0 編集部が注目した重点ポイント
① M&AによりFA事業の基盤を拡大する
2025年7月および10月に北弘電社と北海道三菱電機販売の一部事業を譲受しました。前年は未連結のため単純比較はできませんが、このM&AはFAシステム事業の売上や利益に大きく貢献しており、地方エリアでのキャリア機会が拡大する可能性を示しています。
② SI事業推進室を新設して高付加価値化を進める
2026年4月より、全社横断的なソリューション提案を行う「SI事業推進室」を新設しました。モノ売りから自動化・課題解決力を提供するビジネスモデルへの変革を推進しており、システムインテグレーション分野で専門人材の活躍機会が拡大しています。
③ ROIC管理指標を導入して資本収益性を高める
2026年4月より、各事業部において投下資本利益率(ROIC)を管理指標として導入しました。事業ポートフォリオの変革や最適投資の仕組み構築を加速させており、効率的な経営を徹底することで中長期的な企業価値向上を目指しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.8
売上高
2,127億72百万円
前年比 -1.4%
営業利益
52億44百万円
前年比 -4.3%
経常利益
57億67百万円
前年比 -4.0%
当期純利益
52億75百万円
前年比 +12.2%
当期の通期実績においては、売上高が会社計画比で約1.0%減、営業利益が約4.7%減となったものの、経常利益は約3.0%上振れました。さらに当期純利益は、政策保有株式の売却に伴い特別利益を計上したことで、会社計画を約5.5%上回る目標以上の好調な着地を記録しています。また、当連結会計年度の期首より、有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法へ変更したことで、営業利益が77百万円増加しています。
全体の達成状況を評価すると、当初の会社計画に対して経常利益および当期純利益が明確に上振れて推移したことから、進捗状況は極めて堅調に推移したと判断できます。構造改革や投資成果が数字として表れ始めており、次期に向けた経営の足腰は非常に強固です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.6
FAシステム事業
■事業内容
サーボシステム、インバータ、NC装置を取り扱い、工場現場における省人化や自動化システムを支援する中核事業です。
■業績推移
当期の売上高は内部取引含め50,023百万円(前年比3.8%増)、セグメント利益は963百万円(同29.2%減)を記録しました。
■注目ポイント
エンドユーザー向けの回復遅れ等で利益面は苦戦したものの、販売店向けが堅調でした。今後は単にモノを売る商社から脱却し、自動化の仕組みをセット提案する方針へ舵を切るため、現場課題を解決する技術営業体制(FAE)の大幅な拡充を進めています。
冷熱ビルシステム事業
■事業内容
パッケージエアコンやチリングユニット、冷凍機、エレベーターなどを提供し、オフィスの環境改善やビル設備を支えます。
■業績推移
当期の売上高は内部取引含め36,779百万円(前年比13.4%増)、セグメント利益は2,418百万円(同32.6%増)の好決算を記録しました。
■注目ポイント
職場環境改善や暑熱対策といった社会課題の需要を的確に捉え、施設向け空調が好調を維持しました。ビルシステム分野も産業用蓄電池が寄与しており、今後はさらなる需要拡大を狙ったソリューション提案力の強化に向けて、設備に精通した技術者の採用が活発です。
X-Tech事業
■事業内容
映像・画像情報システム、メディカルファシリティ(医療情報システム)、次世代型植物工場などの先端事業を複合展開します。
■業績推移
当期の売上高は内部取引含め8,496百万円(前年比2.2%減)となったものの、セグメント利益は122百万円と黒字化を達成しました。
■注目ポイント
スマートアグリ分野で植物工場野菜のトップシェアを誇り、独自の省電力技術の応用で通期黒字転換を果たしました。オリジナルAIエージェントの構築や顧客現場への生成AI導入など、独自のITサービス開発を進めており、新規サービス事業立ち上げの機会が豊富です。
エレクトロニクス事業
■事業内容
メモリ、マイコン、パワーデバイス、素材・素形材などの半導体・電子部品を網羅し、製造業の基盤を幅広く支えます。
■業績推移
当期の売上高は内部取引含め117,507百万円(前年比7.1%減)と減収も、セグメント利益は3,345百万円(同2.3%増)と手堅く伸ばしました。
■注目ポイント
車載・民生市場は低調だったものの、国内のデータセンター向けAIサーバー関連ビジネスが好調を維持して利益を牽引しました。台湾商材を用いたソリューションビジネスも新たに立ち上がっており、国境を越えた高付加価値なグローバル事業開発のスキルを存分に活かせる環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.25
2027年3月期の通期連結業績予想として、売上高2,370億円、営業利益60億円という大きな飛躍を計画しています。前年度までに投資を行ってきた国内外でのM&Aの業績貢献や、X-Tech大型案件の収益化が本格化する見通しです。一方で、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格・物価高の影響、欧州や中国経済の成長鈍化による国内消費の冷え込みといった下振れリスクも明確に懸念事項として認識されています。
会社側は、中長期経営計画「ONE RYODEN Growth 2029 2034」の中で5年間に250〜350億円規模の成長投資目標を掲げており、人的資本の拡充や技術投資、国内外の事業アライアンスを継続する計画です。この大規模投資を本格的にリターンへ結びつけるフェーズに突入するため、中途採用における専門人材への期待感は非常に高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は従来の「プロダクトを販売する商社」という枠組みを超え、AI・IoTやデジタルツインを活用した独自のソリューションを提供する「事業創出会社」へとドラスティックに変革しています。面接では、単なる営業・技術経験のアピールに留まらず、新設されたSI事業推進室での全社横断的な提案や、高付加価値ビジネスの構築にどう貢献できるかを具体的に語るのが効果的です。また、5年間で最大350億円を投じる成長投資の収益化に並走したいという意欲を示すと、経営方針に深く合致した志望動機が形成できます。
面接での逆質問例
Q1. 新設された「SI事業推進室」では、各セグメントの強みをどのように掛け合わせて全社的なシナジーを創出していく計画でしょうか。中途採用者に最も期待される役割について教えてください。
Q2. 植物工場野菜のトップシェア獲得やAIエージェント構築など、X-Tech事業の成長が目覚ましいですが、今後の新規事業開発推進に向けた人的資本投資の具体的な注力領域を教えてください。
Q3. 各事業部で「ROICの管理指標」が導入されたとのことですが、日々のプロジェクト推進や意思決定において、この指標の導入により現場ではどのような具体的な意識変化や行動変化が生まれていますでしょうか。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
自由に商材を扱うことができる
決められた商材を売るのでなく、自由に商材を扱うことができる。積極的にチャレンジした場合は、やらせてくれる。
(20代後半・代理店営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社RYODEN 2026年3月期 決算説明会資料(2026年5月20日発表)
- 株式会社RYODEN 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日発表)



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