0編集部が注目した重点ポイント
① 電子部品事業を停止しポンプ単一セグメントへ移行した
2024年12月末に電子部品事業を担う子会社・株式会社平福電機製作所の事業を停止し、当期より報告セグメントを「ポンプ事業」の単一セグメントに変更しました。前期の同事業売上1,004百万円が含まれるため前期比は単純比較できず、ポンプ事業のみでは1.5%減です。キャリア機会はポンプ事業に集約されます。
② 創業来初の社名変更でTEIKOKUへ生まれ変わる
2026年4月1日、創業来初となる社名変更を行い、帝国電機製作所からTEIKOKUへ社名を改めました。「社是を体現した働きがいのある会社へ」「成長が見込まれる新たな市場の開拓」「海外拠点の成長」などを「変わる」ポイントに掲げ、2027年4月からは見直し後の人事制度の運用も予定されています。
③ 約7億円の試験設備と新工場用地で生産力を高める
LNG(液化天然ガス)等の液化ガス需要の増加を見込み、投資金額約7億円の極低温試験設備を本社内に新設中です(2027年3月完成予定)。さらに兵庫県たつの市龍野町で約36,000㎡の工場用地(取得価額約20億円、2029年5月引渡し予定)を取得する合意書を締結し、新工場の建設を予定しています。
1連結業績ハイライト
出典:株式会社TEIKOKU 2026年3月期 決算説明資料 P.4
売上高
29,091百万円
前期比 -4.8%
営業利益
4,983百万円
前期比 -17.7%
経常利益
5,444百万円
前期比 -13.5%
親会社株主に帰属する当期純利益
4,341百万円
前期比 +13.9%
当期の売上高は、2024年12月末に停止した電子部品事業の売上(1,004百万円)がなくなったことに加え、主要市場の米国・中国でケミカル機器用ポンプやメンテナンスが減少し、前期比4.8%減となりました。営業利益は前期の高付加価値案件の反動などによる粗利率の低下で17.7%減となり、為替も売上高で294百万円、営業利益で82百万円のマイナス影響でした。一方、投資有価証券売却益868百万円などの計上により、純利益は13.9%増となっています。
通期計画に対しては、売上高が計画比5.7%増、経常利益が同6.3%増と上回り、営業利益も計画比0.3%減とほぼ計画どおりで、概ね順調な着地といえます。ただし中期経営計画の目標は翌期以降への持ち越しが見込まれ、2027年3月期の売上高目標は当初の32,000百万円から31,010百万円に修正されています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:株式会社TEIKOKU 2026年3月期 決算説明資料 P.8
ポンプ事業(全体)
事業内容:ポンプとモータが一体化した完全密閉型構造のキャンドモータポンプが主力です。無公害キャンドモータポンプで世界首位とされ、石油化学プラントや原子力発電所、変電所など幅広い分野で使われています。
業績推移:電子部品事業を除いた比較で売上高は前期比1.5%減です。主力のケミカル機器用が1.3%減、メンテナンスが4.1%減の一方、定量注入機器は18.2%増、冷凍機・空調機器用は6.0%増でした。
注目ポイント:脱炭素市場向けの受注は合計3,203百万円で、うち水素・アンモニアやバイオ燃料などの燃料関連は前期比30.8%増と伸長しました。新燃料船舶(メタノール)向けやCCS/CCUS(CO₂の分離・回収・利用・貯蔵)向けの受注を獲得し、海事産業の国際展示会「SEA JAPAN」に初出展するなど、船用業界への本格参入を目指しています。漏れない・高耐久という特性を新用途に展開できる技術人材が求められる背景です。
日本
事業内容:本社工場を中心に、国内子会社の株式会社帝伸製作所や上月電装株式会社とともに、ポンプの製造・販売とメンテナンスを担っています。
業績推移:売上高は8,974百万円(前期比12.2%減)ですが、電子部品事業を除くと2.6%減にとどまり、計画比では増収でした。半導体機器向けの受注が堅調でした。
注目ポイント:横ばいが続く中でも新燃料船舶向けなど新市場の受注を獲得しており、今後も新市場向けを伸ばす方針です。極低温試験設備の新設や新工場の建設計画に加え、AI等のIT技術活用を推進するシステム推進課を設置し、DX人材育成と設計リードタイムの短縮を図っています。2027年3月期は原材料高や販管費増加で増収減益を見込んでおり、生産効率の向上を担う人材の重要性が高まっています。
欧米
事業内容:米国のTEIKOKU USA INC.、欧州のTEIKOKU ELECTRIC GmbHを拠点に、製品販売とメンテナンスを展開しています。
業績推移:売上高は7,557百万円(前期比6.1%減)です。米国でメンテナンスの減少と前期の原子力向け大型案件の反動減があった一方、欧州は堅調に推移し、ほぼ計画どおりでした。
