味の素の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
食品メーカー大手であり、高い知名度を誇る味の素。その成功の原点は、社名でもあるうま味調味料「味の素」の誕生にあります。「粗末な食事を少しでもおいしく食べたい」という、当時の日本をとりまく食事情から生まれたこの商品は大ヒット。その後も、調味料や加工食品、甘味料、アミノ酸含有食品、栄養ケア食品、飲料、サプリメント、化粧品に至るまで、幅広い事業をグローバルに展開しています。現在は35の国・地域に拠点を置き、「食」と「健康」を通じて社会課題の解決に貢献しながら、事業拡大と地域社会との共生を目指しています。
口コミでも「店頭で自社商品をみることでモチベーションが高まる」「みんなの関心ごと、楽しみの一つである食に深くかかわれることにやりがいを感じる。」「自分がかかわった商品が世に出たり、味付けの役に立ったりするとうれしい」という声が多く、人々の生活に直結する仕事だからこその親しみやすさや、モチベーションを感じる社員が多いようです。
海外にも「AJINOMOTO」という商品が根付くほどグローバル展開している味の素ですが、仕事の進め方においては保守的な側面も見られます。口コミでも「横並び(年功序列)、慎重、合意形成に時間を有する」「社歴重視の年功序列制度」「歴史のある会社なだけあって真面目でコツコツと働く人間が最も重宝されているイメージ」「ベンチャー企業のようにバリバリと野心をもって働いていきたい人には向かないかもしれない」「海外への比率は高いが、新しいものを作り出そうという意識を持っている人が少ない」「官僚的な人にはマッチするが、型にはまるのが苦手な人には進められない」などの声が多く、革新的というよりは、古典的な日本企業らしい一面があると言えます。
一方で、「社員をしっかりと教育する風土」「会社の体力があり人員にも余裕のある会社」「この会社はやさしいいい人ばかり」「福利厚生は良いと思う。やはり大企業なので大変素晴らしい」「女性も結婚後、仕事を続けるケースが多い」という声も見られるなど、大企業ならではの組織力には定評があります。
しっかりとした組織力の中で、人々の生活に直結する仕事にやりがいを感じながら携わり、「食」と「健康」を通じて社会課題の解決に貢献する。面接でももちろん、こういった社風とマッチする人材であるかが見極められます。
■選考は何次まで?
味の素の選考プロセスは、書類選考と2回以上の面接です。面接官は人事部を中心とし、応募部署の管理職社員とその上司が担当するケースが多いようで、間にWebテストが入ることもあります。選考期間は、2週間から1ヵ月程度です。
募集職種は、「R&D、生産技術」「セールス&マーケティング」「コーポレート」の大きく3つに大別されます。「R&D、生産技術」は研究、製品開発、技術開発、企画、エンジニアリング、品質保証、知的財産に、「セールス&マーケティング」は国内営業、海外営業、営業企画、マーケティングに、「コーポレート」は財務、経理、人事などに細分化されます。自分の経歴や専門分野とマッチする応募先を明確にし、なぜその職種に応募したのかという点を明確に説明できるようにしておきましょう。
また、応募職種によっては、面接の中で応募者からの逆質問が求められることもあるようです。十分な職種理解が必要となりますので、しっかりと準備しておきましょう。
■面接内容の傾向は?
