【面接対策】新明和工業の中途採用面接では何を聞かれるのか

2020年に創業100周年を迎えた新明和工業。前身である川西航空機の製造技術を引き継ぎ、現在も防衛省で運用される飛行艇や、民間航空機部品の設計開発、製造に携わっています。また、特装車と呼ばれる産業用の車輌、立体駐車場、水処理機器も手がけるなど、幅広い事業展開をしています。

人々の移動や物流輸送、環境整備に欠かせない重工系製品を扱うことで、勤務する人の口コミには「研究開発したものが完成した際の達成感は非常に大きい」「新人でも大きな仕事を任せてもらえる」と、やりがいを感じる声が多く見受けられます。福利厚生の充実度も高く、各種手当を賞賛する意見も見られました。

しかし、歴史のある企業ならではの古い体質も残るようで、良くも悪くも「仕事に対する緩慢さ」を指摘する口コミも散見されます。さらに部署によって仕事量が大きく異なり、残業しても業務が終わらず当然のように休日出勤をさせられるなど、ワークライフバランスを問題視する意見も。「生産性の改善とともに、新製品の開発をしていかねば将来性はない」といった厳しい声もあります。

「清潔・誠心・堅実・進取」を社是とする同社の求める人物像は、「周囲と調和をはかり、本質を見極めた上で、業務を達成していける」人材。採用面接では、このような社風にフィットしているかどうかを見極められるといえるでしょう。

新明和工業の選考過程を見ていきましょう。コーポレートサイトのキャリア採用情報によると、書類選考後に2回の面接を経て内定の流れとなります。筆記やweb試験はなく、面接官は現場社員、役員が担当します。実際に面接を受けた人の口コミでは、部長や管理部門が面接をおこなったという声もあるので、応募職種や時期によって異なるようです。

選考期間は1週間〜1ヶ月程度となりますが、合否に関わらず全体的に早めの決定が多く見受けられます。

現在の募集職種は「人事総務（採用／教育業務）」となります。職務内容や応募資格、勤務地などに目を通し、詳細を確認しておきましょう。あわせて、会社概要、沿革、創業100周年記念サイトなどを閲覧し、企業に対する造詣を深めておくことも大切です。

「志望動機」「転職理由」「職務経歴」といった一般的な質問で進むという口コミが見られます。前職の退職理由について深く聞かれた人もいるので、明確な説明ができるよう準備をしておきましょう。

個人スキルや経験よりも「仕事に対する意欲」や「なぜ当社で働きたいのか」といった質問への回答を求められたとの声も多く見られます。対策として、面接前にしっかりと企業研究をすることが重要といえます。さらに人柄を重視する傾向にもあり、やる気をいかにアピールできるかも必要となります。一方で、あからさまな自己PRや、前職の成果を自慢したりすることは逆効果になるという声も聞かれました。

前項にあるように、現在の募集職種は「人事総務」ですが、今後他職種の募集がある場合は、体力面や残業の多さに耐えられるかなどが面接の焦点となり得ます。その際は希望職種をよく研究し、健康で明朗な人間であるとの面をアピールできるよう準備をして面接に臨みましょう。

新明和工業の面接を受ける際には、「CFG2020」と呼ばれる中期経営計画を理解することが必要です。「CFG2020」とは、成長と変革を通じて企業価値向上を目指すとして掲げられた「Change for Growing,2020」を略したもので、2018年から2021年にかけての3ヵ年を「収益構造改革期」と位置づけた、同社の経営方針です。

2020年3月期決算説明会資料によると、売上高は過去最高の値を示し、営業利益も前期比を上回りました。大きな理由としては、流体製品や環境システム、パーキングシステム事業の好調によるものです。

このような業績の好調を受け、同社は今後も改革を続ける方針です。下図によると収益構造改革を経た上で持続的な成長を目指すとし、これまでの安定志向から、未来を見据えた「成長志向」へと事業転換を図る狙いです。

具体的には「基盤事業の規模拡大」を中心とし、IoTやAIによる次代型製品の開発、顧客サービス力と生産能力の向上、相乗効果を見越したM&Aをおこなうことでの業務体制の強化を打ち出しています。

中でも海外市場への展開を重点施策としており、特に東南アジア地域においての特装車、産機・環境システム、パーキングシステムなど各セグメントの市場拡大を図り、売上を伸ばしていくとしています。

現在は時代の大きな変革期といっても過言ではありません。急速な技術の発展により、歴史を持つ企業とはいえこの先も安定を保てるかは、誰しもが疑問に思うところでしょう。そういった中「安定から成長」へとシフトチェンジし、業績を伸ばしている同社は、基本理念にもある「挑み続ける」ことで、社会貢献をしていくと掲げています。以上を踏まえ、同社の経営計画を自己分析に落とし込み、面接では「新しいことに果敢にチャレンジする意欲を持つ」人材であることをアピールしていきましょう。

新明和工業の面接では、「なぜ当社を志望したのか」との質問をされます。これは「入社後の明確なビジョンがあるか」「これまでの経歴が即戦力になるか」という点だけではなく、「当社を本当に理解しているのか」を面接官が見極めているといえます。

業界や職種を把握するだけではなく、同社の企業理念や中期経営計画である「CFG2020」を正確に理解し、さらに競合として比較されやすい他社を分析することも必要となります。一例として以下の企業をあげますので、研究の参考にしてみてください。

• 川崎重工業株式会社
• 三菱重工業株式会社
• 極東開発工業株式会社
• 昭和飛行機工業株式会社

企業研究を通じて、新明和工業の社風や経営計画、求めている人物像が分かってきたと思われます。面接の場では、同社の企業理念である「和の精神と本質の見極めを大切に、社会へ貢献」することを意識し、「新たな事業に積極的に挑み、なおかつ調和を持って業務ができる」人材であると印象づけられるよう、複数のエピソードを用意し答えられるようにしておきましょう。

以下は、実際の面接の場で聞かれた内容です。これらに目を通し「このような質問にはどう答えれば良いのか」「志望動機や経歴はもう少し整理すべきか」など、シミュレーションを重ねてみてください。

新明和工業の採用面接を受けるにあたり、押さえておきたいポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3項目となります。

• 「和の精神と本質を見極める姿勢を大切に、社会へ貢献する」との社風を意識して、これにマッチした人材ということをアピールする。


• 新明和工業の「CFG2020」を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。


• 競合する他社についても研究し、「なぜ新明和工業か」に対する答えを明確にしておく。