KPMGコンサルティングの概要
■KPMGのグローバルネットワーク
KPMGは、142の国と地域に約275,000人以上のパートナーと従業員を擁するプロフェッショナルファームのグローバルネットワークです。
- KPMGという名称は、主な創設メンバーであるクライナーフェルト(Klynveld)、ピート(Peat)、マーウィック(Marwick)、ゲルデラー(Goerdeler)のイニシャルに由来しています。1987年にPeat Marwick International(PMI)とKlynveld Main Goerdeler(KMG)の合併により誕生しました。
- KPMGの特徴は、国際的な案件(クロスボーダー)や巨大案件(ビッグディール)にもワンストップで対応可能である点です。日本企業が進出しているほぼすべての国や地域にメンバーファームが存在し、グローバルで統一された品質を維持しながらサービスを提供しています。
- KPMGグループは公式スローガン(タグライン)に「Make the Difference(違いを生み出す/変化を作る)」を掲げています。KPMGが単なるサービス提供ではなく、クライアントや社会に積極的な価値・変革をもたらし、一歩先のインパクトを実現することへのコミットメントを表現したものです。
■KPMG ジャパン
KPMGジャパンは、KPMGインターナショナルの日本におけるメンバーファームの総称であり、世界4大会計事務所(BIG4)の一角として、監査、税務、アドバイザリーの3つの分野にわたる10のプロフェッショナルファームによって構成されています。 各分野の主要なメンバーファームは以下の通りです。
監査(Audit)
- 有限責任 あずさ監査法人(財務諸表監査、内部統制監査、各種保証業務、IFRSアドバイザリー等)
税務(Tax)
- KPMG税理士法人(税務申告・申請、国際税務、移転価格、税務コンサルティング等)
アドバイザリー(Advisory)
- KPMGコンサルティング株式会社(ビジネストランスフォーメーション、リスクマネジメント等)
- 株式会社 KPMG FAS(M&Aアドバイザリー、事業再生、フォレンジック等)
- 株式会社 KPMG Forensic & Risk Advisory(不正調査、リスク管理等)
- KPMGあずさサステナビリティ株式会社(ESG・サステナビリティ支援等)
KPMGヘルスケアジャパン株式会社(ヘルスケア業界特化コンサルティング) - KPMG社会保険労務士法人(労務・人事コンサルティング)
- 株式会社 KPMG Ignition Tokyo(デジタルイノベーション支援)
- 株式会社 KPMGアドバイザリーライトハウス(政府・公共分野専門)
なお、KPMGジャパンのアドバイザリー分野に多数のメンバーファームが存在する背景には、監査法人から発展した歴史と専門性の細分化があります。
KPMGコンサルティングは、この中で総合的なコンサルティングサービスを担う中核的存在として位置づけられており、戦略策定から業務改革、IT導入、リスクマネジメントまでの幅広いサービスを提供しています。一方、KPMG FASはM&A専門、KPMGあずさサステナビリティはESG専門といったように、より特化したサービスを展開する体制となっています。
■KPMGコンサルティングの成り立ち
KPMGコンサルティングは2014年6月、KPMGマネジメントコンサルティング株式会社とKPMGビジネスアドバイザリー株式会社を統合し、テクノロジーの専門家を増強してサービス提供体制を大幅に拡充して発足しました。
- 2014年に数十名の従業員でスタートし、2025年現在で約2,300名まで規模を拡大しています。この間、年平均20%という高い成長率を維持してきました。東京本社は東京・大手町の大手町フィナンシャルシティ サウスタワーに置き、大阪、名古屋、福岡にも事務所を構えています。
- 代表者は、創設初期から2024年まで宮原正弘氏が代表取締役社長兼CEOを務めていましたが、2025年1月より関穣氏、田口篤氏、知野雅彦氏の3代表制に移行しました。現在、宮原氏は取締役会長として会社を支えています。
■組織改編と戦略コンサルティング職種の独立
2024年10月の組織改編により、Strategy & Transformationチーム(ST)は、セクターやサービスライン別の組織構造から切り離され、独立した戦略コンサルティング職種として新たにスタートしました。
この改編により、戦略と変革の提供だけでなく、各分野に専門家を有する総合コンサルティングファームとしての強みを活かして、CxOとの直接対話を通じて経営課題の本質を見極め、KPMGジャパンを構成する他のメンバーファームとも連携しながら包括的なソリューションを提供する体制を構築しました。
