アステラス製薬の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
医薬品業界を常にリードしているアステラス製薬は、2005年、山之内製薬と藤沢薬品の合併により発足しました。大型合併が続いた日本の製薬会社の中でも、売上高を伸ばして成長が際立っている企業で、強みである泌尿器系領域に加えて、筋疾患や眼科といった新領域での新薬開発にも力を入れています。また、売上高の約6割を海外が占めており、今後もグローバル事業の拡大を目指しています。
一方、大型合併により発足した企業ならでは風土も根強く、口コミでは「もともとの企業文化の違いから、お互いこれまでのやり方に固執しやすい傾向がある」「どちら出身の上司に配属されるかによって、上司うけが違ってくる」といった声も見られます。合併前のそれぞれの企業カルチャーが並走しており、アステラス製薬としての新しい社風を構築していく最中であることから、臨機応変な環境適応が求められます。
仕事の進め方は「成果主義」であるという声が多く、若いうちから大きな裁量の仕事を任されることもあるようです。がんばった分だけ評価され、色々なことにチャレンジできる環境である一方、製薬業界内で近年多く見られるリストラは、アステラス製薬も例外ではありません。社内での生き残りをかけた戦いは、シビアであるといえるでしょう。
給与条件は業界内でもトップクラスで、福利厚生の充実ぶりも高評判。「ファミリーフライデー」である金曜日は16時までの勤務とするなど、社員を大切にする風潮があります。オンとオフのメリハリを利かせながら、日々変化する医療の最先端に立ち、新薬ビジネスを中心に常に新しい価値を創造する。採用面接でももちろん、こうした社風にマッチする人材かどうかを見極められることになるでしょう。
■選考は何次まで?
アステラス製薬の選考プロセスは、書類選考と2回以上の面接です。面接を担当するのは人事部、若手も含めた現場社員や執行役員で、選考期間は2週間~1ヵ月程度です。
募集職種は製薬研究職、技術研究職、開発職(臨床開発職、信頼性保証職)、MR職と多岐に渡ります。比較検討した上で、その中でもなぜその職種に応募するのかを明確にし、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
グローバル事業に力を入れていることもあり、途中から英語面接に切り替わったというケースもあるようですので、落ち着いて臨機応変に対応ができるように準備しておくと良いでしょう。
■面接内容の傾向は?
アステラス製薬の面接の雰囲気は和やかで、志望動機やこれまでの経歴についてなど、ごく一般的な質問を多く聞かれる傾向があります。社名のアステラスが「明日を照らす」にかけられていることから、「あなたが『明日を変えた経験』について教えてください」という質問が出されたり、自身の性格を分析した上で答えるような問いかけもあったりするなど、人間性を重視していることも伺えます。
一方、製薬業界ならではの具体的な質問をされるケースもあります。アステラス製薬は、広域の新薬の研究開発を行う「広域創薬型新薬メーカー」であるため、「なぜ新薬に携わりたいか」「領域特化型ではなく、広域を選ぶ理由は何か」といった質問が出てくることもあります。近年ジェネリック医薬品が伸びてきている背景にも考慮して、その中でもなぜアステラス製薬を志望するのかということを、自分の言葉で説明できるよう準備しておきましょう。
アステラス製薬の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
アステラス製薬の面接攻略法(面接対策)
■アステラス製薬の行動指針を理解した上で自己分析をする
アステラス製薬の面接を受ける上では、経営理念を理解しておくことが不可欠です。経営理念は「存在意義」「使命」「信条」の3つのパートから構成されていますが、その中でも特に社員の行動指針にあたる「信条」について、理解を深めておくことが大切です。
【アステラスの信条】
アステラスの「信条」は、私たちが常に大事にする行動規範です。
アステラスは、これらの信条に共鳴し実践する人々の集団であり続けます。
<高い倫理観>
常に、高い倫理観をもって、経営活動に取り組みます。
<顧客志向>
常に、お客様のニーズを把握し、お客様の満足に向かって行動します。
<創造性発揮>
常に、現状を是とせず、未来志向で自己革新に挑戦し、新しい価値を創造します。
<競争の視点>
常に、視野広く外に目を向け、より優れた価値を、より早く生み出し続けます。
これは、アステラス製薬の企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営理念に合致する人材であることをアピールしましょう。
例えば、薬の開発領域やジェネリック薬品の浸透等も踏まえた製薬業界の全体像をしっかりと捉え、新薬開発が担う社会的役割について自身の考えを述べることは、<高い倫理観>や<顧客志向>、<競争の視点>の総合的なアピールにつながります。特に、競合他社の動向も踏まえたアステラス製薬への志望動機を具体的に語ることで、<競争の視点>を強調することができるでしょう。
また、これまでのキャリアの中で、積極的かつ革新的に研究開発に取り組んだエピソードを紹介することで、<創造性発揮>の側面も伝えることができます。これらをしっかりと押さえた上で、自身の専門性をアピールし、熱意をしっかりと伝えられるように準備しましょう。
■「なぜアステラス製薬に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
アステラス製薬の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜアステラス製薬か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、アステラス製薬という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 武田薬品工業株式会社
- 第一三共株式会社
- 大塚製薬株式会社
特に、同じ「広域創薬型新薬メーカー」である武田薬品工業をライバル視する声は口コミでも多く見られるため、よく研究しておくことが大切です。
アステラス製薬の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、アステラス製薬の採用面接を受ける前には、行動指針に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、大型合併の影響で複数の企業カルチャーが並走しているという風土を踏まえ、臨機応変に環境適応していけることをアピールしつつ、これまでの経験から成果をあげられることも併せて伝えられるように準備しておきましょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えられるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
30歳男性/研究開発【結果:1次面接で不採用】
25歳男性/研究開発【結果:結果待ち】
24歳男性/研究開発【結果:入社】
28歳男性/営業【1次面接で不採用】
アステラス製薬の採用面接に向けて
アステラス製薬の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 大型合併によって発足した企業ならではの社風を理解して、様々な価値観が共存する中でも臨機応変に環境適応し、新たな価値を創造していけることをアピールする。
- アステラス製薬の行動指針を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜアステラス製薬か」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
大学を卒業後、ビル衛生管理業務会社に入社。人事部で新卒採用を担当。選考会から内定者フォロー業務に従事。