味の素の面接では、「しっかりとした組織力の中で、やりがいを感じながら人々の生活に直結する仕事に携わり、『食』と『健康』を通じて社会課題の解決に貢献する」という社風が大いに反映されています。「味の素が成長するにはどうしたらよいか」「味の素をどのようなブランドにしたいか」という質問が多く出されるため、業界研究を踏まえた企業研究をしっかりとして、自分なりの考えをまとめておくことが大切です。
また、志望動機などのベーシックな質問に加えて、「普段料理をするか」という問いやレシピについての質問など、食品業界ならではの切り口が求められることもあります。「食」や「健康」について、普段からどのような考えを持っているのか、自分の言葉で順序立てて伝えられるようにしておきましょう。
味の素の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
味の素の面接攻略法(面接対策)
■「味の素グループWay」を理解した上で自己分析をする
味の素の面接を受ける上では、「味の素グループWay」と呼ばれる行動指針を理解しておくことが不可欠です。これは味の素グループ共通の価値観、仕事をする上での基本的な考え方、姿勢であり、以下の要素で構成されています。
「味の素グループWay」
味の素グループ共通の価値観、仕事をする上での基本的な考え方、姿勢です。
●新しい価値の創造 Create New value
独自性のある技術とサイエンスに基づき、新しい発想と継続的革新で価値を創造します。
(技術に裏打ちされた商品価値の創造、新しい食生活の提案)
●開拓者精神 Pionner Spirit
新しい事業、新市場の開拓に常に挑戦し続けます。
(現場レベルの粘り強い知恵と努力の積み重ね)(地域文化や市場に適合した市場創造)
●社会への貢献 Social Contribution
常に謙虚で誠実な態度で社会の要請を受け止め、事業活動を通じた社会的な価値の最大化を目指します。
(社会的課題の解決)(地球環境の改善)(安全と安心)(信頼されるものづくり)(公正、公平、透明、簡素)
●人を大切にする Value People
味の素グループの事業に参加するすべての人の人間性を尊重し、その人が成長し、能力を最大に発揮できる集団になります。
(活躍の場の提供)(育成・支援・フォロー)(構成な評価)(チームワーク)
これは、味の素の企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの行動指針に合致する人材であることをアピールしましょう。
グローバル企業である味の素は、世界の「食」と「健康」に目を向けています。例えば、海外に行ったことがあれば、その地での食文化や伝統料理に触れた経験、そこで感じたことや、考えられる新規提案などを伝えることによって、味の素グループWayの「新しい価値の創造」や「開拓者精神」にもつなげることができます。これまでのキャリアの中で新しい視点から提案したことや、その実現に向けて地道に努力したことなどがあれば、具体的なエピソードとして紹介することで、より強くアピールすることができるでしょう。
また、誠実な振る舞いにより貢献できたこと、地道な努力により信頼を勝ち得た体験や、チームワークを発揮したことエピソードがあれば、「社会への貢献」「人を大切にする」に絡めたアピールをすることができます。
全体を通して、「しっかりとした組織力の中で、人々の生活に直結する仕事にやりがいを感じながら携わり、『食』と『健康』を通じて社会課題の解決に貢献する」という社風を意識し、描くビジョンと具体的な仕事の進め方を合わせて説明することができれば、より筋の通ったアピールとなるでしょう。
■「なぜ味の素に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
味の素の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ味の素か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、味の素という企業についてしっかり理解する。そのためには競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 明治ホールディングス株式会社
- 日清食品ホールディングス株式会社
- 株式会社ニチレイ
- キューピー株式会社
- 日本ハム株式会社
味の素の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、味の素の採用面接を受ける前には、味の素グループWayに基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「しっかりとした組織力の中で、人々の生活に直結する仕事にやりがいを感じながら携わり、『食』と『健康』を通じて社会課題の解決に貢献する」という社風を意識して、社会貢献のために地道に努力を続けながら、新しい価値を創造するためにチームワークを発揮して取り組める人材だと印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
29歳男性/ルートセールス【結果:入社】
26歳女性/研究開発【結果:二次面接で不採用】
26歳男性/代理店営業【結果:入社】
27歳男性/研究開発【結果:一次面接で不採用】
味の素の採用面接に向けて
味の素の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「しっかりとした組織力の中で、人々の生活に直結する仕事にやりがいを感じながら携わり、『食』と『健康』を通じて社会課題の解決に貢献する」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- 味の素グループWayを理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ味の素か」に対する答えを明確にしておく。
グローバルウェイ エージェントについてお知りになりたい方はこちらのサイトをご覧ください。こちらからでも登録できます。
「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
大学を卒業後、ビル衛生管理業務会社に入社。人事部で新卒採用を担当。選考会から内定者フォロー業務に従事。