学研ホールディングスの転職研究 2025年9月期決算に見るキャリア機会

学研ホールディングスの転職研究 2025年9月期決算に見るキャリア機会

学研ホールディングスの2025年9月期決算は、桐原書店の連結化や海外事業の拡大、医療福祉の収益基盤強化により増収増益を達成。「人の可能性をどこまでも追求する」を掲げる新中期経営計画「Gakken 2027」の下、転職希望者が教育DXやグローバル、ウェルネス等の多角的なフィールドでどのような役割を担えるのかを整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

桐原書店の連結化と海外事業の拡大を推進する

当期より高校向け教材に強みを持つ株式会社桐原書店を連結子会社化しました。さらにベトナムのDTP Education Solutions JSC(DTP社)も連結し、グローバル展開を加速させています。これにより、従来の国内出版の枠を超えた「教育×グローバル」の領域で、専門性の高い人材の活躍機会が飛躍的に拡大しています。

出版コンテンツと医療福祉の収益基盤を強化する

出版コンテンツ事業では実用書や高校学参書の好調、価格改定により営業利益が前年比31.5%増と大幅に伸長しました。医療福祉分野でも、施設数の拡大(739拠点)と高水準の入居率維持に加え、価格改定効果により通期で増収増益を達成。既存事業の構造改革と効率化により、強固な収益体制への転換が進んでいます。

新中期経営計画による攻めの投資を継続する

2025年9月期を「Gakken 2025」の最終年度として利益計画を達成し、次なる「Gakken 2027」へのシフトを表明しました。リカレント・リスキリング領域や介護周辺事業への積極的なM&Aと人的投資を掲げており、教育・福祉のトップカンパニーとして地域社会の未来を創造する、意欲的なキャリア形成が可能です。

1 連結業績ハイライト

主要セグメントの好調とM&Aの寄与により、前期比増収増益で利益計画値を達成しました。
2025年9月期 決算エグゼクティブサマリー

出典:2025年9月期 決算説明資料 P.3

売上高 1,991.1億円 +7.3%
営業利益 82.3億円 +19.7%
当期純利益 35.7億円 +58.3%

2025年9月期の連結業績は、売上高が前期比7.3%増の1,991億円、営業利益は19.7%増の82.3億円となり、過去最高水準の利益計画を達成しました。出版コンテンツ事業のヒットや、医療福祉分野での拠点数拡大・価格改定が功を奏した形です。さらに、ベトナムDTP社の連結化に伴う段階取得差益や政策保有株の売却等により、純利益は前期比で約1.6倍に急増しています。

通期予想に対する進捗状況については、期初に掲げた利益計画を上回る形で着地しており、極めて順調な結果といえます。特に教育分野では、少子化という逆風の中でも価格改定とコスト効率化により増益を確保しており、経営の安定性が際立っています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

教育・医療福祉の各セグメントで戦略的な再編が進み、専門性を活かせるポジションが多様化しています。
セグメント別業績推移

出典:2025年9月期 決算説明資料 P.8

教育分野:教室・塾事業

【事業内容】 学研教室の運営や市進HD、創造学園、エヌイーHD等による進学塾の展開。

【業績推移】 売上高534.3億円(前期比+1.1%)、営業利益23.6億円(前期比+20.9%)。

【注目ポイント】 首都圏での堅調な受験ニーズに加え、2025年4月に実施した月謝改定とコスト構造の最適化が増益を牽引しました。「講談社こども教室」の承継(学研Link)により幼児層の顧客基盤も拡大しており、教室運営の効率化やCX向上のための施策を推進できる人材が求められています。

注目職種: 教室・塾運営マネジメント、教育コンテンツ企画、事業企画

教育分野:出版コンテンツ事業

【事業内容】 児童書・学習参考書等の出版、オンライン英会話「Kimini」、看護師eラーニング運営。

【業績推移】 売上高278.5億円(前期比+5.8%)、営業利益28.5億円(前期比+31.5%)。

【注目ポイント】 高校学参書や実用書のヒット、デジタルコンテンツの拡大により利益率が大幅に改善しました。特に看護師eラーニングの契約病院数は3,245件(+338件)と右肩上がりで成長中。デジタル・出版の融合を通じたリカレント教育の領域で、編集力やマーケティングスキルを持つ人材の需要が高まっています。

