学研ホールディングスの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
学研ホールディングスの前身である「学習研究社」の教育事業がスタートしたのは、1946年。戦後間もない時期に、日本の復興における教育の役割を重視する創業者のもと、小学生向けの学習誌が創刊されました。その後も教育雑誌や参考書、辞書など、教育関連書籍を発刊。販売員による訪問形式で教育書籍を届けるビジネスを基盤に、事業を拡大してきました。
しかし、近年の少子化傾向を受け、収益が悪化。2000年以降は経営のスリム化や経営体制改革に着手します。2009年には組織改編をおこない、持株会社制に移行し、社名を「学研ホールディングス」に変更。現在は、教育事業を手がける学研塾ホールディングス(中間持株会社)、医療福祉分野で事業展開する学研ココファン、その他研究所や財団を傘下におき、その統括をおこなうとともに、各事業を推進する役割を担います。
口コミには「年功序列」「考え方が古い」といった意見が散見され、教育分野の老舗企業ゆえの体質の古さがうかがえます。しかし、女性が多く働くことから、育児や介護に対する理解があること、福利厚生制度が充実していることなどを評価する声も聞かれました。
また、教育や医療福祉を取り巻く社会的環境が変化し続けている現在、仕事をするうえでこれらの変化への対応スキルが求められると考える人も見受けられます。学研ホールディングスでも、グループ理念のなかに「現状に満足しない」「スピード感」といった文言を盛り込んでおり、教育・医療福祉の分野から人生を豊かなものにするために迅速かつ情熱的なチャレンジが必要だとしています。
学研ホールディングスには、教育・医療福祉分野のリーディングカンパニーでありつづけるために、変化をいとわずチャレンジする社風があります。中途採用面接では、こうした企業文化にフィットする人物かどうかを見極められるでしょう。
■選考は何次まで?
2023年1月現在、学研ホールディングスでは「高望み採用」と題したDX・グローバル人材向けの中途採用活動をおこなっています。選考は学研ホールディングスでおこない、応募者の適性や希望を考慮したうえで、傘下のグループ各社に配属する形式です。
現時点では「ビジネスディベロップメント」「アプリケーションエンジニア」「システム開発PMO」の3領域での募集となっています。システム開発PMO職では学研塾ホールディングスを雇用元とし、学研メソッドへの出向が予定されているなど、職種によってさまざまなパターンになることも。入社後の所属先や待遇などについて、選考中に確認しておくとよいでしょう。
選考フローについて、コーポレートサイト内の採用ページには明記がありません。しかし、口コミによると、書類選考後、内定までには2~3回の面接があるようです。選考時に課されたテストに苦戦したという人も見受けられたため、事前に対策をしておきましょう。
■面接内容の傾向は?
口コミによると、学研ホールディングスの面接では、人柄や教養のほか、業務に活かせる経験や考え方を問われることが多いようです。
「職歴とエントリーシートの内容について」といった、中途採用面接では基本となる問いかけのほか、趣味の話を通じて人柄を掘り下げる質問をされた人が見受けられました。エントリーシートや履歴書・職務経歴書と齟齬のない受け答えができるよう、回答を準備しておくことが重要です。さらに、趣味や余暇の過ごし方など、適度な雑談にも対応できる心づもりをしておくとよいでしょう。
また、「前職での経験のうち当社で活かせるものは?」と質問された人のほか、「どんな本が売れると思うか」と聞かれた人(出版部門を希望)もいました。こうした質問は、学研グループで活かせる経験や考え方の持ち主であるかどうかを見極めるためのものです。自己分析の際は「自分の希望する職種・領域にはどのような素養が求められるのか」に焦点をあてるようにしましょう。
学研ホールディングスの面接攻略法(面接対策)
■学研ホールディングスの中期経営計画「Gakken2023」を理解した上で自己分析をする
学研ホールディングスの面接を受ける前に、同社の経営方針を理解しておきましょう。学研ホールディングスでは、2021~2023年度を対象年度とした中期経営計画「Gakken2023」を策定しています。
2030年頃までの長期経営方針として「デジタル領域の強化」「グローバル事業からの収益力向上」を掲げる同社。今中期経営計画は、そのための成長基盤を確固たるものにし、企業価値を向上させるためのものとして位置づけられています。
教育分野においては、新たな学習形式や機会の創出や、教育を取り巻くネットワークの整備を主要施策として推進します。社会人教育にも力を注ぎ、生涯学習環境の提案も積極的におこなう姿勢です。医療福祉分野では、人材育成に重点を置き、サービス内容の拡充と品質の向上につなげていくとしています。
教育および医療福祉の両分野で学研ホールディングスが重視しているのが「DX戦略」と「グローバル戦略」です。デジタライゼーションの推進による両分野の成長・利益拡大を目指すとともに、日本での実績を海外展開につなげたい学研グループ。中途採用ページも、DX・グローバル人材に特化したものとなっています。
面接においても、学研ホールディングスの経営方針を踏まえ、DXやグローバル戦略において自身のスキルを最大限に発揮する意欲を示せると有利でしょう。
■「なぜ学研ホールディングスか」をはっきりさせるためには他社研究が必要
新卒・中途を問わず、採用面接で頻出する質問に「なぜ当社を志望するのか」というものがあります。この質問では、企業理解がどの程度できているかに加え、競合他社との違いをきちんと見極められているかを問われます。
説得力のある回答で面接を突破するために、他社研究を忘れないようにしましょう。企業研究のひとつの手法として、他社と比較し、学研ホールディングスの特色や経営方針の独自性を明らかにしておくことをおすすめします。具体的には、主力分野において競合する、以下の企業についても研究してみてください。
- 株式会社ベネッセホールディングス
- 株式会社ナガセ
- 株式会社公文教育研究会
学研ホールディングスの採用面接で実際に聞かれた質問内容
学研ホールディングスの求める人物像のほか、経営方針などが企業研究を通じて理解できたのではないでしょうか。
学研ホールディングスの中途採用面接を受ける際には、「教育・医療福祉分野のリーディングカンパニーでありつづけるために、変化をいとわずチャレンジする社風」を意識して、「経営方針を踏まえ、DXやグローバル戦略において自身のスキルを最大限に発揮できる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問に自分ならどう答えるか、面接のシミュレーションをしてみてください。
[40代前半・女性/編集] 【結果:一次面接で不採用】
[30代前半・女性/編集] 【結果:二次面接で不採用】
[30代後半・女性/その他] 【結果:入社】
[30代後半・男性/その他] 【結果:入社】
学研ホールディングスの採用面接に向けて
学研ホールディングスの採用面接を受けるにあたって、その社風や面接の傾向、経営方針や求められる人物像など、事前に理解しておきたいことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
これらについてしっかりと準備をおこない、面接当日は人となりだけでなく、自分の強みや業務に活かせる素養を誠実な言葉でアピールするよう心がけましょう。
大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。