【19年12月期】キリンビール擁するキリンHD 医療・ヘルスケアへの「多角化展開」に一部株主から異論も

【19年12月期】キリンビール擁するキリンHD 医療・ヘルスケアへの「多角化展開」に一部株主から異論も

国内ビール業界2位のキリンホールディングス。2019年12月期は国内ビール市場の縮小と海外事業のコスト増で減益となりました。その一方で、医薬事業は大きく伸びており、今後は医療だけでなくヘルスケア領域にも事業拡大する計画です。財務諸表などを基に会社の現状と将来性を整理します。


損益計算書(PL):海外事業の販促費増加で営業利益減

キリンホールディングスの2019年12月期決算は、売上収益は前期比0.6%増の1兆9413億円、営業利益は同55.8%減の877億円で増収減益でした。海外事業での販促費の増加や為替影響等により減益となっています。

売上原価は前期比0.3%減の1兆937億円に抑え、粗利率は同0.5pt減の43.7%に改善したものの、販管費が前期比19.7%増の7598億円に増えたため、営業利益率は同5.8pt減の4.5%となっています。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比63.7%減の596億円でした。営業利益の減少要因のほかに、前期に発生したキリン・アムジェン社の売却益の反動などがあります。

また、2017年12月期より売上収益から売上原価並びに販管費を除いた、恒常的な事業の業績を図る利益指標として「事業利益」を採用しています。事業利益は前期比4.3%減の1908億円でした。

なお、2020年12月期の業績は、売上高が2兆円(前期比3.0%増)、事業利益が1910億円(同0.1%増)、営業利益が1605億円(同83.0%増)、当期純利益1155億円(同93.7%増)と予想されています。

セグメント分析:「国内ビール・スピリッツ」と「医薬」の2本柱

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