ハウス食品の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
ハウス食品は、1913(大正2)年に創業した浦上商店を前身とする食品メーカーです。1926(大正15)年の「ホームカレー」発売を機に、現在の主力商品であるカレーの製造事業に進出しました。小さな子どもも楽しめる「バーモントカレー」、香辛料で本格的な味わいを演出した「ジャワカレー」、家庭の知恵にヒントを得た「こくまろカレー」など、バリエーション豊かなカレー製品を発表し存在感を高めてきました。カレー以外にもフルーチェ、とんがりコーンなどベストセラーが多く、老若男女に愛される味を提供し続けています。2013年に持ち株会社体制に移行した際、社名をハウス食品グループ本社株式会社に変更。現在のハウス食品株式会社は、新設の事業会社という形でこれらの製品群の製造を継承、管轄しています。
そんなハウス食品の社員の口コミを見ると、「おいしくて長く愛されている商品が多いと思う」「知名度のある商品を販売できるのが楽しい」「提案の自由度が高く、企画のやりがいがある」など、会社のブランドを愛し前向きに仕事に取り組む人が多いことがわかります。また「育児中の時短勤務や育休制度が浸透してきた」「優秀で温厚な社員が多く穏やかな雰囲気」「ハウスの日というのがあり、会社の商品を家族でもらった」など福利厚生も充実しており、従業員を大切に育てる健全な企業風土が見えてきました。
しかし中には「環境も良くホワイトな会社だが、何も変化がなかった」「徹底的に年功序列で、成長志向の人には合わない」といった口コミも散見されます。保守的な社風は変化や成長を求める人には合わないかもしれませんが、同社特有の寛容な雰囲気をいかに味方につけ力を発揮するかは自分次第という部分もあるでしょう。面接では、このような社風に合う人材かどうかを見極められます。
■選考は何次まで?
2020年4月現在、ハウス食品グループ本社の財務、総務などで若干名の中途採用を募集しています。グループの拡大にともなう人材強化のための採用とされています。財務部においては、海外赴任を想定した人材の確保を目標とし、簿記や財務関連資格のほかに一定レベル以上の語学力が求められます。専門性や経験が必要となりますが、海外での活躍を希望する人には見逃せない求人です。
詳細はコーポレートサイトの採用ページから確認ができ、そこでウェブエントリーを受け付けています。必要事項を入力のうえ、履歴書と職務経歴書を添付して送信しましょう。
選考フローは採用ページには明記されていませんが、書類選考通過後、1~2回の面接がおこなわれるものと思われれます。口コミによると、面接官は管理部門の担当者、部長などです。選考に要する期間は2週間以上と考えておくとよいでしょう。
■面接内容の傾向は?
ハウス食品の中途採用面接では、志望動機はもちろん、「これまでの仕事で困難だったことは?」「あなたが生活保護を受けなければならなくなったらどうしますか?」といった質問をされたという口コミが散見されました。壁にぶつかった時の対処方法や考え方から、候補者の人間性やストレス耐性、状況を切り開く力などを確認しようとする意図が見られます。
また前述したように、現在募集のあるポジションでは、将来の財務部中核候補や、株式・株主の管理業務担当として、高い能力を発揮できる即戦力が求められています。これまでの関連業務従事歴や、保有資格、知識・スキルなどを面接で確認されることが十分に予想されます。これらを臆することなくアピールできるよう、あらかじめ整理しておくとよいでしょう。また、プロパー社員の多い同社では、社風への適応力も重要視されるかもしれません。
ハウス食品の面接攻略法(面接対策)
■ハウス食品の第六次中期計画を理解した上で自己分析をする
ハウス食品の中途採用面接を受けるにあたって、グループが連結で策定した第六次中期計画を理解しておきましょう。この計画は、2018~2020年度の3ヵ年を対象としています。食の多様化や世帯構造の変化を受け、近年同グループも多彩な企業を迎え入れてきました。こうした「企業の在り方」への再考という意味で、前中期計画で掲げた下記のテーマに引き続き取り組むものです。
「食で健康」クオリティ企業への変革。
第六次中期計画におけるグループ全体の数値目標は、2021年3月時点の売上を3100億円、営業利益を220億円とし、181億円の増収、57億円の増益を見据えたものとなっています。
セグメント別の目標を見てみましょう。ハウス食品の属する香辛・調味加工食品事業では、2018年3月期の売り上げが1399億3700万円、営業利益が120億8100万円でした。ここから、以下の数字を目標として増収増益を図ります。なお同セグメントの売り上げは常にグループの45%以上を占める根幹事業となっています。
セグメント戦略は「収益構造の変革」です。具体的には、主力商品のひとつであるレトルトカレーに付加価値をつけ提案していくことで、売上を強化していきます。実際に2019年8月にはレトルト製品の製造ラインを新たに稼働しました。またセグメントに属する3社合同の取り組みを推進し、コスト競争力や新価値の創出にも注力していきます。2020年の第3四半期連結累計期間においては、カレー関係の商品が安定した実績を保ち、スパイスやスナック類も増益傾向となりました。
食事のスタイルや人気商品は日々刻々と変化しても、世の中における「食の必要性」は変わりません。同社の企業理念「食を通じて家庭の幸せに役立つ」を基盤とし、社会や需要の変遷をより正確に読み、企画力や製品実現力に繋げられるかが重要なポイントとなるでしょう。これに沿って自身のキャリアで得た経験や知識を棚卸しし、エピソードとともに自己PRができれば有利になるでしょう。
■「なぜハウス食品に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
ハウス食品の面接では「なぜハウス食品か」という質問をよくされます。面接官はこの質問への回答から「この人はどのような仕事をしたいのか」「それは当社で実現可能なのか」ということに加え、「当社のことをどれくらい理解しているのか」を判断しようとしています。
同社のことをより深く理解し、「なぜハウス食品か」を明確に語れるようにするには、競合他社の研究が有効です。カレー製品を主力とし業界で随一の認知度を誇るハウス食品ですが、同様にカレー製品に力を入れるメーカーはいくつも存在し、企画や営業戦略もさまざまです。他社を研究することは、業界全体への知見を深めると同時に、ハウス食品の特徴を把握するのに役立ちます。具体的には、以下のような企業について調べてみることをおすすめします。
- エスビー食品株式会社
- 大塚食品株式会社
- 丸美屋食品工業株式会社
ハウス食品の採用面接で実際に聞かれた質問内容
企業研究を通じて、ハウス食品の目指す方向性や求める人物像が少しずつ見えてきたのではないでしょうか。食に対する社会の需要を読み取りながら、企業の在り方自体の変革を目指す同社において、洞察力や企画力の高い人材が歓迎されるであろうことは明白です。
企業研究を重ねるとともに、自身の能力や経験を会社の方向性に照らし合わせて整理しておくことは、面接の場での自己アピールにも必ず役に立つはずです。さまざまな想定質問をシミュレーションし、理路整然と回答できるように練習をするなど、対策をおこなってみてください。
以下、実際に経験者が面接で聞かれた質問をご紹介します。
[30代前半・男性/その他] 【結果:一次面接で不採用】
[年代不明・女性/カウンターセールス] 【結果:二次を辞退】
[20代後半・男性/商品管理] 【結果:一次面接で不採用】
ハウス食品の採用面接に向けて
ハウス食品の採用面接に向けて、ぜひ押さえておきたい重要なポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- クオリティ企業への変革を目指す同社で、社会や需要の変遷をより正確に読み、企画力や製品実現力を発揮できる人材であるとアピールする。
- 第六次中期計画を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社について研究し、「なぜハウス食品か」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。