0 編集部が注目した重点ポイント
① 芸能事務所AOI社を子会社化し俳優層を強化する
2025年8月より、玉木宏氏らが所属する芸能プロダクション、株式会社アオイコーポレーションの全株式を取得し、新規連結しました。アイドル領域に加え、実力派俳優のマネジメント機能を強化することで、グループ内の映像制作事業とのシナジーを創出し、タレント・俳優を目指す方や制作志向の転職者にとってキャリア機会が大きく拡大しています。
② 物流事業の通期寄与で売上収益が14.6%成長する
前期4Qから加わった株式会社トポスエンタープライズが通期で業績に寄与し、売上収益は356億3,000万円(前年比+14.6%)と大幅な増収を記録しました。エンタメ、映像制作、物流、飲食と多角的な事業ポートフォリオを構築しており、特定の業界動向に左右されない筋肉質な経営基盤へと進化しています。
③ 映像制作での配給事業開始により領域を垂直統合する
映像制作セグメントにおいて、新たに「配給事業」「CM制作事業」を開始しました。自社で制作したコンテンツを自社ブランド「Key Holder Pictures」を通じて全国公開できる体制を整え、収益モデルを高度化させています。制作スタッフの派遣に加え、川上から川下まで一気通貫で携わりたいクリエイターにとって挑戦しがいのある環境が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.5
2025年12月期の通期実績は、売上収益が356億3,000万円と前年から大幅に伸長しました。営業利益は15億7,300万円(前年同期比▲43.9%)となっていますが、これは前期に計上された「負ののれん発生益(トポスグループ化に伴う一時的な利益)」25億5,100万円の反動によるものです。この特殊要因を除けば、本業の収益力は着実に向上しています。
期初に出した通期連結業績予想と比較すると、売上収益で6億3,000万円、営業利益で7,300万円の上振れとなっており、経営状況は極めて順調です。既存事業の安定稼働に加え、M&Aで新たに加わった事業が計画通りに寄与しており、次期以降のさらなる成長に向けた盤石な足場を固めています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.6
総合エンターテインメント事業
事業内容:アイドル(乃木坂46、SKE48等)やアーティスト、俳優のマネジメント。ゲームアプリ開発(10ANTZ)等。
業績推移:売上収益 14,550百万円(前年比+1.2%)、セグメント利益 1,808百万円(前年比+207.0%)。
注目ポイント:(注:2025年8月よりAOI社を新規連結)。乃木坂46関連コンテンツの好調に加え、デジタル部門が大幅なV字回復を達成しました。AOI社のグループ加入により俳優マネジメントが強化され、キャスティングやメディア露出の最大化を図る専門人材の需要が高まっています。
映像制作事業
事業内容:バラエティ番組(UNITED PRODUCTIONS)、映画・ドラマの企画制作、人材派遣、配給事業等。
業績推移:売上収益 6,445百万円(前年比▲4.3%)、セグメント利益 94百万円(前年比▲39.0%)。
注目ポイント:配給事業や海外案件への先行投資により一時的に減益ですが、バラエティ番組の利益率は改善しています。米国AIM社との業務提携により「コンテンツの国際化」を強力に推進中。ハリウッドとの接続など、グローバルな制作に挑戦したい方に最適なフェーズです。
広告代理店事業
事業内容:デジタル広告(FA Project)、総合広告代理(allfuz)。SNSプラットフォーム向け動画広告等。
業績推移:売上収益 6,547百万円(前年比▲17.3%)、セグメント利益 ▲25百万円(前年は174百万円の黒字)。
注目ポイント:クライアントの広告費圧縮の影響を受けましたが、営業力強化のため人員を従来の倍に増強しました。体制整備は完了しており、今後は労働生産性の向上による収益改善フェーズへ移行します。大手流通との周年企画など大型案件の獲得が期待されています。
物流事業
事業内容:一般貨物運送、アミューズメント機器(パチンコ遊技機等)の保管・倉庫運営。
業績推移:売上収益 5,605百万円(前年は1,290百万円)、セグメント利益 421百万円(前年は2,689百万円)。
注目ポイント:(注:前年実績は4Qのみ)。利益の減少は負ののれん発生益の剥落が理由であり、実態は安定稼働しています。独自の在庫管理システムを武器に、人件費・固定費の削減といった事業改革を推進中。効率的なオペレーション構築を担うマネジメント層を求めています。
その他事業
事業内容:不動産賃貸、飲食事業(Empire Steak House Roppongi)、卸売事業等。
業績推移:売上収益 2,480百万円(前年比+227.2%)、セグメント利益 114百万円(前年比+26.7%)。
注目ポイント:2025年5月にグループ加入したRed List(飲食事業)が寄与。グループ内のSNSリソースを活用した販促により集客力を強化しています。23区内一等地での新店舗展開も検討されており、店舗開発や飲食マネジメントのプロが活躍できる場が生まれています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.22
次期の連結業績は、売上収益360億円(前期比+1.0%)、営業利益16億円(前期比+1.7%)と増収増益を見込んでいます。特に「総合エンタメ」と「映像制作」の連携を深め、独自IP(知的財産)の開発を加速させる方針です。2026年1月には「TEAM KARASAWA(唐沢寿明氏、山口智子氏)」との業務提携を開始するなど、大物俳優の活動支援を通じた事業基盤の更なる強化が進んでいます。
採用面では、全国規模の大型オーディション「bijoux新人発掘オーディション2026」の実施に伴い、新人育成やコンテンツ制作の体制強化が急務となっています。サイバーエージェント社や著名映画監督との全面バックアップ体制が敷かれており、次世代のスターを育てる最前線で経験を積める貴重な機会となります。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は「多角化」から「シナジー創出」へとフェーズを移しており、各事業会社が単体で動くのではなく、グループ一丸となって案件を獲得する姿勢が強まっています。志望動機では「タレントマネジメントと映像制作の垂直統合を加速させ、日本発のグローバル・コンテンツを世に送り出したい」といった、組織の垣根を越えた挑戦意欲をアピールすることが有効です。また、物流や飲食といった生活インフラ事業も支柱となっているため、経営の安定性とエンタメの爆発力の両面に惹かれている点もポジティブに評価されるでしょう。
面接での逆質問例
- 「配給事業『Key Holder Pictures』が本格始動しましたが、現場では制作サイドと配給サイドでどのような連携体制が構築されているのでしょうか?」
- 「アオイコーポレーションの子会社化やTEAM KARASAWAとの提携により、グループ全体でのドラマ・映画制作への関わり方は今後どのように変わるとお考えですか?」
- 「米国AIM社との業務提携は、将来的に制作スタッフの海外派遣やグローバル研修といったキャリアパスにどのような影響を与えますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社Key Holder 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- 株式会社Key Holder 2025年12月期 決算説明資料



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