UiPathの企業概要
UiPathは、RPAプラットフォームのグローバルリーディングカンパニーです。
RPA(Robotic Process Automation)とは、コンピューター上で行われる業務プロセスや作業を、人に代わって自動化する技術のこと。
人間が繰り返し行うクリックやキーボード入力など定常的な業務が自動化できることから、「仮想知的労働者」(デジタルレイバー)とも呼ばれています。
UiPathは、RPAやAI(人工知能)を用いて、業務自動化や働き方改革、お客様満足度の向上を実現します。
創立者兼CEOのダニエル・ディネス(ダインズ)氏ら起業家2人は2005年、UiPathの前身であるDeskOver社をルーマニアのブカレストに設立しました。
2013年に、Desktop自動化の提供を開始。2015年には、UiPathエンタープライズオートメーションプラットフォーム「UiPath Orchestrator」を発表し、社名をUiPathに変更。米ニューヨークで法人化しました。
2020年には、AIと連携したエンドツーエンドの自動化プラットフォーム「StudioX」を販売。グローバルで34の拠点を構え、開発拠点は20カ国に。2021年4月20日には、米ニューヨーク証券取引所に上場を果たしています。
日本法人のUiPath株式会社は、2017年設立。本社を東京・大手町に、国内拠点を愛知県豊田市、名古屋市、大阪市、福岡市に置いています。社員は約350人。UiPathは日本市場に力を入れており、製品開発の40%が日本向け。日本法人のグローバル売上比率は約20%にのぼります。
代表取締役CEOは、長谷川康一氏。広島県出身。慶大法学部卒。アーサー・アンダーセン(現アクセンチュア)、ゴールドマン・サックス証券、ドイツ銀行、バークレイズ銀行などで、アジア地域CIO、COOなどの要職を経て、2017年にUiPath日本法人の代表取締役CEOに就任。2020年4月より経済産業省「地域の持続可能な発展に向けた政策の在り方研究会」委員。著書に『現場が輝くデジタルトランスフォーメーション RPA✕AIで日本を変える』(ダイヤモンド社)
自動化によって働く人間が脇役に追いやられるのではなく、一人ひとりの能力を高めるテクノロジーとしてRPAを推進していきたい。
UiPathのビジョンと市場背景
A Robot for Every Person.(すべての人にロボットを)
すべての人がロボットを使いこなす“デジタル人財”になることで、人や組織の生産性を向上し、より創造的な仕事ができる環境を作る――。これがUiPathのビジョンです。
ソフトウェアロボットに面倒な作業を任せられると、人はビジネスの本来の目的である人とのコラボレーション、イノベーション、つながりに使う時間をもっと増やすことができます。そうすれば、人はよりスムーズに協力し合いながら、これまで以上に正確さと敏捷性をもって仕事ができるようになります。
■RPAが求められる背景
現在はどの職種でも人手不足を訴えていますが、今後は徐々に緩和され、将来は供給過剰となるという予想もあります。
三菱総研の調査によると、2030年までに生産職は90万人の過剰、事務職は120万人の過剰(2015年対比)となり、その一方で、技術革新をリードしてビジネスに適用する専門職の人材は170万人不足すると見込まれています。
出典:三菱総合研究所
生産職が過剰となる要因は「AI・IoE・ロボットによる自動化」、事務職の過剰要因は「特化型AIによる自動化」とされています。
UiPathのビジョンである「すべての人がロボットを使いこなす“デジタル人財”になること」とは、このような自動化を進めながら、より生産的で創造性の高いしくみを組み立て、動かせる専門職人材を育成することにつながっていると考えられます。
矢野経済研究所の調査では、国内のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の市場規模は、2023年度には事業者売上高ベースで1,520億円、そのうちRPAツール製品は520億円、RPA関連サービスが1,000億円まで拡大すると予測しています。
UiPathが考える自動化フェーズと製品群
UiPathが推進する「ハイパーオートメーション」とは、AIや機械学習、その他自動化ツールなどを組み合わせて、エンドツーエンドで(端から端まで)自動化する領域を拡大して、企業の可能性を最大限に引き出すための概念と実装方法です。
UiPathでは、ハイパーオートメーションを6つのフェーズ(1.発見→2.開発→3.管理→4.実行→5.協働→6.測定)に沿って展開し、RPA×AIの自動化のすべてのプロセスを支援します。
なお、UiPathには、デスクトップ型の基本製品の「The UiPath Platform」と、クラウド環境で利用できる「Automation Cloud」の2種類がありますが、基本的には6つのフェーズを支援する同内容のものとなっています。
■(1) 発見フェーズ
従来はプロセスマッピング(ビジネスプロセスのフロー図作成)を行う場合、複数のチームから人が集まり、ホワイトボードやスプレッドシートを使って数日間にわたり作業する必要がありました。
