0編集部が注目した重点ポイント
①インテックの吸収合併により経営基盤を強固にする
長期経営方針「グループビジョン2032」の早期実現に向け、2026年7月1日付で完全子会社のインテックを吸収合併し、商号を「TISI株式会社」へ変更する方針を決定しました。グループの中核会社同士を統合することで、AI時代におけるグループ全体の高付加価値化を強力に牽引する体制を構築します。
②AI駆動型開発プロセスを全社に展開する
開発生産性の飛躍的向上とトップライン拡大を目指し、AI駆動型開発プロセスの実装を進めています。2027年3月期からは新規開発に加え、保守や品質管理の領域へもAIの適用範囲を拡大し、システム開発の質的転換と案件回転率の大幅な改善を推進しています。
③グローバルパートナーシップでASEAN展開を加速する
「ASEANトップクラスのIT連合体」の形成を目指し、海外展開を本格化させています。タイのMFEC等への出資に加え、シンガポール国立大学発のAIスタートアップへの出資も合意し、コンサルティングとITの融合による事業の高付加価値化を図りながらグローバル売上1,000億円を目指します。
1連結業績ハイライト
出典:TIS 2026年3月期 決算説明資料 P.5
売上高
5,964億7,900万円
前期比 +4.3%
営業利益
762億2,900万円
前期比 +10.4%
経常利益
765億1,100万円
前期比 +8.5%
親会社株主に帰属する当期純利益
466億2,400万円
前期比 Δ6.8%
当期の通期業績は、顧客のデジタル変革をはじめとする広範なIT投資需要を的確に捉えたことで、売上高・営業利益ともに期中に上方修正した計画を上回る実績を残しました。人材を中心とする成長投資や報酬投資を継続しながらも、高付加価値ビジネスへのシフトや不採算案件の抑制が奏功し、営業利益率は12.8%へと0.7ポイント向上しています。
当期純利益については、訴訟の和解に伴う訴訟損失引当金繰入額(74億円)や減損損失等の特別損失を計上したため減益となりましたが、本業の収益力は順調に拡大しており、今後の安定成長に向けた基盤が整っています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:TIS 2026年3月期 決算説明資料 P.35
オファリングサービス
事業内容:独自のベストプラクティスに基づく知識集約型ITサービス(決済、クラウド、セキュリティ等)を提供。
業績推移:売上高160,574百万円(前期比+10.3%)、営業利益10,442百万円(前期比+5.1%)と好調です。
注目ポイント:決済分野における先行投資を強化しながらも、エンタープライズ系案件の獲得や海外事業の寄与により増収増益を達成しました。特に次世代決済や「ステーブルコイン」の社会実装に向けた動きが活発化しており、決済インフラの進化を牽引する高度なITスペシャリストやコンサルタントが求められています。
💡 注目職種:決済ソリューションコンサルタント、クラウド・セキュリティエンジニア
BPM
事業内容:ビジネスプロセスに関する課題解決に向け、IT技術と業務ノウハウを活用したBPO等のサービスを提供。
業績推移:売上高44,092百万円(前期比+3.4%)、営業利益6,397百万円(前期比+20.1%)と大幅な増益。
注目ポイント:注力領域であるDX事業を中心とした案件獲得が想定通りに進み、コストコントロールの継続により利益率が大幅に改善(14.5%)しました。AI・DXを取り込んだ高度BPMの需要が拡大しており、業務プロセスの再設計から自動化までを提案・実現できる業務変革コンサルタントの活躍の場が広がっています。
💡 注目職種:業務コンサルタント、DX推進スペシャリスト
金融IT
事業内容:金融業界特化の業務ノウハウをベースに、事業・IT戦略の検討からシステム構築までを包括的に支援。
業績推移:売上高98,730百万円(前期比Δ1.5%)、営業利益12,729百万円(前期比+3.3%)と減収増益。
注目ポイント:前期の大型開発案件のピークアウト影響を受けたものの、Pega製品等を活用した「モダナイゼーション」などの高付加価値ビジネスの推進により増益を確保しました。金融機関の競争力強化とセキュリティ向上を支援するため、金融業務の深い知見とレガシーシステム刷新のノウハウを持つITアーキテクトやプロジェクトマネージャーへの期待が高まっています。