KPMGコンサルティングの業界における位置
■総合コンサルティングファームとしての立場
KPMGコンサルティングは、戦略から実行までを幅広くカバーする「総合コンサルティング会社」に位置づけられます。このカテゴリーには、PwCコンサルティング、デロイト トーマツ コンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティングといったBIG4系のコンサルティングファームや、アクセンチュアなどが含まれます。
総合コンサルティングファームの特徴は、単一領域に特化するのではなく、経営戦略、業務改革、ITシステム、リスクマネジメントなど、企業が直面する複雑で多岐にわたる課題に対して、ワンストップでソリューションを提供できる点にあります。
■BIG4系コンサルティングファームの特徴
BIG4系のコンサルティング会社は、母体の監査法人とのつながりで経営陣に深く食い込んでいたことから、経営コンサルティングに進出した経緯があります。この歴史的背景により、以下のような独特の特徴を持っています。
- 信頼性と誠実性の重視:KPMGジャパンは "市場の番人" とも呼ばれる監査法人をメンバーファームの一員に擁し、誠実であることを何よりも重視するカルチャーを持っています。そのなかでKPMGコンサルティングは、クライアントの健全な成長に貢献し、かつ人を大切にするNo.1ファームを目指しています。
- 長期的な関係性の構築:クライアント企業とはサステナブルな関係、すなわち長期的な信頼関係を何よりも重視しています。自社の短期的な売上げを追求するのではなく、長い時間をかけてクライアントの成長に貢献していくことを大切にしています。
- グローバルネットワークの活用:世界142の国と地域にメンバーファームを持つKPMGのグローバルネットワークを活用し、クロスボーダー案件やビッグディール案件にも対応可能な体制を構築しています。
なお、監査と非監査業務(コンサルティング等)を同じグループが行うことは、利益相反が生じるおそれがあることから、現在では完全分離が求められています。この制約はデメリットにも見えますが、KPMGコンサルティングにとっては「誠実性」「独立性」というブランド価値を高める要因となっています。
KPMGコンサルティングの組織とサービス
■Strategy & Transformation(戦略コンサルティング)
新しいStrategy & Transformationチーム(ST)の特徴は、CxOとの直接対話を通じて経営課題の本質を見極め、同社の他チームのみならず、KPMGジャパンを構成するあずさ監査法人、KPMGあずさサステナビリティ、KPMG FASなどのグループ会社とも連携しながら包括的なソリューションを提供する点です。
また、個々のメンバーの専門性を活かしながら業界の垣根を越えた課題解決を目指すため、社内で戦略コンサルティング職種という独立した固有の職種体系を採用しています(詳しくは後述)。
■マネジメントコンサルティング部門
マネジメントコンサルティング部門は、クライアントの新たな成長を「攻め」と「守り」の両輪でドライブしていく部門として、戦略の立案からオペレーションの構築まで、主にビジネストランスフォーメーション(事業変革)の実行を支援します。主要サービス領域は以下の通りです。
ストラテジー&オペレーション:企業のパフォーマンス向上のために必要な変革を支援します。
- 事業戦略策定、アライアンス戦略策定、市場参入戦略策定(市場・競合分析)、事業買収後統合(PMI)、カスタマー戦略策定支援、サプライチェーンマネジメント、業務改革、業務変革支援(チェンジマネジメント)、デジタルトランスフォーメーション(DX)支援、インテリジェントオートメーションを活用した業務改革支援、AIを活用した業務改革支援、大規模RPA導入・運用改善、コスト最適化など
フィナンシャルマネジメント:CFO、経理財務の取組みを包括的に支援します。
- 経営管理・管理会計の高度化、財務経理戦略・トランスフォーメーション、財務経理の変革モデル策定支援、財務経理プロセス最適化など
組織・人材マネジメント:人材の潜在能力を最大限に引き出す組織機能の変革を支援します。
- 組織・人材マネジメントサービス、人事制度設計、役員制度改革、人材開発、組織設計、チェンジマネジメント、人材データ分析・活用、HRデリバリーモデル、HRテクノロジー、リモートワークの適応に向けた組織人事アドバイザリー、働き方改革に向けた変革マネジメントなど
テクノロジートランスフォーメーション:デジタルによる企業変革を支援します。
