【面接対策】ホンダの中途採用面接では何を聞かれるのか

【面接対策】ホンダの中途採用面接では何を聞かれるのか

航空事業にも進出、大手輸送機器メーカーである本田技研工業への転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果などを具体的に問われるほか、キャリアシートでは見えてこない「人間性」も見られます。即戦力として、そして一緒に仕事をする仲間としても多角的に評価されるので、事前に対策しておきましょう。


ホンダの採用面接前に知っておくべきこと

社風への理解

本田技研工業(以下、ホンダ)は1948年、浜松の自転車用補助エンジンを製造する小さな工場として創業しました。以来、二輪・四輪・ライフクリエーション等、様々な分野に事業を展開、今ではグローバル約3200万人の顧客を持つ、世界を代表するモビリティカンパニーとして成長しました。

現在、自動車業界は「CASE」への対応を迫られる、100年に一度の大変革期に直面しています。こうした状況の中、ホンダは2017年に「2030年ビジョン」を策定し、「すべての人に、”生活の可能性が拡がる喜び”を提供する」ために進化を続けています。

こうした進化を続けられているのは、ホンダに根付く、『ワイガヤ文化』があるからこそです。「誰もが自由に、自分の意見を言える」、「とにかく議論することが大好き」という声が多く見られます。この『ワイガヤ文化』は、学閥もなく、エリート意識をひけらかす社員もほとんどいない、庶民的でフラットな風土にもつながっているようです。

ホンダでは、一人ひとりが自分の仕事に対して強いオーナーシップを持ち、自分で問題意識とチャレンジ精神を持って取り組むことが、非常に大切にされています。「完全に本人のやる気に依存するものが大きいので、夢と根性がある人は向いている」「自分がやりたい事を自由にやらせてくれる、今どき珍しい企業」という声からも、その風土が伺えます。「やりがいがある反面、非常にプレッシャーがある」「基本的に習うより慣れろの社風」と、こうした風土に違和感を感じる場合には、苦しさも感じることもあるほど、独自性の強いカルチャーであることが分かります。

また、グローバルに展開するホンダでは、事業規模の大きさや高い研究開発レベル、そして自分が手掛けた技術・商品が社会に貢献していることに対し、社員は大きなやりがいを感じています。「海外で自分の会社の製品を見ると自分のやっている仕事に誇りを感じる」「自分の開発した車が人の役に立つことがやりがい」という声が多く寄せられています。これは仕事へのモチベーション向上にもつながり、「情熱のある人が多い」「技術や夢に対する強い想いを感じる」と、強い想いを持って仕事に取り組む風土であると言えます。

自由闊達に議論を交わす『ワイガヤ文化』が根付く風土の中で、強いオーナーシップとチャレンジ精神、情熱を抱きながら仕事に取り組む。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。

選考は何次まで?

ホンダの中途採用は、本田技研工業だけではなく、研究開発を担う本田技術研究所、生産技術研究開発を担当するホンダエンジニアリング、自動車用品の開発・生産・販売を行うホンダアクセスの4社による一括採用が行われています。募集職種は、大きく「営業」「生産」「研究開発」「購買」「管理」の5つに分類され、事業分野や専門領域によってさらに細分化されています。また、職種を絞らず応募したい方や、募集職種に希望するものがない場合、「キャリア登録」という応募方法があります。登録されたキャリアにマッチする応募職種ができた場合、連絡がもらえる方法ですので、募集職種の全体像を把握するとともに、自身のキャリアが最も活かせる職種は何かをしっかりと見極めることが必要です。

また、中途採用プロセスは、書類選考と適性検査、2回の面接です。1次面接は人事採用担当者、最終面接は職場社員の部長クラスが担当します。「かなり圧迫」「面接官二人とも、かなり緊張感のある雰囲気を作っていた」という口コミも多く見られ、さらに、回答内容について少しでも矛盾点がある場合、「なぜなぜ」を深く追求される傾向が強く見られます。こうしたケースがあることを予め認識したうえで、どのような質問に対しても、落ち着いて、論理的に回答できるよう、準備をしておきましょう。

面接内容の傾向は?

