日産車体の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1949年、鉄道車両および自動車の車体製作メーカーとしてスタートした日産車体。1951年からは日産自動車(以下、日産)グループの一社として、小型商用車(LCV)、多目的乗用車(MPV)を中心に日産ブランドのクルマづくりを開発から生産まで手掛けています。
日産に対する売上比率が非常に高く、業績は日産の販売動向に大きく依存する状況にあります。日産からの出向や転籍者が多いものの、外資系のカルチャーが融合している日産に比べて日系企業の色合いが濃い社風のようです。昔ながらの体育会的な風土や年功序列が残る一方で、チームの結束力も強いという声が聞かれます。
質の高いクルマとサービスを届けることをミッションとする同社。研究開発に携わる社員からは、「アイデアや意見を自由に発言することができ、実行力があれば実現することも可能」という口コミが寄せられています。その反面、「仕事を受けない人は全く引き受けないため、一部の人に仕事が集中する場合もある」とのこと。部署によって温度差はありそうですが、主体的に取り組める人にとっては自分のやりたいことを実現できる環境のようです。自らが携わった完成車を世に送り出せることが何よりの喜びだという声が多く聞かれました。
日産グループの一員としてチーム一丸となり、質の高いクルマとサービスを届ける。採用面接では、こうした社風にフィットする人材かどうかがしっかりと見極められます。
■選考は何次まで?
同社の中途採用は、求人サイトや転職エージェントを通じておこなわれています。そのため、コーポレートサイトに選考フローに関する記載はありませんが、書類選考を経て2〜3回程度の面接が実施されるのが一般的です。過去の口コミには、SPIによる筆記試験がおこなわれたという情報もあります。
なお、新卒採用では、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から選考の全プロセスをオンライン化しています。中途においてもWEB面接が取り入れられているため、WEB面接を想定した話し方を練習しておくとよいでしょう。
選考期間は比較的短く、口コミを見ると1週間から数週間程度で内定に至る人が多いことがわかります。コロナ禍で日程が流動的になる可能性も踏まえ、スケジュールは余裕を持って組むとよいでしょう。
■面接内容の傾向は?
これまでの経歴やスキル、自らの強みなどを重点的に聞かれる傾向にあります。そのため、面接準備としては徹底した自己分析が必要です。その上で、具体的な実績や体験談を交えながらアピールできると、より説得力が増すでしょう。
時事問題について意見を求められたという面接経験者は、「自分の考えを論理立てて説明することが肝心」とアドバイスしています。どんな質問に対しても、論理的に回答できることは重要な評価ポイントとなるため、論理的な会話を日頃からトレーニングしておきたいものです。
同社ならではの質問としては、「好きなクルマ」について聞かれた人も。論理的な説明にくわえて、情緒的な要素も含めて熱く語れるよう、具体的なエピソードを用意しておくことをおすすめします。
日産車体の面接攻略法(面接対策)
■日産車体の中期経営計画を理解した上で自己分析をする
面接を受ける前に、同社の中期的な方向性を把握しておきましょう。ここでは、2017年度から2022年度の6年間を対象とした中期経営計画を読み解くことで、今後の方向性を探っていきます。
この中期経営計画における基本方針は、「LCV・Frame車を技術力の核とし、高品質で魅力ある商品をお客様にお届けすることで、将来にわたる強靭な企業基盤を確立する」というものです。その達成に向けて、「商品の競争力」「工場の競争力」「技術・技能の競争力」という3つの重点課題を設定しています。
「商品の競争力」を拡大させる具体的な施策として、LCVやコンバージョン(特装)の市場ニーズを捉えた商品の提案による、生産台数と売上の拡大を挙げています。しかしながら、コロナ禍に直面した2021年3月期は減収減益を余儀なくされたため、新たな対応を迫られそうです。
「工場の競争力」に関しては、設備総合効率の向上および固定費の適正化に継続して取り組むことで、工場の品質・コスト・スピードといった競争力を強化すると同時に、顧客から信頼される工場を目指すとしています。
「技術・技能の競争力」については、さらなる先進安全技術の適用、SUVの走破性向上などに取り組む方針です。
そして、これらすべての活動を支える基盤として、ダイバーシティの促進やワークライフバランスの適正化を目指します。時短制度や在宅勤務制度といった制度を利用しやすい環境づくりに取り組むと同時に、従業員が能力を充分に発揮できるよう、継続した活動を推進する考えです。
中期経営計画については、自分がどの分野でどのような貢献ができるのかという視点を持ちながら、現在までの進捗状況とあわせて見ておくとよいでしょう。
■「なぜ日産車体に転職したいのか」の明確化には他社研究を
中途採用面接において、志望動機は重要なポイントです。志望動機を通じて面接官は、入社後の業務に対する意欲だけでなく、「いかに同社とそのビジネスについて理解しているか」を知ろうとしています。なぜなら、それにより入社後のミスマッチを防ぎ、有益な採用につなげることができるからです。
「なぜ日産車体なのか」という質問への回答では、他社と比較した場合の独自性に言及する必要があります。そのような視点で他社研究をおこない、自分の言葉で明確に「なぜ日産車体なのか」を伝えられるようにしましょう。以下に挙げた企業を参考に、他社研究をおこなってみてください。
- トヨタ車体株式会社
- ジヤトコ株式会社
- 株式会社デンソー
- マレリ株式会社
日産車体の採用面接で実際に聞かれた質問内容
企業研究をすることで、日産車体の求める人材像や方向性についての理解が深まってきたのではないでしょうか。
同社の場合、「日本的な人事制度を残しながらも、主体的にチャレンジできる」社風の中で、「チーム一丸となって、質の高いクルマとサービスを届けることに尽力できる人材」であることを伝えられるよう、具体的な実績やエピソードを用いて戦略的にアピールする必要があるでしょう。
以下に、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。自分ならどのように答えるかシミュレーションして、面接対策の総仕上げをおこなってください。
日産車体株式会社の面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
[30代前半・男性/研究開発] 【結果:内定を辞退】
[20代前半・男性/労務] 【結果:入社】
[20代前半・男性/生産・製造技術] 【結果:内定を辞退】
[20代後半・男性/カウンターセールス] 【結果:二次面接で不採用】
日産車体の採用面接に向けて
採用面接を受けるにあたって、日産車体の社風や今後の方向性などをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「日本的な人事制度を残しながらも、主体的にチャレンジできる」社風の中で、「チーム一丸となって、質の高いクルマとサービスを届けることに尽力できる」人材であることを戦略的にアピールできるよう、オリジナルなエピソードを用意しておく。
- 日産車体の中期経営計画に沿った自己分析をおこない、有益な自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究することで、「なぜ日産車体なのか」という質問に対する答えを明確にしておく。
以上を中心に準備をすすめ、面接当日は論理的かつ情熱的な回答で転職を成功へと導きましょう。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。