しかし現在は、SAP、Salesforce、Oracleといったエンタープライズシステムは、いずれもプロセスに関連するイベントデータを記録しています。
プロセスマイニングではこのデータを読み取り、イベントログに変換します。これにより、プロセスの発見と最適化を迅速にデータ主導で、かつ包括的に行うことができるようになりました。
- Automation Hub:従業員から自動化のアイデアを募る
- Process Mining:様々な業務アプリケーションのデータを分析し、エンドツーエンドの業務プロセスを継続的に分析・最適化
- Task Capture:作業しながらプロセスを自動的にキャプチャし文書化
- Task Mining:従業員の日々の作業を分析し、自動化可能なルーチン作業を発見
■(2) 開発フェーズ
UiPath Studioは、ビジネスユーザーから上級RPA開発者までのすべての人に、優れたソフトウェアロボットの構築に最適なオートメーションツールを提供します。
使いやすいドラッグアンドドロップ式のエディターで、オートメーションをすばやくデザイン。ワークフローを簡単に記録することができ、手動でのプログラミングは必要ありません。すでに構築された自動化アクティビティを活用することで、自動化の開発がさらに容易になります。
- Studio:業務自動化のワークフローを開発。誰でもソフトウェアロボットデザイナーになれるツール
- StudioX:ビジネスユーザー向け開発ツール。業務部門のユーザーはコード不要のツールを活用して自動化を開発
- Document Understanding:文書や画像からテキストデータを抽出。AIを用いてロボットに文章を解析・処理
- Marketplace:コンポ―ネントを共有するマーケットプレースで、自動化の開発を加速
■(3) 管理フェーズ
Orchestratorを使用すれば、組織内のすべてのロボットの準備から、展開、実行、監視、測定、追跡、セキュリティの確保まで、あらゆることをブラウザまたはモバイルデバイスから管理できます。
- Orchstrator:RPAを管理するダッシュボード
- Ai Center:機械学習モデルをドラッグ&ドロップで利用
- Test Suite:ワークフローやアプリケーションテストの自動化
- Data Service:企業の抱えるデータの管理やモデリングを容易に
■(4) 実行フェーズ
UiPathソフトウェアロボットは、膨大な種類の作業を自動化させることが可能です。開発と管理も簡単なため、ロボットによる自動化環境の立ち上げと同時に、迅速に、効率性、パフォーマンス、および投資対効果(ROI)の向上が実現できます。
- Robots:ロボットによる自動化の実行方法を用途に応じて選択
■(5) 協働フェーズ
人とロボットを連携させ、円滑なプロセスでのコラボレーションを実現します。
承認、エスカレーション、例外処理など、人間が判断を下すべき意思決定要素がオートメーションのプロセスに含まれている場合、UiPath Action Centerを使用すれば簡単に人の承認業務などをプロセスに入れ込むことが可能になります。UiPath によりロボットから人間にタスクを渡し、人間による判断や処理が終わると、後続処理の自動プロセスに戻すということが実現できます。
- Apps:複数システムに連携するアプリをローコードで開発
- Assistant:ロボットを自由自在に操作
- Action Center:ロボットと人間の協働を促進
- Chatbots:ロボット連携するチャットボット
■(6) 測定フェーズ
UiPath Insights は、自動化プロジェクト全体のパフォーマンスを追跡、測定、予測するRPA分析ソリューションで、自動化への道のりを次のレベルに進化させることを可能にします。
- Insights:自動化の効果測定やレポート、予測の可視化
UiPathの導入実績・受賞歴
UiPathのウェブサイトには、幅広い業種の企業の導入事例が多数掲載されています。
ファミリーマート、KDDI、NTTコミュニケーションズ、オープンハウス、あいおいニッセイ同和損保、キヤノンマーケティングジャパン、日本通運、出光興産、伊藤忠商事、富士フイルム、サイバーエージェント、田辺三菱製薬、伊予銀行、大日本印刷、帝人、YKK、茨城県、マイナビ、マルハン、ビズリーチ、三越伊勢丹ホールディングス、パーソルテンプスタッフ、日本取引所グループ など
その中のひとつ、「ドン・キホーテ」「ユニー」「長崎屋」など多彩な店舗形態で小売流通事業を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)では、UiPathを導入することで、「プログラミング経験不問」で募集し結成したRPAチームが、ドン・キホーテのDX加速に大きく貢献したとのことです。
「われわれが知りたいと思うほとんどすべての情報がUiPathのサイトなどインターネット上で容易に入手でき、さらには無料で利用可能なUiPath Community Editionや無償のオンライン学習サービスUiPathアカデミーも用意されていて、即座に試せる環境が整っていました」