- ITプランニング&アーキテクチャデザイン(IT戦略策定、IT実行計画策定、ITオペレーティングモデル設計、ITアーキテクチャ設計)、ITガバナンス&プログラムマネジメント、デジタルトランスフォーメーション、エンタープライズソリューション導入支援(ERP導入支援、グローバルERP導入支援、クラウド導入支援、SAP ERP 2025年対応支援など)など
■リスクコンサルティング部門
リスクコンサルティング部門は、企業の「守り」を支援し、リスクマネジメントやサイバーセキュリティなどに特化したコンサルテーションを提供します。主要サービス領域は以下の通りです。
ガバナンス/内部監査/内部統制
- コーポレートガバナンス改革、取締役会の実効性評価、ガバナンス・リスク・コンプライアンス/リスク管理高度化、GRCツール検討・導入、法規制対応/コンプライアンス態勢高度化、財務報告に係る内部統制制度への対応、内部統制および内部監査の高度化・効率化、プロセスマイニングを活用したリスク対応強化、事業継続マネジメントなど
海外グループ管理
- グローバルリスク管理態勢および本社・統括会社のガバナンス機能設計、グローバルコンプライアンス態勢構築、新興国等の海外事業のリスク評価・管理、海外拠点での不正防止の態勢診断・構築、海外法規制リスク対応(海外贈収賄、カルテル等)、海外危機対応および管理態勢構築、グローバルBCP構築支援など
ITリスクマネジメント
- グローバルITガバナンス/マネジメント、システムリスクマネジメント、先端テクノロジー(クラウド、ブロックチェーン、AI等)リスクマネジメント、プロジェクトリスクマネジメント、システム監査など
サイバーセキュリティ
- サイバーストラテジー、サイバーテクノロジー、制御システム/IoTセキュリティ、個人情報保護アドバイザリーなど
■ビジネスイノベーション部門
ビジネスイノベーション(BI)ユニットは、2021年に設立された、長期視点で未来価値を創造する専門組織です。売上や稼働率といった短期的なKPIを持たない革新的な組織設計により、真のイノベーション創出に集中できる環境を実現しています。主要な取り組み領域は以下の通りです。
- スマートシティアドバイザリー:テクノロジーの力で人と距離の制約をなくし、持続的に成長できるスマートシティへの変革を支援。名護市などでの実証実験を通じて、日本におけるスマートシティのあり方を構築しています。
- スポーツイノベーション:スポーツチームを中心とした共創プラットフォームを実現し、「ESG経営のハブ」という新しいポジションを確立。地域活性化に貢献する持続可能なシステムを生み出し、「SDGs共創プラットフォーム」の全国普及を目指しています。
- 社会価値創造&実践ソリューション:企業のSDGs活動を単なる取り組みで終わらせるのではなく、実質的な企業価値向上と社会課題解決の両立を図る包括的なソリューションを提供しています。
- AI技術を活用した新結合による新規事業創発:企業内外に散らばる知財・技術をAI技術で再整理し、縦横無尽に組み合わせて最適な形で社会が求める新規事業を創発します。
- 宇宙領域事業開発支援:グローバルの宇宙産業に精通したコンサルタントが、宇宙分野での新規参入や事業開発を多角的に支援しています。
- 地域産業のオープンイノベーション:地域中核企業を軸に多彩なステークホルダーを巻き込み、国内外のスタートアップ企業をつなぐことで地域産業の活性化に貢献しています。
- イノベーション人材育成:法人向け変革支援、大学生向け特別講義、地域課題解決ワークショップなど、未来価値創造に意欲のある人材との積極的な連携を進めています。
■セクター部門
セクター部門は、各産業・業界に特化した知見と経験を活かし、クライアントに対してKPMGコンサルティングの代表として接する組織です。業界固有の最新動向や規制、グローバル事例をもとに、的確なソリューションを提案・提供し、案件獲得からリレーションシップ構築、デリバリー品質の管理まで、プロジェクト全体のリーダー・プロデューサー的な役割を担います。
- 金融(銀行・証券・保険・決済サービス等)/自動車/ガバメント・インフラストラクチャー・エネルギー(GIE)/製造/ライフサイエンス・ヘルスケア/テクノロジー・メディア・通信(TMT)/消費財・小売・サービス/商社
各セクター担当者には業界横断的な知見・人脈をもつ人材が配置され、クライアントの経営環境・産業全体を見渡した課題整理やナレッジ活用が可能です。サービス提案から実行、品質管理まで一貫してリードし、案件成功のため責任を持ちます。
■新しい注力テーマ
KPMGコンサルティングでは、急速な社会変化とリスクの多様化に対応し、以下の新領域でのサービス提供を開始・強化しています。