注目ポイント:米国は高金利や関税政策の不確実性で設備投資が控えられましたが、足元は回復傾向にあります。米国規格準拠製品の現地ノックダウン生産(部品を現地で組み立てる生産方式)も始まり、2027年3月期の欧米売上高は11.9%増の計画です。一方で同製品の販売開始の遅れが中期経営計画未達の内部要因とされており、市場深耕を進める海外営業・技術支援の役割は大きいといえます。
アジア
事業内容:大連帝国キャンドモータポンプ有限公司、HYDRODYNE TEIKOKU(INDIA)PVT. LTD.、TEIKOKU KOREA .CO.,LTD.、TEIKOKU SOUTH ASIA PTE.LTD.、台湾帝国ポンプ株式会社などが拠点です。
業績推移:売上高は12,558百万円(前期比2.3%増)と3地域で唯一の増収です。中国は減少したものの中国以外が堅調で、計画比では1,528百万円上回りました。
注目ポイント:中国市場の減速と競争激化、中国競合企業のアジア市場進出が課題とされる一方、インド市場が成長しつつあり、地域のリスク分散を図る方針です。2027年3月期はインド工場増設に253百万円を投じる計画で、アジア全体では中国・韓国の増収により4.7%増収を見込みます。海外売上高比率は75.3%に達しており、グローバルに活躍したい人材にとって経験を積みやすい環境です。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:株式会社TEIKOKU 2026年3月期 決算説明資料 P.29
2027年3月期は売上高31,010百万円(前期比6.6%増)、営業利益5,020百万円(同0.7%増)を計画しています。高水準の受注残の継続や米国市場の回復傾向、円安(計画レート1US$=155.0円)が増収の前提です。一方で原材料価格の上昇や人件費・研究開発費などの販管費増加により営業利益は横ばいとなり、前期の特別利益の反動で純利益は13.6%減の3,750百万円を見込みます。中東情勢の緊迫化や、日本における有機溶剤等の一部資材の調達難も懸念材料に挙げられています。
次期中期経営計画では「船舶分野等のケミカル分野以外への用途拡大」「M&A等を活用した非オーガニックな成長の模索」「グローバルでの設備投資」「成長戦略と連動した実行力の高い組織づくり」を軸に検討を進め、第2Q決算発表時に骨子案を公表する予定です。自社課題として人的リソース不足と従業員エンゲージメント向上が明記されており、変革期の組織を支える人材の採用ニーズは今後も続くと考えられます。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
- 完全無漏洩構造のキャンドモータポンプで世界首位という技術力と、防爆規格やフルカスタマイズなど参入障壁の高いものづくりに携われる点を軸にする。
- 水素・アンモニア、CCS/CCUS、新燃料船舶など脱炭素社会に貢献する新市場の開拓に関わりたいという意欲を、具体的な用途と結びつけて語る。
- 創業来初の社名変更と「変わるぞTEIKOKU」のメッセージに共感し、変革期の当事者として組織づくりに貢献したいという姿勢を示す。
面接での逆質問例
- 次期中期経営計画で掲げるケミカル分野以外への用途拡大に向けて、船舶分野などの新市場開拓を担う部署ではどのような人材が求められていますか。
- 2027年4月から運用予定の新しい人事制度では、評価やキャリアパスの考え方がどのように変わる予定でしょうか。
- 米国規格準拠製品の現地ノックダウン生産の開始に伴い、日本の技術・生産部門が海外拠点を支援する機会はありますか。
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
営業と工場の温度差が激しいように感じます
営業と工場の温度差が激しいように感じます。 人数が少ないため、ジョブローテーションを行うことがなく、各々の仕事の中身が分からないことが原因と思われます。 もう少しジョブローテーションを行い、社内の活性化を図る方が良いと思います。
(プリセールス・30代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]客からの製品評価も高く、そのおかげで大型受注につながる
世界シェアNo.1の製品を売っているため、やりがいは感じます。 顧客からの製品評価も高く、そのおかげで大型受注につながることも。
(プリセールス・30代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社TEIKOKU 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社TEIKOKU 2026年3月期 決算説明資料



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