三井住友建設の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
三井住友建設は、2003年に三井建設が住友建設を吸収合併する形で誕生した準大手ゼネコンです。高層ビルやマンションの建築を得意としてきた三井建設と、橋の建設を中心に土木関係に精通する住友建設。2社の強みとノウハウを内包したことにより、両分野で業界トップレベルの特定技術を有し、橋、道路、トンネルといった社会インフラから、商業施設、オフィスビルなどの施工や耐震改修まで幅広く手がけています。有名な施工実績には、レインボーブリッジや新東名高速道路などがあげられます。
まったく異なる風土の会社が合併した影響は、多くの社員が実感しているようで、「まったく違う会社が1つになり、面白みがある」「2社の派閥が存在していたため、風通しが悪かった」「合併しても相容れない部分がまだある」とさまざまな口コミが見られます。「双方の文化が混合した奇妙な企業」と表現する人もいて、その文化の融合こそが今の同社の特徴ともいえそうです。
業務の面では、施工期間が長期にわたる大規模プロジェクトが多く、「慢性的に人手不足」「有給休暇は現場との兼ね合いがあり取りにくい」「残業代は必ず支給されるが、現場勤務は休みが少ない」など、多忙を極めている様子。しかし、2019年からは法律改正にあわせて有給取得が義務付けられた上、ノー残業デーの設定もあり、勤務体制を見直す意識は高まってきているようです。
何より、1つとして同じ設計のものがない面白みと、社会貢献度の高い大プロジェクトに従事できる誇りは、日頃の苦労を忘れるほどのやりがいにつながっているのでしょう。「地域の皆さんが注目する中で仕事ができるやりがいは大きい」「全員でゼロから作り上げ竣工したときは、達成感がある」といった口コミはとても多く見受けられました。
「はしも、まちも、ひとも。」は、同社のコーポレートメッセージです。ものづくりの奥にある、社会、人、夢、技術など「あらゆるものをつなぐ」という大きな社会的意義を持って、収益性と社会性の両面を追求しています。この使命を理解し、情熱と技術をもって業務にあたれる人材が求められています。
■選考は何次まで?
2020年5月現在、三井住友建設では中途採用の募集をおこなっています。コーポレートサイトの採用情報ページに、技術職と事務職に分けて募集要項が公開されているので、確認してみましょう。
技術職は、土木、建築、設備、建築設計の各分野で募集をしており、いずれも同業種での経験が応募資格となっています。さらに1級建築士や1級土木施工管理技士などの資格保有者はとくに歓迎されるようです。事務職は、総務や経理、人事などの部門で募集をおこなっています。
選考フローは、書類選考→適性検査→2回の個人面接となっています。口コミによると、面接官は各部門の部長など役員クラスだったとのこと。選考期間は1~2週間とスピード感がありそうです。
応募は、必要書類(履歴書、職務経歴書、卒業証明書、健康診断書)を人事部宛てに郵送します。履歴書と職務経歴書は書式指定となっており、募集要項からPDFを入手できます。また、技術職志望者は、上記書類に加えて保有資格証の写しも必要です。
■面接内容の傾向は?