- 知財・無形資産戦略・ガバナンス支援:2025年より企業価値向上へ向けた知財・無形資産戦略・ガバナンス支援サービスの提供を開始しました。知財・無形資産をアセットポートフォリオチャートで可視化し、獲得・活用までワンストップで実行することで、ビジネス創出力の引上げを推進しています。
- 競争法違反リスクに関する内部監査支援:専門的知見とデジタル技術等を組み合わせ、競争法の違反リスクによる経営への影響の最小化に向けた内部監査の体制整備を支援するサービスを提供しています。
- デジタルリスクマネジメント:コロナ禍における急速なワークスタイル変化などでデジタル化が進みつつも、歪みやリスクの内包に直面している企業の仕組みの再構築を、リスクマネジメントの視点から支援するサービスを提供しています。
KPMGコンサルティングの企業文化
■KPMGのPurpose
KPMGは「社会に信頼を、変革に力を(Inspire Confidence. Empower Change)」をPurpose(存在意義)に掲げています。これは、KPMGの150年以上の歴史から導きだされた存在意義です。
- Purposeの背景:不確実性が高まる現代においては、このシンプルな原理原則はますます重要になります。従来にないスピードで変化が起きる社会において、コロナ禍による産業構造やビジネスモデルの変化はDXの推進に拍車をかけ、ESGに配慮した経営を行うことは企業が長期的な成長をするうえで不可欠となっています。
- KPMGコンサルティングにおけるPurposeの実践:KPMGでは、全構成員がPurpose(存在意義)とValues(価値観)を共有し、より良い未来の実現に向けて行動しています。KPMGコンサルティングは、このPurposeに基づき、クライアントに寄り添い、社会から信頼されるサービスを提供しています。
■「3代表制」について
KPMGコンサルティングは2025年1月より、業界でも珍しい「3代表制」を採用しました。関穣氏、田口篤氏、知野雅彦氏の3名が代表取締役を務める新体制です。この体制を採用した主な目的は3つあります。
- 迅速な意思決定:経営の重要課題について3人で議論する機会が確実に増え、多様な視点を持つ3人の代表が意見をぶつけ合いながら議論できることで、より良い意思決定が可能になります。
- 多角的な視点による経営:マーケットでの存在感をさらに高めていくことや、生成AI技術の台頭によるコンサルティングビジネスの変化への対応など、将来を左右する重要テーマについて、多様な視点から議論できることが有意義とされています。
- リスク分散とガバナンス強化:複数の代表による意思決定体制により、経営リスクの分散とガバナンスの強化を図っています。

KPMGコンサルティング株式会社は、2025年1月より新任代表取締役の就任を決定しましたのでお知らせします。
■誠実性を重視するカルチャー
KPMGコンサルティングの企業文化は、監査法人グループとしての誠実性を基盤としています。
- 監査法人ルーツの企業文化:"市場の番人"とも呼ばれる監査法人をメンバーファームに擁するKPMGジャパンでは、誠実性を何よりも重視する文化があります。KPMGコンサルティングも、この価値観を継承し、クライアントの健全な成長支援と人材重視の経営を掲げています。
- 長期的な信頼関係の構築:クライアント企業との関係では、短期的な売上追求よりも長期的な信頼関係の構築を重視しています。時間をかけてクライアントの成長に貢献することを基本方針としています。
- 「KCファン」の創出:同社が目標とするのは、クライアントの経営陣から継続的に選ばれるパートナーとなることです。最新テクノロジーを用いた取り組みの際に相談される関係性の構築を重視しています。
今後は短期的には、ソリューションドリブンではなくアカウントフォーカス、つまり我々の言葉では「KCファンを増やす」ことを続けていきます。同時に顧客のビジネス全般において企画から実行までEnd-to-Endで支援し、顧客が望んでいることを最後まで実現させていける体制を整えていきます。
■「人を大切にするNo.1ファーム」
KPMGコンサルティングは「人を大切にするNo.1ファーム」の理念のもと、社員一人ひとりの継続的な成長と長期的な活躍を支援する具体的な制度を構築しています。
- 「人を大切にするNo.1ファーム」の理念:社員自身がKPMGコンサルティングのファンになることで、クライアントにもファンになってもらうという考えのもと、「人を大切にするNo.1ファーム」を公式に掲げています。「オーナーシップ」「リスペクト」「コラボレーション」の3つの価値観を重視し、プロフェッショナルとして常に当事者意識を持ち、あらゆる立場の違いを超えて相手を尊重し、チームとして助け合う組織づくりを進めています。
