしょう。実際、部長クラスの約2割が中途入社であり、役員に登用されている人もいます。

こうした社風にフィットするかどうかは、雇用する側される側、双方にとって重要なポイントと言えます。やる気次第で様々なことにチャレンジできる環境で、どんな仕事をしていきたいのかを、面接の場でしっかり伝えましょう。

基本的な選考プロセスは、以下のとおりです。

書類審査→筆記試験→面接（人事部と配属予定部門の責任者）→役員面接→内定

筆記試験は適性検査と小論文があります。適性検査はWeb上で受検するものです。

同社では、求める人物像として、「新しい事にも興味を持って果敢にチャレンジする」「様々な方向から物事をみる」「仲間の個性を認め合い、ともにゴールを目指す」の3つをあげています。

2020年5月現在、コーポレートサイトに設けられたキャリア採用ページでは、「技術職掌総合職」として、シート生産本部での仕事が募集されています。また、転職エージェントを通じて、技術系だけでなく営業・経理・法務といった数多くの職種で募集があります。キャリコネにも情報が掲載されていますので、参考にしてみてください。

オーソドックスな質問が中心です。予想されるであろう「志望動機」「これまでの経歴」「これからの展望」などの問いには、自分の言葉でしっかりと返答できるよう準備をすすめてください。自己分析と企業研究を通じて、自分のキャリア展望と企業の目指す方向性を照らし合わせ、志望動機につなげるとよいでしょう。具体的なエピソードを盛り込むと、説得力が増すだけでなく、面接官の印象に残りやすくなります。面接経験者からは、「自分なりの体験談をもとにして話を組み立てた」という振り返りもありました。また、「堅実な会社というイメージの通り、真面目で仕事熱心な人材はヒットしやすいように感じた」というコメントもありますので、参考にしてみてください。

面接は和やかな雰囲気のなかでおこなわれるようです。自分らしさを大切に、積極性とともに協調性もアピールできるよう、考えを整理しておくことをおすすめします。

ニッパツの面接を受ける前に、同社の中期的な方向性を確認しておきましょう。

同社では、2018年3月期から2021年3月期を対象とした中期経営計画（2020中計）を策定し、2021年3月期における数値目標を売上高7100億円、営業利益540億円としました。既存拠点の収益向上と海外拠点の充実、また現製品の拡販によって、最高益の更新を目指します。さらに、成長に向けた設備投資も継続していく方針です。

主な事業戦略は下図のとおりです。拡販を通じた競争力強化のほか、より競争力ある製品の開発と事業化の推進が柱となっています。特に、主力の懸架ばねでは、グローバル市場への対応と生産技術基盤の強化に向けて、国内工場をマザー工場として機能させ、市場縮小下での収益確保を目指します。また、グローバル営業力の強化と拡販推進によって、インドや中国といった海外市場の需要を確実に取り込みたい考えです。こうした戦略を確実に実行するため、計画的に人材を確保・育成すると同時に、ダイバーシティを推進するとしています。

この中期経営計画をしっかりと理解し、同社が中期的に注力する分野とそれに向け必要とされるスキルを把握する必要があります。その上で、自分がどんな形で貢献できるかという視点で自己PRをおこなえば、より有益な面接となるでしょう。

中途採用面接にあたっては、「なぜニッパツか」という質問に対する回答を明確にしておくことが重要です。同社の競合となりうる企業は数多く存在し、それぞれの事業に特徴があります。そのなかで、同社ならではの特徴や強み・弱みを分析するためには、他社との比較が不可欠です。他社研究をおこなうことで、事業の特徴だけでなく、社風や組織制度などにも違いがあることがわかるでしょう。

他社研究の方法としては、自分なりの軸で業界マップを作ってみることもおすすめです。その上で、それぞれの事業規模や特徴をつかめば、同社のポジショニングや独自性がより鮮明に見えてくることでしょう。今回は、ばねや自動車部品を扱う企業を3社あげました。これを参考に、他社研究を進めてみてください。

• 中央発條株式会社
• 日本精工株式会社
• 株式会社パイオラックス

ニッパツが目指している方向性や、求める人材像が明確になってきたのではないでしょうか。

ばね、自動車シート、HDD関連を事業の3本柱とするニッパツ。特に、懸架ばねは世界トップシェアを誇る主力事業であり、中期経営計画でも同事業におけるグローバル市場への対応と生産技術基盤の強化を掲げています。こうした内容をしっかり理解して、自己分析に落とし込むと同時に、社風に対しても理解を深めることが大切です。「同社の社訓の精神をもって、新しい考え方と行動で成長できる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。

面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。

ニッパツの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

• 保守的かつ体育会的な社風を理解しつつ、新しい考え方と行動で成長できる人材であることを具体的なエピソードを交えて伝える。


• 中期経営計画（2020中計）を理解し、これに沿った自己分析をおこない、自己PRにつなげる。


• 競合他社について研究し、「なぜニッパツか」に対する答えを明確にしておく。