面接内容には、「自由闊達に議論を交わす『ワイガヤ文化』が根付く風土の中で、強いオーナーシップとチャレンジ精神、情熱を抱きながら仕事に取り組む」という社風が大いに反映されています。「10年後、20年後のキャリアビジョンは?」という質問に代表されるよう、自らのキャリアをしっかりと考え、明確なビジョンと夢を抱いているかどうかが、評価のポイントと言えます。

また、「これまでの仕事において苦労したことは?」「課題克服のためにどんなアクションをとったか?」といった質問も多く見られ、どんな困難な環境下でもチャレンジ精神を持って取り組めるかどうかを確認していることが分かります。さらに、これまでの経験がホンダにおいてどのように活かすことができるのか、についても具体的に問われます。

職種によっては、「あなたが実現したい車について、ホワイトボードに書いて説明してください」と、プレゼン形式をとられる場合もあるようです。ホンダにおいて具体的に実現したいことを、自身のキャリアを絡めながら論理的に説明できるよう、しっかりと準備をしておきましょう。

ホンダについては、この記事以外にも就職・転職者が知っておきたい企業情報を網羅した「企業研究記事」があります。

ホンダの面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。

ホンダの面接攻略法(面接対策)

本田技研工業のHondaフィロソフィー「基本理念」「運営方針」を理解した上で自己分析をする

ホンダの面接を受ける上では、「Hondaフィロソフィー」と呼ばれる企業理念の中の、「基本理念」「運営方針」を理解しておくことが不可欠です。「基本理念」は「人間尊重」と「三つの喜び」の二つから成り、「運営方針」は5つの要素で構成されています。

●運営方針
・常に夢と若さを保つこと。
・理論とアイディアと時間を尊重すること。
・仕事を愛しコミュニケーションを大切にすること。
・調和のとれた仕事の流れをつくり上げること。
・不断の研究と努力を忘れないこと。

これは、ホンダの企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこのHondaフィロソフィーにおける「基本理念」「運営方針」に合致する人材であることをアピールしましょう。

ホンダは、「自由闊達に議論を交わす『ワイガヤ文化』が根付く風土の中で、強いオーナーシップとチャレンジ精神、情熱を抱きながら仕事に取り組む」という社風。これに沿ったエピソードを、「基本理念」「運営方針」の視点も絡めて紹介することで、より強力なアピールになります。

「基本理念」に謳われるよう、お互いを「人間尊重」し、「喜び」を感じながら仕事に取り組むことは、ホンダにとって重要な要素です。これまでの職場において、最善の解を導き出すために、前例や上下関係にとらわれることなく議論を尽くし、最後まであきらめずに取り組んできたエピソードを準備するとよいでしょう。こうしたエピソードの中で、夢と情熱を抱き、そしてコミュニケーションを大切にしてきた観点も織り込むことで、「運営方針」にも共感できる人材であることをアピールすることができます。

また、自らのキャリアを長期的な視点でしっかりと見据え、夢を実現するために努力を重ねてきたことは、「運営方針」における「不断の研究と努力を忘れないこと。」の観点でのアピールとともに、「強いオーナーシップとチャレンジ精神」が大切にされる社風に合致する人材であることも印象づけられるでしょう。

「なぜホンダに転職したいのか」の明確化には他社研究を

ホンダの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜホンダなのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。

業界理解や職種理解の枠を超えて、Hondaという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。

  • トヨタ自動車株式会社
  • 日産自動車株式会社
  • ヤマハ発動機株式会社

ホンダの採用面接で実際に聞かれた質問内容

このように、ホンダの採用面接を受ける前には、Hondaフィロソフィー「基本理念」「運営方針」に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「自由闊達に議論を交わす『ワイガヤ文化』が根付く風土の中で、強いオーナーシップとチャレンジ精神、情熱を抱きながら仕事に取り組む」という社風を意識して、前例や上下関係にとらわれることなく議論を尽くし、不断の努力を忘れないことで確実に組織に貢献できる人材であることを印象付けられるよう、様々なエピソードを準備しておくと良いでしょう。

面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。

38歳男性/人事【結果:入社】

質問

キャリアをどのように考えるか?

回答

キャリアは伸ばしていくもの…(口コミの続きとアドバイスを見る

35歳女性/購買・資材【結果:入社】

質問

この会社で何がしたいか?

回答

ホンダのブランド力を高めたい…(口コミの続きとアドバイスを見る

28歳男性/研究開発【結果:最終面接で不採用】

質問

現在の業務で苦労して、やり遂げことは?

回答

想いだけで応募したが、やはりスキルは必要と…(口コミの続きとアドバイスを見る

27歳男性/研究開発【結果:最終面接で不採用】

質問

実現したい車を、ホワイトボードで説明してください

回答

制御の方法論までの説明を求められました…(口コミの続きとアドバイスを見る

ホンダの採用面接に向けて

ホンダの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

  • 「自由闊達に議論を交わす『ワイガヤ文化』が根付く風土の中で、強いオーナーシップとチャレンジ精神、情熱を抱きながら仕事に取り組む」という社風を意識する。そして、前例や上下関係にとらわれることなく議論を尽くし、不断の努力を忘れないことで確実に組織に貢献できる人材であることを、自分の言葉でアピールする。

  • Hondaフィロソフィー「基本理念」「運営方針」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。

  • 競合他社について研究し、「なぜホンダなのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。

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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。

この記事の執筆者

東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。


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