KPMGコンサルティングは、「人を大切にするNo.1ファーム」を目指し、社員一人ひとりが自律的にキャリアを築き、プロフェッショナルとして安心して活躍していくことを応援しています。
- Employee Value Proposition(EVP):社員に提供する独自価値であるEmployee Value Proposition(EVP)のもと、年間目標設定に加えてプロジェクト単位での目標設定を導入。1〜6ヶ月の期間でパフォーマンスマネジャーがメンター役として1on1でキャリア開発をサポートする体制を整備しています。
企業と従業員の関係は、主従関係から対等な関係へとシフトしています。KPMGは、EVP(Employee Value Proposition=従業員への価値提供のために企業側が取り得る考えや活動)の6つの項目を設定し、それぞれの観点で、従業員の会社に対する愛着・信頼の度合いを可視化・数値化することで、課題の抽出を行うとともに、現行の企業理念・パーパスの浸透度を測ります。
KPMGコンサルティングの働き方
■働き方改革の推進「プロジェクトLEAP」
LEAPとは "飛び越える・飛躍する"という意味で「一所にとどまらず、絶えず成長を求めること、イノベーションを生み出すこと、それにより組織としてさらに飛躍すること」という思いが込められています。
同時に "Lead Evolution Accelerate Productivity(変革を導き、生産性を加速させる)" の頭文字を統合した意味を持たせています。
LEAPの基本コンセプトは「時代に合ったProfessional Wayを実現させて、KCファンを社内外に拡大する」で、以下の3つの主要推進テーマについて経営トップのオーナーシップの下、スピードを上げて改革を加速させています。
- Working Style:社員が健康で長期的に働ける"職場環境"づくり
- Quality:効率的に働き、"時間あたりの生産性が高まる仕組み"づくり
- Mind Set:互いをリスペクトし、共に成長できる"文化・風土"づくり
■ハイブリッドワークと勤務制度
KPMGコンサルティングでは、以下のような柔軟な働き方を認めています。
- フレックスタイム制度:2020年10月より、一部のコンサルタント職に適用していた裁量労働制を廃止し、管理職を除くすべての社員にフレックスタイム制度を適用しています。社員が柔軟に就業時間を決定することができ、定時は7時間に設定されています。
- 在宅勤務制度:在宅勤務をコンセントレーション(集中作業)の場として位置付け、利用回数の制限はなく実施することができます。社員一人ひとりがプロフェッショナルとしてその日の最適な場所を選択し、業務を行うことが可能です。
- Jump Friday制度:毎週金曜日の15時以降、業務終了が可能となる制度です。個々の業務都合に合わせて「今日はJumpします!」を合言葉に15時の退社を奨励しています。柔軟な働き方を実現するとともに、限られた時間のなかで品質の高いアウトプットを創出する意識を醸成する取組みです。
- 新たな勤務制度(2022年導入):社員一人ひとりのライフステージに合わせた多様な働き方の実現を目的に、以下の3つの新制度を導入しました。
- Work from Home Program制度:介護などの事情で就業場所に制約があり、さらなるサポートを必要とする社員には、勤務する場所を自宅に限定し、オフィスへの出社や出張などが免除される制度です。
- Away from Keyboard制度:在宅勤務において発生しやすい家事、育児、送迎等による離席を、時間・回数の上限なく認める制度です。フレックスタイム制度との併用で、さらに柔軟なワークスタイルを実現します。
- ワーケーション制度:観光地やリゾート地など国内の任意の場所で一定期間、業務を行うことを認める制度です。

KPMGコンサルティング、在宅勤務限定など、多様な働き方の実現に向けて新たな勤務制度を導入
社員一人ひとりが安心して活躍できる就業環境を目指して、在宅勤務限定や中抜け勤務、ワーケーションなど新たに3つの勤務制度を導入しました。
■労働時間管理と健康経営
KPMGコンサルティングの月間の全社平均残業時間は20時間前半で、労使協定において45時間/月を超える残業は年6回まで、80時間/月以上の残業は原則禁止としています。
社員の残業時間は週次でモニタリングし、上限時間の超過が見込まれる社員の上長にアラートを上げることで、労働時間の管理を行うよう指導しています。
