野村総研の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
野村総合研究所(以下、野村総研)は、1965年に日本初の民間シンクタンクとして創業しました。その後、1988年にシステム開発会社である野村コンピュータシステムと合併したことから、コンサルティング事業だけでなくITソリューション事業でも大きな成果を上げています。
野村総研では、企業理念として「未来創発」を掲げ、社会を進化させる新しいビジネスモデルを創り出すことを使命としています。身近なところではマイナンバーやNISA、大手コンビニの情報システムなどを手掛けており、その理念の通り、世の中を変える仕組みを数多く創り出してきました。
これを実現可能にしているのは、コンサルティングとソリューション開発を高次元で融合させる「ナビゲーション×ソリューション」という独自手法です。野村総研の事業は「コンサルティング」「金融ITソリューション」「産業ITソリューション」、「IT基盤サービス」の4つの分野に分かれており、全社員がそれぞれの分野のプロとして専門性を磨いています。そして徹底して顧客の立場に立つDNAと強いチームワークが、その独自手法を支えているのです。社員の口コミからも「技術力が高い人が多い」「自身の成長が望める、刺激的な環境」「業務のプロになれる」といった声が多く、職場環境への満足度が高いことが伺えます。
顧客は官公庁や大企業が多く、社会的インパクトの大きい業務を担当することが多いNRI。「上流工程のため、業務を進める上での制約が少ない」「他のコンサルティング会社と比べて責任範囲が広いと同時に自由度も高い」「若手でも意見を求められる」「若手の意見を吸い上げようという意識が高い」という口コミが多く見られ、仕事の進め方として「個人の裁量が大きく、比較的自由に仕事を進められる」という社風が伺えます。一方で、クライアントに対しては「社内の全組織的に対応して、組織力で勝負しようとする」という側面もあるため、一定のチームワークも求められるようです。
大規模なプロジェクトを、大きな裁量をもって任されるということもあり、時に「多忙で、ワークライフバランスがとりづらい」「障害発生時には休日・深夜でも対応は必須」ということもあるようです。しかし基本的には裁量勤務制で、「何時に来てもいいし、何時に帰ってもいい。完全に自分次第。怠慢な人には向いていないが、自分で自分をしっかりとコントロールできる人には最高の職場」という声も見られるなど、オンとオフのメリハリをつけながら業務に打ち込む社員が多いようです。
全社員が担当分野のプロとして、高い専門性と責任感を持ちながら自由に意見を交わし合い、社会を進化させるための新たな仕組みを創出する。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
野村総研の中途採用プロセスでは、書類選考後、適性検査および3回の面接が行われます。1次面接は人事担当者、2次面接は現場社員の部課長クラス、最終面接は人事部長が担当します。所要期間は2週間~1ヶ月と、比較的短期間で選考が行われます。
「コンサルティング」「金融ITソリューション」「産業ITソリューション」「IT基盤サービス」の4つの事業領域を軸にに募集されるほか、本社スタッフやエリア職システムエンジニア(札幌・福岡)での募集も行われます。また、担当業界や技術領域/ポジションによってさらに職種が細分化されており、システムエンジニア/システムコンサルタントにおいては、アジア圏を中心とした海外駐在ポジションが設定されていることも特徴です。このように職種は多岐に渡るため、募集職種の全体像を把握した上で、「その中でもなぜその職種に応募したのか」という点を明確に説明できるようにしておきましょう。
■面接内容の傾向は?
