目指すは年間総労働1800時間
味の素は、主力のうま味調味料のほか、風味調味料や冷凍食品、加工食品や飲料など幅広い商品を取り扱っています。東南アジアを中心に、北米、南米、欧州などグローバルに展開しているところも魅力です。
社員の労働環境にも配慮しているところもポイントが高いでしょう。2017年4月から就業時間を20分短縮して前倒しし、午前8時15分から午後4時30分としています。
フレックスタイムやリモートワーク、育児のための在宅勤務を利用する社員も増えており、年間総労働時間1800時間を目標に掲げています。
企業口コミサイト「キャリコネ」には、現役社員・OBOGが会社の内情について書き込みを残しています。法人営業を担当していた30代男性社員は、会社の働きやすさを高く評価しています。
残業をなくそうとしているし、有給休暇取得を促すようになっている。育児休暇などの制度もしっかりと存在しており、産後の復職率も高い。制度だけがある会社とは違い、しっかりと機能しているのも大変魅力的(2018.6.12)
別の男性社員も「プライベートと仕事との両立は図れる」としています。
残業は部署によって異なりますが、ほとんどの部署は定時くらいで帰れるのではないでしょうか。同期社員から残業がきつくて辛いなどということは聞いたことがありません(2018.5.10)
サービス残業もダラダラ残業もNG
労働時間の削減については「サービス残業などもなく、特に気になるようなことはない」と好感を持つ社員がいる一方で、技術職の30歳男性社員はやや納得がいかないようです。
残業がなくなったので、残業代が減って苦しい。残業時間は月によってばらつくが平均20時間未満(2018.6.16)
残業時間が月平均20時間未満ということは、1日あたり1時間未満ということ。終業時間になったらサッとあがらなければなりません。サービス残業がない代わりに、ダラダラ残業もできません。
医療系の部署で働く29歳男性も、同様に「残業代が減って苦しい」と訴えます。現在の年収584万円は妥当と考えていますが、800万円もらえるとより満足すると答えています。
残業削減運動が盛んなため、あまり残業はできません。所定勤務時間が短いので、すぐに残業になりますが、残業はしにくい雰囲気です(2018.12.29)
労働時間の削減を進めようとすると、仕事が終わらないと不満を漏らす人が出てくるものですが、「キャリコネ」の口コミには見当たりません。30代の女性広報によると、社内には人員にやや余裕があったようです。
タイムマネジメント、業務効率化が徹底しており、残業をすると効率化の項目で評価を減点される。部署によっては人が余っており、遠回しなリストラもある(2017.7.31)
出世の王道はやっぱり「既存事業」
味の素というブランドを扱っていることもあり、仕事のやりがいを感じている社員が多いようです。ただし売上高1兆円を超える大企業のため、新しさを追求するのは簡単ではありません。
研究開発を担当する40代男性社員は、従業員の行動を規定する価値観について「新しいことにはあまり手を出さない社風」と評しています。
海外での仕事に興味ある人にはおすすめかも。好きなことは比較的やらせてくれるし、会社のブランドも結構使える。ただ王道の既存品開発コースを進んだほうが立場的には楽かも(2017.7.20)
法人営業を担当する20代男性社員も「よほど過去に前例のないプロジェクトを創出して推進しない限り、多くの決まりごとの中での業務となり退屈になる」と答えています。
国内の量販店の営業は、1~3ヶ月後の担当企業の催事場の提案や棚改善の提案を行う業務となるが、実現すると数ヶ月後に反映されるため成果を体感しやすい。ただしそれが毎月のように繰り返されると、過去企画と客観的に見て特に新規性はないため、その満足感にはすぐに慣れてしまう(2017.4.17)
味の素ほどの会社であれば、<b>ほとんどの仕事は既存事業の着実な運営と改善</b>になっていくことは仕方のないところ。ただし戦略やオペレーションのミスが大きな影響を及ぼすことになり、高度な業務が求められるでしょう。