また、マネジャー以上の評価項目にチームメンバーの稼働時間があり、チームメンバーの残業が少ないほどプロジェクトリーダーの評価が高くなるため、残業時間を抑える強い動機になっています。
KPMGコンサルティングのキャリア支援
■基本的な職位体系とキャリアパス
KPMGコンサルティングでは、明確な階層構造と成長機会を提供する体系的なキャリアパスを設けています。各職位には具体的な役割と期待値が設定され、個人の成長に応じたステップアップが可能です。新卒はビジネスアナリストとしてスタートし、キャリア採用は経験に応じた職位から参画します。
- ビジネスアナリスト:データ収集・分析、資料作成支援、基礎的なリサーチ業務
- コンサルタント:独立したタスク遂行、クライアント対応、専門領域でのアウトプット作成
- シニアコンサルタント:プロジェクト部分統括、後輩指導、クライアントへの提案活動
- マネジャー:プロジェクトの実行責任者として、スケジュール管理、品質管理、チームマネジメントを担当。クライアントとの直接的なやり取りも多く、コンサルタントとしての専門性を発揮する重要なポジション
- シニアマネジャー:プロジェクトマネジメントの要として、クライアントとの関係構築から案件の全体統括まで担当。チームのマネジメントや若手の育成指導も重要な責務
- ディレクター:部門戦略立案、大型案件統括、事業開発責任者として複数プロジェクトを統括
- パートナー/プリンシパル:トップマネジメントとして、ファーム全体の経営戦略立案と実行に携わる。一般企業でいう取締役に相当し、各部門や専門チームの統括責任者として、事業運営全般を指揮
■Strategy & Transformationチーム(ST)の職位体系
2024年10月の組織改編により、Strategy & Transformationチーム(ST)は、セクターやサービスライン別の組織構造から切り離され、独立した戦略コンサルティング職種として新たにスタートしました。
これにより、戦略領域におけるより専門的なキャリアパスが確立され、横断的な専門性を活かして経営戦略策定からM&A、事業変革まで幅広い戦略コンサルティングサービスを担う専門職種として発展しています。
- Junior Strategy Associate→Strategy Associate→Senior Strategy Associate→Strategy Manager→Senior Strategy Manager→Associate Partner→Partner
STチームの特徴は、CxOとの直接対話を通じて経営課題の本質を見極め、同社の他チームのみならず、KPMGジャパンを構成するあずさ監査法人、KPMGあずさサステナビリティ、KPMG FASなどのグループ会社とも連携しながら包括的なソリューションを提供する点、そして個々のメンバーの専門性を活かしながら業界の垣根を越えた課題解決を目指す点にあります。
■キャリア支援制度
KPMGコンサルティングでは、「人を大切にするNo.1ファーム」を目指し、社員一人ひとりが専門性を高め、自律的にキャリアを構築できるよう、体系的な支援制度を整備しています。個人の成長段階やキャリア志向に応じて活用できる多様なプログラムを提供し、長期的なキャリア開発をサポートしています。
人材育成・研修制度
- 社内研修プログラム:コンサルタントの基盤となるスキル、業界知見、デジタル、グローバルスキル、イノベーション力などを、オンライン、グローバルイベント、オンサイト研修など、さまざまな形態で提供
- 学習プラットフォーム:社外のeラーニングプログラムや、KPMGジャパンおよびKPMGインターナショナルが開発した基礎から専門までカバーする学習コンテンツに、いつでも、どこからでもアクセス可能
- KPMG Lakehouse Advisory University:2020年に米国フロリダ州に開設した独自のユニバーシティで、最先端の学習・イノベーションの拠点として各国からエキスパートが集まりディスカッション・セッションを実施
- デジタル基礎トレーニング:グローバルで開発したテクノロジー基礎トレーニングを日本語版にカスタマイズし、アーキテクチャー、アプリケーション構造、デジタル戦略、IoT、AI、ブロックチェーン、サイバーセキュリティ、アナリティクスの各領域をカバー
- 海外短期研修企画提案制度:どの国で誰から何を学びたいのか自ら企画し、役員へのプレゼンテーションで承認が得られれば、一定の範囲内で自由にグローバルでの学びを実現
キャリア開発支援
- パフォーマンスマネジャー制度:同じ部署のマネジャー以上が育成をサポートし、定期的な対話を通じて目指すキャリア実現のための目標設定、課題解決を支援。対話内容はプロジェクトアサイン時にも考慮