また、UiPathは2020年5月20日、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室と「新型コロナウイルス感染症関連対策に関するロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)及びAI等の活用のための共同取組に関する協定」を締結しました。
このなかで、ニューノーマルにおける新しい働き方において、以下のような用途によって、RPAやAIの活用が日本経済の発展に多大な貢献をすることが期待されているとしています。
・公的機関、民間事業者等を問わず、人手による手作業を自動化し、迅速かつ正確な処理を実現しつつ、働く人の負担を軽減し、職場でのクラスターの発生を防止する
・事業所で実施せざるを得ない業務のロボット等への代替により、テレワークの範囲を広げ、在宅勤務や時差出勤を促進し、出勤頻度の抑制を図る
・コロナの時代の新たな日常においても、効果的なテレワークやローテーション勤務等の新しい働き方のスタイルを推進して、人々に多様な働き方を提供すると同時に、地方での就業及び活性化を図り、日本経済の迅速かつ力強い回復に寄与する
なお、UiPathは日経コンピュータ 顧客満足度調査 2020-2021(RPAソフト/サービス部門)で「顧客満足度1位」を2年連続で獲得しています。
非対面・非接触の新しい働き方が進む一方で、『エンパシー(相手を思いやる気持ち)』がより必要とされ、そのために、AIやRPAのテクノロジーによる自動化によって時間を作り、人間が『機械的な単純、退屈な作業』から解放され、『他人を思いやり、創造的なやりがいを感じる仕事へ』集中できる重要性が増えるのではないでしょうか?
UiPathの教育・支援、ユーザーコミュニティ、パートナー
UiPathは、RPA導入に必要な知識を取得できる「UiPathアカデミー」をはじめとして、無料の教育プログラムを多数準備しています。
また、UiPath製品のユーザー間での交流や情報交換も盛んに行われています。このほか、パートナープログラムにより、RPAによる自動化の幅広いサービスやサポートを提供しています。
■教育・支援メニュー
- UiPath Academy:RPA導入・開発・運用に必要な知識を習得できるコースを完全無料で提供しています
- UiPath 認定資格 (UCP=UiPath Certified Professional):UiPath が認定する資格プログラムです。UCP を取得することで、価値の高い RPA ソリューションの設計を提供する専門家として証明できます。
- ドキュメントポータル:複雑なインストールガイドからクイックチュートリアル、実用的なビジネス例、自動化のベストプラクティスに至るまで、UiPathエコシステムでの自動化の旅を案内するために必要なすべてを見つけることができます。
- ナレッジベース:UiPathのRPAを用いる際の細かいガバナンスやITインフラ環境の設定、その他RPA利用のTipsなどをご紹介します。
- デベロッパーブログ:UiPath RPAの開発に携わるデベロッパー向けの情報をお届けします。UiPath社内のデベロッパーによる開発やガバナンスのTIPSを是非お役立てください。
- フォーラム:UiPathのユーザー同士が疑問点などについて教え合う場です。
■ユーザーコミュニティ
- iPath Friends:UiPathユーザー有志によって運営される非営利の公式ユーザーコミュニティです。UiPathに関する技術交流や勉強会を行い、UiPathユーザーの技術力向上に寄与しています。
- UiPath ユーザー会:日本のUiPathユーザー企業の更なる成功と発展に向け、ユーザー企業間での学びや交流を促進する活動を推進しています。
- UiPath Today:UiPathやパートナー、ユーザーによるオンラインセミナーを行っています。
■UiPathパートナーの種類
- ディストリビューションパートナー:全国に幅広い販売網を持ち、充実した販売支援および製品サポート体制を備え、UiPath認定リセラーに対しUiPath製品を販売提供するパートナーを指します。
- 認定リセラー:UiPath製品について一定以上の販売実績と十分な知識を持った技術者を有し、UiPath製品ライセンス・ソリューションの再販が可能な契約を締結したパートナーを指します。
- サービスパートナー:UiPath製品を取り扱うUiPathパートナーやエンドユー ザーに一時的または、継続的に開発・技術サポートを行うパートナーです。
- トレーニングパートナー・アソシエイト:UiPathのトレーニングを提供するパートナーです。基本的な製品概要から技術者向けの構築スキルなど、UiPath製品トレーニングの提供が可能です。
- テクノロジーパートナー:UiPath製品と自社製品の連携により、ビジネスソリューションを提供できるパートナーです。お客様の課題に即したソリューションの提供が可能です。