面接内容には、「プロとして高い責任感を持ち、自由に意見を交わす」という社風が大いに反映されています。「あなたの短所を5つ挙げてください」「あなたを一言で表すと?」「10分間を自由に使ってください」といった質問が目立ち、聞かれたこと対する回答内容だけでなく、話の組み立て方や全体的な論理性、自ら積極的に意見発信できる人材かどうかという点も問われていることが伺えます。
また、コンサルタントとしての力量を試すためのケーススタディも多く実施されています。内容は、「日本で年間いくつのメガネが売られているか」というように、具体的事例を通して論理的思考力を試すものから、「一辺の長さが1の正四面体の体積は?」というような瞬発力を試すものまで多岐に渡ります。「ある程度トレーニングしておかないと、当日に焦る」という口コミもあるため、しっかりと対策しておく必要があるでしょう。
野村総研の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します
野村総研の面接攻略法(面接対策)
■野村総研のビジョン・ステートメントを理解した上で自己分析をする
野村総研の面接を受ける上では、「Share the Next Values」と呼ばれるビジョン・ステートメントを理解しておくことが不可欠です。
●Share
NRIグループ内外の多様な人材が手を携えて総力を結集し、お客さまとともに活力ある未来社会づくりに貢献して、成果と喜びを分かち合います。
Shareとは、関係性の広がりと濃密さの代名詞です。より広く、より深く共創し、連携しあえるパートナーとして認められるよう私たちは努めます。
●Next
時代先取りの精神で、グローバルへ、デジタルへ、未来の領域へと踏み出していき、次代に向けた新たなビジネスモデルを創造します。
Nextとは、次代へ向けたパラダイムの洞察です。より先へ、よりダイナミックに未来を想像し、お客さま、そして社会をナビゲートしていけるよう挑戦します。
●Values
自らの強みを磨き、社会とお客さまへの様々なサービス提供を通じて価値を創造し、未来志向の新たなビジネスモデルを生み出していきます。
Valuesとは、「真に意味あるイノベーション」の実現によって生み出される全く新しい価値であると同時に、その実現のために活躍する多くの人々の異なる価値観を意味しています。社内外の多様な人材の力で「活力ある未来社会」を実現し、将来の世代につないでいきます。
これは、野村総研の企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこのビジョン・ステートメントに合致する人材であることをアピールしましょう。
「コンサルティング」「金融ITソリューション」「産業ITソリューション」「IT基盤サービス」の4つの事業領域に分かれている野村総研では、それぞれの強みを活かした上でのチームワークが重視されます。現在の職場で、自身のチームメンバーや関係部署、クライアントを巻き込みながらプロジェクトを進めたエピソードは、「Share」のアピールにつながります。
また、「未来創出」を企業理念として、世の中を変える仕組みを数多く創り出してきたNRIの考え方は、「Next」「Values」にも強く表れています。世の中のマーケット動向をしっかり把握した上でのビジョンや、それを踏まえた新たな価値創造、それを具体的業務に落とし込んでいくうえでの行動力や実績などを交えつつ、野村総研の考え方を意識した志望動機を伝えることも、大きなアピールになるでしょう。
■「なぜ野村総研に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
野村総研の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ野村総研か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、野村総研という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
- 株式会社日本総合研究所
- みずほ情報総研株式会社
野村総研の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、野村総研の採用面接を受ける前には、行動指針に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、プロとしての高い専門性と責任感を持ち、自由に意見を交わし高め合うという社風を意識して、チームワークを発揮しながら新しい価値を創出してきたエピソードを紹介すると良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
23歳男性/システムエンジニア【結果:3次面接で不採用】
23歳男性/経営幹部【結果:入社】
26歳男性/経営コンサルタント【結果:3次面接で不採用】
24歳男性/プロジェクトマネージャー【結果:2次面接で不採用】
野村総研の採用面接に向けて
野村総研の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 高い専門性と責任感を持ち、自由に意見を交わし高め合うという社風を理解して、プロ意識と積極性、論理的思考力を兼ね備えた人材であることをアピールする。
- 野村総研のビジョン・ステートメント「Share the Next Values!」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ野村総研か」に対する答えを明確にしておく。
野村総合研究所を始め、外資系または高年収確定のハイクラス求人の転職をより確実に成功させたい方はグローバルウェイ・エージェントがお手伝いします(登録フォームに飛びます)。費用は一切かかりません。よろしければぜひご相談ください。
グローバルウェイ エージェントについてお知りになりたい方はこちらのサイトをご覧ください。こちらからでも登録できます。
「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
野村総合研究所(NRI)への転職チャンスをものにする【コンサル&SIer】
https://corp-research.jp/articles/6269年間4000万人のビジネスパーソンが利用する企業口コミサイト「キャリコネ」の転職エージェントがお勧めするイチオシ企業をご紹介します。今回は、ITコンサルティングとシステムインテグレーションに強い野村総合研究所(NRI)を取り上げます。
東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。