- プロジェクトベースの目標設定とフィードバック:年間目標に加え、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月といったプロジェクト期間に応じた目標設定を行い、プロジェクト内上司からのフィードバックを基に短期サイクルで成長を加速
- 新規事業領域への挑戦支援:宇宙ビジネスやeSportsなどの専門チームのように、新しい領域に挑戦したい有志の議論から始まり、チーム設立提案を認めて後押しする組織風土 専門性強化支援
- テクノロジー専門トレーニング:デジタルのトレンドや技術要素をすべてのコンサルタントに必要なスキル・知識として位置づけ、包括的な技術理解を促進
- 業界特化スキル開発:各セクター(金融、製造業、公共セクター等)の専門知識とコンサルティングスキルの融合
- 資格取得支援:外部研修受講費用の一部負担などの制度を整備し、継続的な専門性向上を支援

KPMGコンサルティングのキャリア、柔軟な働き方、人材育成について紹介しています。
KPMGコンサルティングの求人情報
■主要募集職種・部門
KPMGコンサルティングの採用は、以下の3つの領域に大別されます。
- 戦略・業務系コンサルタント:Strategy & Transformationの戦略コンサルタント、マネジメントコンサルタント、業務改革コンサルタント、M&Aアドバイザー
- テクノロジー系職種:ITコンサルタント、デジタルコンサルタント、データサイエンティスト、AIスペシャリスト、サイバーセキュリティ専門家
- セクター・機能別専門職:金融サービス、製造業、TMT、公共セクター等の業界専門コンサルタント、リスクコンサルタント
戦略・業務系では、特に2024年10月に独立したStrategy & Transformationでの戦略コンサルタントは独自の職種体系を持つ高い専門性が求められるポジションとなっています。
テクノロジー系職種では、従来のIT戦略やシステム導入に加え、生成AI、データサイエンス、サイバーセキュリティといった最新技術領域での採用を強化しており、技術的専門性に加えてビジネス視点でのコンサルティング能力も重視されます。
セクター・機能別専門職では、金融サービス、製造業、TMT(テクノロジー・メディア・テレコム)、公共セクターなどの業界知見を持つ人材や、知財・無形資産戦略、競争法違反リスク対応といった新しい専門領域での経験を持つ人材への需要が高まっています。
■応募資格と求められるスキル
応募にあたっては、新卒採用では大学・大学院卒業予定者(学部・専攻不問)、中途採用では関連業務での実務経験が基本要件となります。コンサルティング業界のご経験は必須ではなく、それぞれの業界で培った深い知見やスキル・ご経験があれば応募可能です。
- 最も重視されるのは「専門性」と「マインドセット」です。KPMGのPurpose「社会に信頼を、変革に力を(Inspire Confidence. Empower Change)」への共感は選考の重要な評価軸となっており、チャレンジ精神と主体性、温和で協調的な組織文化にフィットする姿勢、継続的な学習意欲が求められます。
- 能力面では、論理的思考力と問題解決能力、クライアント対応力とコミュニケーション能力が基本となり、マネジャー以上ではプロジェクト管理能力、チームマネジメント経験、営業・事業開発実績、専門分野でのソートリーダーシップなどがより重要な評価要素となります。
- 語学力については、日本語はビジネスレベル必須で、ポジションによっては英語力が求められる場合があります。海外経験があれば評価要素となります。
■採用プロセス・選考期間
KPMGコンサルティングの採用プロセスは、書類選考から最終面接まで通常3〜4回の選考を経て行われます。全体的な選考期間は一般的に2〜3ヶ月程度かかります。各選考ステップ間の結果通知は、面接日当日から1週間以内にメールで行われることが多いです。
新卒採用の選考フロー
- 書類選考(エントリーシート)→WEBテスト(玉手箱)→オンラインケース面接→インターンシップ(1day・5days)→面接(複数回)
キャリア採用の選考フロー
- 書類選考→適性検査(コンサル未経験者・年齢や部門により実施)→一次面接(マネジャークラスの現場担当者)→二次面接(シニアマネジャー・ディレクター)→最終面接(パートナー)
最終面接を受けてから結果通知まで2週間程度かかる場合もあり、配属部署の調整で時間を要することもあります。また、休日に一日で複数回の面接を実施し内定を獲得できる一日選考会が開催されることもあります。
コンサル業界経験や英語力は必要か?