注目職種: デジタル編集、SaaS営業、EdTech開発エンジニア

教育分野:園・学校事業

【事業内容】 保育園向け物販、教科書、学校教材の制作・販売。桐原書店の連結化含む。

【業績推移】 売上高140.9億円(前期比+10.9%)、営業利益1.2億円(前期比-69.8%)。

【注目ポイント】 (注:桐原書店のグループインにより増収も、教科書改訂の反動減等で減益)。今後の鍵は桐原書店とのシナジー創出です。英語・国語教材のラインアップ拡張とデジタル教材の強化が進んでおり、教育現場の変革を支えるソリューション提案型の人材が不可欠となっています。

注目職種: 学校法人向け営業、教材開発、アライアンス担当

医療福祉分野:高齢者住宅・認知症GH・子育て

【事業内容】 サービス付き高齢者向け住宅(学研ココファン)、認知症グループホーム(愛の家)の運営等。

【業績推移】 合計売上高950.8億円(前期比+8.7%)、営業利益42.7億円(前期比+1.7%)。

【注目ポイント】 価格改定効果により通期で増益を確保。拠点数は739拠点に達し、入居率98.4%(高齢者住宅・新店除く)と非常に高い稼働率を維持しています。ウェルネスサービスの開発や、神戸大学とのCcRC(大学連携型施設)開発など、既存の介護の枠組みを超えた新たな街づくりに関わるチャンスがあります。

注目職種: 施設開発、エリア統括、新規サービス企画

その他の分野:グローバル・物流・DX支援

【事業内容】 ベトナムDTP社を通じた海外展開、物流事業、グループDX推進。

【業績推移】 売上高86.3億円(前期比+40.0%)、営業利益12.0億円(前期比+127.7%)。

【注目ポイント】 ベトナムDTP社の連結化により利益が激増し、収益基盤が強化されました。グループ全体のダイレクト・タッチポイント(GakkenID等)は130万件を超え、データ利活用によるCRM戦略が本格化しています。グローバル市場への進出やグループ全体のDXを加速させる、高度な専門人材が熱望されています。

注目職種: 海外事業推進、データサイエンティスト、DXコンサルタント

3 今後の見通しと採用の注目点

新中期経営計画「Gakken 2027」がスタート。グローバル・リカレント教育を軸にした価値向上へ。
2030に向けたグループのテーマ

出典:2025年9月期 決算説明資料 P.13

2026年9月期は、新中期経営計画「Gakken 2027」の初年度となります。売上高2,050億円、営業利益85億円(3.2%増)と継続的な成長を予想。特にベトナムを核としたグローバル伸長、オンライン英会話「Kimini」を柱とするリカレント・リスキリング領域の再強化に注力する方針です。人的投資やデジタル基盤の刷新にも積極的であり、教育・福祉業界の変革に主体的に関わりたい転職者にとって、非常に魅力的なフェーズにあります。

経営方針として「人の可能性をどこまでも追求する」を掲げ、資本効率を意識したROE向上(目標7.0%)やポートフォリオの整理も推進中です。戦略的M&Aを通じたグループトランスフォーメーションを掲げていることから、新規事業の立ち上げや組織統合の経験を持つ人材の活躍が期待されています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

学研グループは「教育」と「医療福祉」の二本柱で社会課題に挑む、独自のポジションを確立しています。志望動機では、単なる教育への関心だけでなく、「多世代・グローバル」へのリーチ「デジタルとリアルの融合」という戦略的キーワードに触れるのが有効です。当期の実績である「桐原書店の連結化」や「ベトナム展開の深化」を具体例に挙げ、自身の専門性をどのようにグループ全体の価値向上に結びつけられるかを言語化しましょう。

Q&A

面接での逆質問例

「新中期経営計画Gakken 2027において、人的投資とデジタル基盤の刷新が掲げられていますが、私の担当職種において具体的に期待される役割は何でしょうか?」や、「リカレント・リスキリング領域の強化にあたり、既存の出版コンテンツとデジタルサービスをどのように融合させていく展望をお持ちですか?」など、未来志向の質問を通じて、資料を読み込んでいる姿勢と貢献意欲をアピールしましょう。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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福利厚生は育児休業や介護休業などが充実

福利厚生は、育児休業や介護休業などが充実。ご子息、ご令嬢の入学式の日に、休暇をとらせていただけたり、また、入学祝いに、自社商品の中から、希望商品をプレゼントされます。社内食堂は、窓からの眺めがとてもよく、メニューにカロリーが表示されていて、リーズナブルで、麦ごはんもあり、健康に配慮されている感じです。

(30代・その他・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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完全に人間力で売らないと厳しい

ライバル企業も多く似たような商品を販売していて完全に人間力で売らないと厳しい。

(30代・ルートセールス・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料:

  • 株式会社学研ホールディングス 2025年9月期 決算説明資料(2024年11月7日発表)
  • 株式会社学研ホールディングス 2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2024年11月7日発表)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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