【20年1月期】新型コロナ禍直撃の東京ドーム 財務体質の「弱点」をどうカバーする?

【20年1月期】新型コロナ禍直撃の東京ドーム 財務体質の「弱点」をどうカバーする?

20年1月期は増収増益となった東京ドーム。しかし新型コロナウイルスの影響でイベントは軒並み中止、プロ野球の開幕も延期されています。収益性の高い「コト消費」で成長してきた会社ですが、財務体質の弱点もあり、ノンコア事業の見直しが迫られるかもしれません。財務諸表などを基に会社の現状と課題を整理します。


損益計算書(PL):20年1月期は増収増益

東京ドームの2020年1月期決算は、売上高が前期比5.2%増の916億円、営業利益は同2.2%増の117億円の増収増益でした。

しかし営業利益率は同0.4pt減の12.8%とやや下がっています。

これは売上原価が前期比6.1%増の740億円と、売上高を超える伸びとなったため。売上総利益は同1.3%増の175億円となったものの、粗利率は同0.7pt減の19.1%とやや下がっています。

一般管理費は前期比0.4%減の58億円と抑制しましたが、金額が小さく全体への影響はありません。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比14.9%増の80億円。増加の要因は、特別利益として固定資産売却益を5億2000万円、補助金収入を5億4000万円計上したためです。

2021年1月期の業績予想は、新型コロナウイルスの影響を合理的に算定することが難しいとして公表していません。

今期は中期経営計画の最終年度でもあり、会社は近年高まったスポーツ需要取り込みに力を注ぎ集客力を高めるとしていますが、オリンピックの延期や新型コロナウイルスの影響を受けたイベントの中止、プロ野球の開幕延期などもあり、業績が大きく悪化する可能性が高いでしょう。

セグメント分析:「東京ドーム」と「ホテル」が事業を牽引

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