0 編集部が注目した重点ポイント
① 連結営業利益は過去最高益を達成する
2025年12月期は、売上高が前年比7.8%増、営業利益が15.3%増の1,998百万円となり、過去最高益を更新しました。インバウンド需要の回復に加え、ホテル事業やバス事業での収益性向上が大きく寄与しています。徹底したコスト削減とベースアップを両立させており、筋肉質な経営体質への転換が進んでいる点は、安定した環境で働きたい転職者にとってポジティブな要素です。
② 札幌の主力ホテルを解体し再開発へ舵を切る
2026年3月に「Tマークシティホテル札幌」の営業を終了し、ホテル再開発計画を開始します。これに伴い2025年度に解体関連費用389百万円を特別損失として計上しました。一時的な減益要因となりますが、資産の有効活用による中長期的な成長を見据えた大きな構造的変化です。開発や不動産企画の知見を持つ人材にとって、新たなプロジェクトに関わる機会が拡大する可能性があります。
③ FIT向け新プラットフォームを2026年に投入する
急拡大するFIT(個人旅行)需要を取り込むため、旅行会社向けの企画・販売支援パッケージのシステム開発を推進しています。2026年中旬のローンチを目指しており、従来の団体ツアー中心からデジタルプラットフォーム企業への進化を図っています。IT・システム開発やオンラインマーケティングのスキルを持つ人材が、事業の主軸を担うフェーズにあります。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算補足説明資料 P.4
売上高
7,180百万円
(前年比 +7.8%)
営業利益
1,998百万円
(前年比 +15.3%)
当期純利益
1,385百万円
(前年比 -14.9%)
2025年12月期は、訪日外客数が過去最多の4,200万人を突破する好調な外部環境の中、営業利益1,998百万円という過去最高の実績を残しました。売上高は地震の風評被害などによる一部の伸び悩みがあったものの、ハイシーズンでの巻き返しにより着実に成長。当期純利益の減少はホテル解体に伴う一時的な特別損失によるものであり、本業の稼ぐ力は非常に強力に推移しています。
通期予想に対する進捗状況については、売上高の達成率が99.7%、営業利益の達成率は108.6%に達しており、業績は順調と評価できます。期初予想を上回る利益を創出できている点は、経営陣のコスト管理能力の高さを示しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算補足説明資料 P.7
旅行事業
【事業内容】:インバウンド向けの団体パッケージ旅行手配や、BtoB向け旅行商材販売サイト「Gorilla」を通じたFIT(個人旅行)商材の提供。
【業績推移】:売上高2,935百万円(前年比2.7%減)、セグメント利益1,140百万円(2.9%減)。地震の風評影響で微減も、4Qに急回復。
【注目ポイント】:韓国以外の地域(欧州等)の増収やFIT比率の向上が進んでいます。現在は社内業務システムの高度化による人件費抑制と生産性向上に注力しており、DXを推進できるオペレーション構築人材や、多国籍なエージェントとの交渉を担う営業人材が求められています。
バス事業
【事業内容】:子会社の友愛観光バスによる貸切観光バスの運行。インバウンド団体客の送迎や国内需要への対応。
【業績推移】:売上高2,092百万円(前年比2.6%増)、セグメント利益479百万円(10.4%増)で過去最高益を達成。
【注目ポイント】:外部への発注を減らし内製化を進めたことで利益率が向上(22.9%)。ドライバー不足という業界課題に対し、配車管理のシステム化による効率化と事務員人数の最適化を完了しています。物流・運送業界の効率化ノウハウを持つマネジメント人材にチャンスがあります。
ホテル等施設運営事業
【事業内容】:「Tマークシティホテル」ブランドを展開。札幌、東京大森、金沢など主要都市で宿泊特化型ホテルを運営。
【業績推移】:売上高3,393百万円(前年比16.6%増)、セグメント利益829百万円(62.0%増)と爆発的な成長。
【注目ポイント】:レベニューマネジメントの徹底により、ADR(客室平均単価)と稼働率がともに前年を超過。特に札幌大通や東京大森が堅調です。今後は新規ホテルの運営受託や再開発を検討しており、ホテル開発やプロパティマネジメントの専門家が必要とされています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算補足説明資料 P.17
2026年12月期の業績予想は、売上高7,131百万円(0.7%減)、営業利益1,800百万円(9.9%減)を見込んでいます。これは「Tマークシティホテル札幌」の営業終了・解体に伴う影響を織り込んだものであり、この影響を除いたベースでは8.3%の増収、1.8%の営業増益となる計画です。表面上の減益に惑わされず、実質的な成長率を見極める必要があります。
戦略面では、特定の国への依存を下げ、欧米豪や東南アジアからのインバウンド獲得を強化する「収益源の多様化」が最重要テーマです。また、2026年中旬にローンチ予定の新FITプラットフォームは、同社のビジネスモデルを大きく転換させる武器となります。IT企業を優先したM&Aの検討も示唆されており、非連続な成長を支える投資・財務・PMIの専門人材の採用意欲も高まっていくと予想されます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
インバウンド市場の圧倒的な回復を背景に、単なる旅行代理店から「旅行プラットフォーム企業」への脱却を目指している点に注目しましょう。既存の団体ツアー事業で安定した収益を上げつつ、新システム(FIT向けパッケージ)やホテル再開発といった新規プロジェクトが並行して動いています。「成熟した基盤の上で、新しい仕組みを構築したい」という意欲が評価されやすい環境です。
面接での逆質問例
・「2026年中旬稼働予定の新システムについて、現在の開発体制とローンチ後の営業展開の優先順位を教えてください。」
・「主力だった韓国市場に加え、欧州や東南アジアの比率が高まっていますが、各拠点とのシナジーを創出するための具体的な取り組みはありますか?」
・「札幌のホテル跡地再開発を含め、今後の新規ホテル開業に関する投資基準やスピード感について伺いたいです。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- HANATOUR JAPAN:2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- HANATOUR JAPAN:2025年12月期 決算補足説明資料



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