信越化学工業の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1926年設立の信越化学工業は、高い利益率をあげていることで知られる化学(素材)メーカーです。少数精鋭の組織体制のもと、さまざまな製品分野においてトップシェアを誇っています。たとえば、シリコーン樹脂は国内第1位。また、塩化ビニル樹脂(塩ビ)や半導体シリコンのシリコンウエハー、合成石英に先端品フォトマスクブランクス、そして合成性フェロモンは世界シェアトップです。
このように、少数精鋭で世界のトップシェア製品の開発・販売をおこない高い利益を生み出しているため、大企業ながら「若手のときから裁量をもち、仕事をマネジメントすることが求められる社風」といえるでしょう。口コミからも「若いうちから責任のある仕事を任せてもらえる」「自らの発想で研究開発を進めることができる」と、成長とやりがいを感じている人が多いことがわかります。
つまり同社では、自律的に考え行動し、プレッシャーを力に変えることができるタフな人材が求められているのです。採用面接では、そのような人材であると伝えられるエピソードを準備しておくことをおすすめします。
■選考は何次まで?
同社は、基本的に転職エージェントや転職サイトを通じて中途採用を募集しており、職種によっては1件の求人に対して1000件もの応募が集まる人気企業です。その応募の中から書類選考が行われ、面接に進めるのは約2%という口コミもあります。
中途採用の選考フローについては、公式ホームページでオープンにされていません。口コミによると、一次面接は人事担当者が行っており、穏やかな雰囲気で進むようです。
現在募集中の職種は、アプリ系とインフラ系のシステムエンジニア。信越化学工業の求人ですが、システム部門を担うスカイワードインフォメーションシステム株式会社(100%信越化学工業株式会社の社員で構成)に在籍出向後、アプリとインフラそれぞれのシステムエンジニアとして、グローバルでの活躍が期待されている職種です。中途採用の求人は不定期で出される場合がほとんどのため、希望する職種の求人が出ているかどうか、こまめに公式ホームページや求人サイトを確認するようにしましょう。
■面接内容の傾向は?
面接内容は一般的な内容がほとんどのようです。「転職活動のきっかけや背景」「志望理由」「入社して実現したいこと」「職務経歴や実績」「化学業界の将来」などについて、自身の考えをまとめておきましょう。
また、「志望理由や将来設計とアピールするべき強みの整合性を確認しておくべきだった」という口コミがありました。たとえば、入社して実現したいことが「世界トップシェアを獲得する製品の開発」であるならば、最低限の語学力や同社で力を入れている分野で活かせる知識を持ち合わせていることを伝える必要があるということです。
さらに、内定後に家族からの反対で辞退する人もいることから、「家族が転職活動に賛成しているかどうか」を聞かれることもあります。該当する方は、頭の片隅に置いておき、慌てずに回答しましょう。
信越化学工業の面接攻略法(面接対策)
■信越化学工業の経営方針を理解した上で自己分析をする
信越化学工業は、経営方針や中期経営計画を発表していません。同社の面接を受ける前に、それらを発表していない背景を理解しておきましょう。
同社は現会長の金川氏が社長を務めていた時代から、中期経営計画を発表しない方針をとっています。その背景は、「社風」でも触れた「少数精鋭で高い利益を生み出す体制」のひとつの特徴ともいえそうです。そもそも、各分野への投資や売り上げ目標など詳細な計画をたてても、さまざまな要因によって予定通りに行かないことがほとんど。そのたびに、新たな計画を立て直すことや理由説明に大きな労力が必要となるため、それらを省き「利益という結果に還元しよう」という考えなのです。
また、競合他社に対する情報公開を避ける狙いもあります。さらには、財政面において明確な数値目標を定めないことにより、状況をみながら臨機応変な経営を実現しています。
経営方針においては、徹底したオペレーションなどソフト面を重視。社員一人ひとりが、「この業務は何のためにするのか」「どうすれば生産性が上がり、利益につながるのか」など、仕事の本質を考え取り組む姿勢が根付いているといいます。面接の際には、これまでに効率よく働き結果に繋げてきたエピソードについて、具体的に説明できるよう準備しておきましょう。
■「なぜ信越化学工業に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接で必ずといっていいほどよく聞かれる質問のひとつに「なぜ信越化学工業なのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいことは、「入社後なにをしたいのか」「経験やスキルをどのように活かしたい、活かせると考えているのか」など、本人の志向です。それと同時に、「募集しているポジションにマッチするかどうか」や、「業界や職種、会社についてどの程度理解しているのか」を見極めているといえます。
面接の前には、上記のような質問の意図を自分なりに想像し、考えを整理しておきましょう。また、会社理解を深めるにあたって、競合となる他社も含めた業界研究が不可欠です。具体的には、以下のような企業について調べておくとよいでしょう。
- 三菱ケミカル株式会社
- 住友化学株式会社
- 三井化学株式会社
信越化学工業の採用面接で実際に聞かれた質問内容
信越化学工業が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのか、企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。信越化学工業の場合、「若手のときから裁量をもち、仕事をマネジメントすることが求められる社風」といえます。このような環境において、実力を発揮できる人材であると、具体的なエピソードをふまえ伝えることが大切です。また、経営方針などを理解したうえで、どのように貢献できるのかをまとめておきましょう。
以下では、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策をしておきましょう。
[20代前半・男性/研究開発] 【結果:一次面接で不採用】
[30代前半・男性/経理] 【結果:内定を辞退】
[30代後半・男性/海外営業] 【結果:一次面接で不採用】
信越化学工業の採用面接に向けて
信越化学工業の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「若手のときから裁量をもち、仕事をマネジメントすることが求められる社風」であることを理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
- 経営方針を理解してこれに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜ信越化学工業なのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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