三井住友建設の面接では、志望動機、自己PR、今後の展望、過去の失敗から学んだこと、趣味など、一般的な内容を中心に質問されるようです。採用面接において想定される基本的な内容について、丁寧に準備をしておくとよさそうです。
技術職に関しては、保有資格や業務内容について具体的に問われることが想定されます。「提出したPR書類をもとに、設計について掘り下げて質問された」「建物を壊すときのクレーンの操作や、トンネルをつくる工程について聞かれた」などの口コミが見られました。自身の専門分野については説明を求められるという心づもりで臨み、質問を的確にとらえ理路整然と話すように意識しましょう。
面接の雰囲気はいたって普通で、終始穏やかに終わったという口コミが多い中、「話に矛盾がないかを細かく追及された」「圧迫面接だった」という声も散見されました。仮に圧迫されていると感じても慌てずに、話に矛盾が生じないよう冷静さを保つことが大切です。
三井住友建設の面接攻略法(面接対策)
■三井住友建設の「中期経営計画2019-2021」を理解した上で自己分析をする
三井住友建設では、現在の事業環境に対して「しばらくは堅調であるものの、長期的には不確実性も増す」という認識を示しています。そんな将来に向け能動的に行動すべく、「2030年に実現したい将来像」を発表しました。
2030年の将来像
三井住友建設コーポレートサイトより
この長期目標に向けた取り組みとして、2021年を最終年度とする3ヵ年の「中期経営計画2019-2021」を策定しました。基本方針のテーマに「変革の加速」を掲げ、3つの大きな具体方針に沿って事業をおこなっていきます。
1つ目は、生産性を2018年度比で10%上げることを目標とした、建設プロセスの変革です。IoTやAIといった先進的な技術を駆使した現場の省人・省力化を含め、生産マネジメントシステムを確立し、「建設現場革命」を起こすとしています。これを「SMile生産システム」と銘打ち、長期計画の目標としても組み込んでいます。
2つ目は海外事業の強化です。海外受注高1000億円を目標に、南アジアなどのODA対象国の需要を見ながら、橋梁を中心に事業を展開していきます。海外事業に関しては、全社員が国際的な感覚を養い、世界に通用する技術をもって垣根なく活躍できるよう、2020年1月に「三井住友建設グローバル化宣言」を発出しました。
そして最後に、事業の領域拡大です。人材開発やITシステムの刷新といった基盤の強化を1つの課題に設定。その上で、新領域として再生可能エネルギーに着目し事業化することや、国内外でのアライアンスの締結などを推進、500億円規模の成長投資をおこなう考えです。
この中期計画の数値目標は以下の通りです。
こうして、事業ポートフォリオの大きな変容も視野に入れ、理想的な将来像の実現を図り邁進する同社。中途採用では、同社のベクトルをよく理解して自己分析を進めることが重要です。各配属先が抱えるプロジェクトに責任感と使命感を持って従事できる人材、新領域やIT化、グローバル化の推進に対してもアンテナを高く張り、新たな動向に順応できる人材であるとアピールできれば入社に近づくでしょう。
■「なぜ三井住友建設に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
三井住友建設の面接でよく聞かれる質問に「なぜ三井住友建設か」というものがあります。面接官はこの回答から「この人はどのような仕事をしてきたのか」「その力は当社で発揮できるのか」ということに加え、「当社のことをどれくらい理解しているのか」をあわせて確認しようとしています。自身の培った技術や知識をいかす場として、なぜ同社を選ぼうとしているのか、一度冷静に分析し、志望動機の整理をする時間を持ちましょう。
また、同社をさらによく知るために有効なのが競合企業の研究です。会社ごとに特色や得意とする事業分野を持つゼネコン業界で、三井住友の強みとは何なのか。この会社でなければできないことは何なのか。他社を知ることで、見えてくることも多いでしょう。具体的には、以下のような企業について研究してみることをおすすめします。
- 戸田建設株式会社
- 五洋建設株式会社
- 株式会社フジタ
- 前田建設工業株式会社
三井住友建設の採用面接で実際に聞かれた質問内容
企業研究や他社研究を通じて、三井住友建設のビジョンや求める人材像が少しずつ見えてきたと思います。堅調な事業環境に慢心せず、不確かな未来に向け前向きなアクションを取ろうとしている同社の情熱を理解して、使命感を持って力を発揮できる存在であると印象付けたいところです。
候補者の適性や人柄を見極めるため、面接ではさまざまな質問をされます。自分をより効果的にアピールするためには、これまでの実績や業務上発揮してきた能力などを、具体的なエピソードを交えて話すとよいでしょう。以下は実際に経験者が面接で聞かれた質問です。自分ならどのように回答するかシミュレーションするなど、対策をすすめましょう。
[20代前半・男性/空調設計・設備設計] 【結果:入社】
[10代後半・男性/物流サービス] 【結果:入社】
[30代前半・男性/施工管理] 【結果:最終面接で不採用】
三井住友建設の採用面接に向けて
三井住友建設の採用面接に向けて、ぜひ押さえておきたい重要なポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 培ってきた知識や技術をいかして、使命感を持って収益性と社会性の向上に寄与できる人材であるとアピールする。
- 「中期経営計画2019-2021」を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社について研究し、「なぜ三井住友建設か」に対する答えを明確にしておく。
アピールすべき点をていねいに棚卸しし、これらのポイントを押さえた上で準備をすすめ、当日は自信を持って面接に臨みましょう。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。