ヤフーの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
1996年に設立したヤフーは、数多くのベンチャー企業が林立するインターネット業界で、楽天とならび国内2強という圧倒的なポジションにあります。「課題解決エンジン」を企業ミッションに掲げ、情報技術による様々な課題解決を通して社会貢献することを目指しており、展開するサービスも100以上。インターネット広告事業、オークションやショッピング等のイーコマース事業、金融事業などを中心に、日本最大級の利用者規模を有しています。
関わる事業規模の大きさは社員のモチベーションにもつながっていて、口コミでも「ユーザー数が他企業とは桁違い」「社会的に認知されている企業であるため、利用者が多いことがやりがい」「PV、ユーザ数、ソーシャル上での評判など反響があり、やりがいを感じられる」といった声が目立ちます。
また、「仕事自体は時代の潮流に乗っているものばかりで面白い」「個人的に行っていた改善活動をきっかけで、まったく違う分野の仕事を任せられるようになり、その後のキャリアが良い方向にシフトした」「思いつきで提案を行って実際に採用になったことがある」という口コミからも分かるように、ベンチャースピリットを大切にしていて、時代を先駆けた事業展開スピードが速いのが特徴です。その一方で、「意思決定プロセスが複雑」「会社組織も大きく内部の調整にも時間がかかり、決まったことを決まった範囲でしかできない」「サービスリリースまでに時間がかかる」というように、大企業ならではの一面もあるようです。これらのことから、「ベンチャー気質を持つ大企業」という二面性を合わせ持った風土であると言えるでしょう。
設立からの歴史が比較的浅いからこその「フラットな組織」ではありますが、人材育成については「人を育てて使う感じの職場では全くない」「中長期的に人材を育成する風土がない」という声もあります。しかし、ヤフーには旧来の発想にとらわれないユニークな制度が数多く存在していて、社内のクリエイターコミュニティーやスキルアップの仕組みとしても機能している対外イベント「Hack Day」や、専門性に優れた社員を認定する「黒帯制度」などが代表的です。
また、上司と部下で週1回面談を行う「1on1ミーティング」や、社内異動申告制度「ジョブチェン」、役職者全員で社員一人ひとりの育成を話し合う「人財開発会議」など、独自の人材育成制度も整備されています。「年齢や経験に関係なく、やりたいことに挑戦できる」「主体性ある人が評価される、風通しのよい職場」という口コミからも分かるように、社員の主体的な挑戦を支援する風土が根付いているようです。
主体的かつ自由に挑戦できる風土の中で、「課題解決エンジン」としてのミッションに向かってスピーディーに業務に取り組み、情報技術をもって社会貢献する。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
ヤフーの中途採用プロセスでは、書類選考後、筆記試験・適性検査および基本的に2回の面接が行われます。1次面接は現場社員のマネージャークラスと人事担当者、最終面接は現場社員の役員・部長級と人事担当者によるものです。職種によっては面接が3回行われることもあるほか、30分間程度と比較的短時間で行われるケースもあるようです。
雰囲気は和やかである場合が多いようですが、「矢継ぎ早に質問が飛んでくる」との口コミもあり、柔軟に対応する能力が問われるようです。また、一次面接の際に会社説明の時間も設けられるなど、双方向のコミュニケーションの場としても活用されています。
エントリーに「ポテンシャル採用」と「キャリア採用」の2つの入り口があることが特徴で、「ポテンシャル採用」では新卒/既卒/就業経験を問わず、入社時30歳以下の人が対象となります。「キャリア採用」は、これまでのキャリアや専門性を活かした募集という位置づけです。
こうした分類のもと、さらに開発担当の「ENGINEER」や「DESIGNER」、コーポレートスタッフおよび営業・企画担当である「BUSINESS」の3つの職種に分別され、さらに専門領域によっても細分化されます。いずれの職種においても、応募者のキャリアに適したポジションが出てきた際に選考情報を受け取る「オープンポジション」の仕組みがあることも特徴的です。
■面接内容の傾向は?
面接内容には、「主体的かつ自由に挑戦させる」という社風が大いに反映されています。「今あるサービスを変えるなら、どう変えるか」「ヤフーの膨大なデータを使って何をしたいですか?」といった質問に代表されるように、事業内容についてしっかりと把握しているかどうかを確認することはもちろんですが、入社後に主体的に事業を進化させられるビジネスセンスを持つ人材かどうかも、見極めていることが分かります。
また、「5分間で自己PRをしてください」「これまでのキャリアを2分で説明してください」というように、限られた時間で論理的に説明する能力を問う質問も数多く見られます。「自分を野菜に例えると?」「あなたを都道府県で例えると?」といった意表をついた質問をされる場合もあるため、どんな質問に対しても臨機応変に答えられるよう、しっかりと対策しておきましょう。
ヤフーの面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
ヤフーの面接攻略法(面接対策)
■ヤフーの行動指針「ヤフーバリュー」を理解した上で自己分析をする
ヤフーの面接を受ける上では、「ヤフーバリュー」と呼ばれる行動指針を理解しておくことが不可欠です。
バリュー - Value -
日本のあらゆる課題をインターネットの力で解決し続けていくために、「従業員がどのような価値を大事にし、いかに仕事をすべきか」を5つのヤフーバリューとして掲げています。
「All Yahoo! JAPAN」
「個のチカラ」
「発見・提案・改善」
「圧倒的当事者意識」
「やりぬく」
ヤフーバリューを体現し、常にユーザーのために進化し続けていく存在でありたいと考えています。
これは、ヤフーの企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの「ヤフーバリュー」に合致する人材であることをアピールしましょう。
例えば、自身の専門性を磨くために工夫を重ねて取り組んできたエピソードは、「個のチカラ」のアピールとなります。そしてそのチカラを活用して、世の中の課題を見出し、それを解決するためのプロジェクトを企画・遂行したエピソードがあれば、「発見・提案・改善」「やりぬく」のアピールにつながります。チームワークを発揮して困難を乗り越えてきたエピソードを加えることで、「All Yahoo!Japan」の精神につながるような側面もアピールすることができます。
また、主体性を大切にする社風のヤフーでは、「圧倒的当事者意識」は欠くことのできない要素です。全てのエピソードにおいて、「自分はどう考えて取り組んだのか」「実際に当事者として何をしたのか」という視点を織り込むことで、「圧倒的当事者意識」を持った行動力をアピールすることができるでしょう。
■「なぜヤフーに転職したいのか」の明確化には他社研究を
ヤフーの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜヤフーか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、ヤフーという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 楽天株式会社
- グーグル合同会社
- LINE株式会社
ヤフーの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、ヤフーの採用面接を受ける前には、行動指針に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、主体的かつ自由に挑戦させる社風を意識して、自身の専門性を磨くと共にチームワークを発揮して、当事者意識をもって挑戦してきたエピソードを紹介すると良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
22歳男性/ビジネス【結果:入社】
24歳女性/マーケティング【結果:1次面接で不採用】
34歳男性/Web関連職【結果:1次面接で不採用】
33歳男性/プロジェクトマネージャー【結果:入社】
ヤフーの採用面接に向けて
ヤフーの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 主体的かつ自由に挑戦させる社風を理解して、当事者意識やビジネスセンス、論理的思考力を兼ね備えた人材であることをアピールする。
- ヤフーの行動指針「ヤフーバリュー」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜヤフーか」に対する答えを明確にしておく。
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東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。