💡 注目職種:金融系ITアーキテクト、プロジェクトマネージャー(PM)
産業IT
事業内容:製造・流通・サービス業など、金融以外の産業分野に向けた事業・IT戦略の支援とシステム構築。
業績推移:売上高133,396百万円(前期比+4.1%)、営業利益22,507百万円(前期比+16.4%)と大きく成長。
注目ポイント:人手不足やコスト構造の変化を背景に、幅広い業種でのIT投資(ERP更改やスマートファクトリー化など)が旺盛です。不採算案件の減少も寄与し、利益率が大きく改善しました。特定業界の課題を深く理解し、データ活用やDXを軸とした解決策を提示・実装できる業界特化型コンサルタントが求められています。
💡 注目職種:インダストリーコンサルタント、ERP導入支援コンサルタント
広域ITソリューション
事業内容:地域や顧客サイトを含めた広範なITプロフェッショナルサービスを提供し、顧客課題の解決を支援。
業績推移:売上高184,238百万円(前期比+3.8%)、営業利益23,328百万円(前期比+8.1%)と着実に拡大。
注目ポイント:公共系案件での収益性悪化要因があったものの、医療系やその他産業系顧客のIT投資需要を確実に取り込みました。自治体のシステム標準化対応や医療DXなどの社会的要請が高まる中、社会基盤を支える大規模インフラの構築やネットワークソリューションの知見を持つエンジニアが不可欠な領域です。
💡 注目職種:ネットワークエンジニア、公共・医療向けシステムエンジニア
その他
事業内容:各種ITサービスを提供する上での付随的な事業等で構成。
業績推移:売上高10,397百万円(前期比+2.7%)、営業利益940百万円(前期比+7.1%)となりました。
注目ポイント:グループの事業活動を補完する領域として、安定的な収益確保に貢献しています。
💡 注目職種:ITインフラサポート、社内システム企画
3今後の見通しと採用の注目点
出典:TIS 2026年3月期 決算説明資料 P.20
2027年3月期は、売上高6,200億円、営業利益810億円を見込み、中計目標の達成に向けた投資と事業拡大を両立させます。特に注目すべきは、AIによる産業構造の変化を成長機会と捉えた戦略です。「コンサル×モダナイゼーション」による基幹システムの刷新と、「業務特化エージェント型AI」の提供を組み合わせることで、顧客企業の業務プロセスそのものを変革するストック型ビジネスの拡大を強力に推進します。
これに伴い、採用市場においても「統合的ITスキルを持つITアーキテクト」や「社会課題解決・事業創出を牽引するコンサルタント・高度営業人材」への投資を加速しています。インテックの統合という大きな節目を控え、グループの総合力を結集した大規模プロジェクトや先端テクノロジーの社会実装に挑戦したい人材にとって、絶好のキャリア形成のタイミングと言えます。
4求職者へのアドバイス
志望動機作成のヒント
TISは単なるシステム開発から脱却し、エージェント型AIと基幹システムの知見を融合した事業変革パートナーへの進化を掲げています。あなたの経験が、顧客の課題をどう深掘りし、テクノロジーを用いてどのようにビジネス価値(生産性向上や新規事業創出)へ転換できるのかを、具体的なエピソードを交えてアピールすることが重要です。
面接での逆質問例
- 2026年7月のインテックとの合併により、コンサルティング部門や特定業界向けのシステム開発部門の連携は現場レベルでどのように変わると想定されていますか?
- AI駆動型開発プロセスの全社展開が進む中で、エンジニアやアーキテクトに求められるスキルの変化について、現場ではどのような育成・支援が行われていますか?
- 決済やヘルスケア領域におけるレベニューシェア型ビジネスの展開において、技術サイドのメンバーは事業企画のフェーズからどのように関わることができるでしょうか。
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- TIS 2026年3月期 決算説明資料
- TIS 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)



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