- UiPathデリバリーアセスメント優良認定パートナー:UiPath導入デリバリープロジェクトにおいて、「UiPathデリバリーアセスメント」にて定める基準に対し、適切なプロジェクトマネジメントおよびワークフロー開発が実施されていることをUiPathが認定したUiPathパートナーです。
UiPathの企業文化
UiPathは、米キャリア情報サイト Comparablyの2018年の企業ランキング(大企業の部)において、「Best Company Culture(優れた企業文化)」部門で11位にランクインしました。
また2019年の同ランキングでは、以下の順位にランクインしています。
- 「Best Company Outlook(将来性のある会社・大企業部門)」部門で2位
- 「Happiest Place to Work(幸福に働ける職場)」部門で6位
UiPathは目指す企業文化について、以下の通り掲げています。
<バリュー>
- Humble:聞き、学び、支援する
- Bold:挑戦し、追求し、探索する
- Immersed:思考し、反映し、想像する
- Fast:行動し、先制し、実験する
<企業文化>
- 社内外を問わず、互いのアイデアを持ち寄り、敬意を持ちつつオープンに意見交換をします。
- 決して自身の失敗から目を逸らさず、他人の失敗を揶揄しません。
- お互いを信頼します。自主的に働き、常に卓越性を追求し、過去の実績を凌駕します。
- 自分の能力を最高に発揮できるように、快く受け入れる素晴らしい職場を作れると確信しています。
- 当社は能力主義です。
- 互いの知識を共有するだけでなく、探求して貢献することを望んでいる人々にも誠意をもって情報を共有します。
- 自己反省と行動を等しく評価します。
- 自社の技術を信じ、その技術が人々の生産性向上を加速する可能性を信じます。
UiPathは、RPAプラットフォームのグローバルリーディングカンパニーです。RPAやAIによる業務自動化で働き方改革やお客様満足度向上を実現します。
UiPathの組織と求人情報
UiPathには2人の取締役がおり、鈴木正敏氏がCRO(Chief Revenue Officer=最高収益責任者)、家永和宏氏がCSO(Chief Service Officer=最高サービス責任者)を務めています。
CROの下には営業部門(クライアント営業部門/パートナー営業部門など)、CSOの下にはサービス、コンサルティング、テクニカルサポートの部門があります。
UiPathのサイトには、日本語版と英語版の採用情報が掲載されており、英語版の方が職種の数は多いです。
2021年6月23日現在、英語版にはSales職でAccount Executiveなど7件、Sales Support職でCustomer Success Managerなど4件、Service職で3件、Product職で1件、Marketing職で1件、Corporate職で1件の求人が掲載されています。
「求人への応募」は慎重に
非公開職種もありますので、「もっと自分にピッタリ合った職種がないか」グローバルウェイ・エージェントで確認してから応募してください。(※登録フォームの備考欄に「UiPathの件」と明記願います。)
採用面接で聞かれる質問
面接に際して志望動機をまとめるためには「Can」「Will」「Must」についてよく考え、整理しておいた方がいいでしょう。念のため簡単に説明すると、
- Can:自分ができること(スキル、能力、経験、実績)
- Will:自分がしたいこと(意思、意欲、ビジョン)
- Must:自分がしなければならないこと(会社から要求・期待されると認識していること)
の3点を整理し、それらが重なったところで「自分の志望動機」を整理するということです。
なお、UiPathの採用サイトの日本語版の募集要項には各職種の「必須 / MUST」「歓迎 / WANT」「求める人物像」が、英語版には「Your mission」「Responsibilities」「Requirements」が明記されています。書かれている要件を自分がいかにクリアしているかを説明する準備が必要です。
転職を成功させるために
以上、UiPathという会社について、概要をご説明させていただきました。
求人は、求められるスキルのハードルが高いのが特徴的です。しかし、仮に書類が通過したしたとしても、次の面接でつまづく方が多くいらっしゃいます。
面接の質問は、様々な内容が投げかけられます。あらかじめ面接対策をしないと、選考を通過する確率はかなり落ちます。限りあるチャンスを活かすためにも、ぜひ十分な準備を行ってから臨んでください。
UiPathの採用面接に臨む前に
転職成功の確率をアップさせたい方は、ぜひグローバルウェイ・エージェントにご相談ください。私たちはCxOや役員から直接情報を共有してもらうことで、必要な候補者像を把握しており、上記以外の「候補者公開不可情報」や「過去の面接成功・失敗事例」を把握しています。
なお、スピーディな対応を行うために、登録フォームの備考欄に「UiPathの件」と明記願います。費用は一切かかりません。ぜひご相談ください。