事業会社からコンサル業界への転職が可能なのか、気になる人もいるでしょう。KPMGコンサルティングの中途採用情報のページには「コンサルティング業界のご経験は必須ではありません」、英語力は「必須ではありませんが、ビジネスレベルの英語力があれば、活躍の場が広がる」といったQ&Aが掲載されています。
とはいえ、職種によっては条件が異なる場合もあります。転職成功の確率をアップさせたい方は、ぜひグローバルウェイ・エージェントにご相談ください。なお、スピーディな対応を行うために、登録フォームの備考欄には、必ず「KPMGの件」と明記願います。費用は一切かかりません。
KPMGコンサルティングの採用面接で聞かれる質問
■頻出する質問パターン
志望動機・企業理解:実際の面接では「なぜコンサルティング業界を志望するのか」「なぜKPMGコンサルティングを志望するのか」「入社後にどのようなことに挑戦したいか」といった質問が頻繁に出題されます。
- 「BIG4の中でもなぜKPMGコンサルティングを選ぶのですか?」という質問では、「個の力を重視した組織運営」「小規模でも付加価値の高いプロジェクトを大切にする姿勢」「温和で協調的な組織文化」といった具体的な差別化要因を示すことが効果的とされています。原体験と結びつけた説得力のある回答が求められ、KPMGの現状や強み・弱み、社風についての理解を示すことが重要です。
経験・能力の確認:前職での業務内容、志望動機、KPMGコンサルティングで何をしたいのか、何ができるのか等の書類選考時の志望動機に関する深掘り質問がメインとなります。
- 「これまでの職務経験で得たスキルのうち、最もアピールできるものは何ですか」「コンサルタントに必要なスキルは何だと思いますか」「困難な状況を乗り越えた経験について具体的に教えてください」など、一貫した人物像を確認する質問も多く出題されます。
- マネジャー以上への応募では「チーム規模、プロジェクト規模、実務担当内容、顧客折衝経験有無、提案資料作成経験有無」などについて具体的な成果と学びを定量的に説明することが重要です。単に経歴や実績を羅列するのではなく、どのようにその成果を達成したのか、プロセスを伝えることができる点も重要視されます。
思考力を問う質問(ケース面接):KPMGコンサルティングではケース面接が確実に実施されるため、事前対策が必須です。
- 「ある業種の年間売上の推定」「リモートワークの広がりで大ヒットが予想される新商品を考えよ」「高齢化・人口減少が問題になっている地方を活性化するにはどうしたらいいか」などの問題が出題されます。
- ケース面接では「お題を渡されて一人で考えてからプレゼン形式」が多く、数値の設定理由や推定プロセスの説明が重視されます。KPMGは定量的に筋の通ったロジカルな説明を他のコンサルファームよりも明らかに高いレベルで求めてくるため、回答後も面接官から深く突っ込まれ、定量的な回答を求められることが特徴的です。
■志望動機の整理の仕方
面接に際して、志望動機をまとめるためには「Can」「Will」「Must」についてよく考え、整理しておいた方がいいでしょう。念のため簡単に説明すると、
- Can:自分ができること(スキル、能力、経験、実績)
- Will:自分がしたいこと(意思、意欲、ビジョン)
- Must:自分がしなければならないこと(会社から要求・期待されると認識していること)
の3点を整理し、それらが重なったところで「自分の志望動機」を整理するということです。
なお、KPMGコンサルティングの採用サイトには、「業務内容」「必須条件」「歓迎条件」が明記されています。書かれている要件を自分がいかにクリアしているかを説明する準備が必要です。
マネージャークラス以上の面接準備
マネージャー以上については「Can」「Will」「Must」は当然として、職務に応じた個別の質問が多くなっており、あらかじめ準備が必要です。詳しくは、グローバルウェイ・エージェントまでお問い合わせください。(※登録フォームの備考欄に「KPMGの件」と明記願います。)
KPMGコンサルティングへの転職を成功させるために
以上、KPMGコンサルティングという会社について、概要をご説明させていただきました。
求人は、求められるスキルのハードルが高いのが特徴的です。しかし、仮に書類が通過したしたとしても、次の面接でつまづく方が多くいらっしゃいます。
面接の質問は、様々な内容が投げかけられます。定番的なものから地頭のよさを測るもの、職種特有の質問もあり多種多様です。
あらかじめ面接対策をしないと、選考を通過する確率はかなり落ちます。現時点で数千万円を稼ぐ優秀な営業の方が、面接対策を怠ったために失敗することもあります。限りあるチャンスを活かすためにも、ぜひ十分な準備を行ってから臨んでいただきたいと思います。
KPMGコンサルティングの採用面接に臨む前に
転職成功の確率をアップさせたい方は、ぜひグローバルウェイ・エージェントにご相談ください。私たちはCxOや役員から直接情報を共有してもらうことで、必要な候補者像を把握しており、上記以外の「候補者公開不可情報」や「過去の面接成功・失敗事例」を把握しています。
なお、スピーディな対応を行うために、登録フォームの備考欄には、必ず「KPMGの件」と明記願います。費用は一切かかりません。
外資系IT企業、コンサルティングファーム、システムインテグレーターの各業界の現場の最前線で活躍してきたヘッドハンター集団。サーチ型エージェントとして活動しています。
直接キャリア面談の実施から入社、その後一生涯のキャリア形成までを丁寧にサポートします。