【20年3月期】ベネッセHD、増収増益も伸び悩み 「オンライン教育」「海外」「M&A」に期待

【20年3月期】ベネッセHD、増収増益も伸び悩み 「オンライン教育」「海外」「M&A」に期待

通信教育講座「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」に加え介護・保育事業などを展開するベネッセグループ。20年3月期は増収増益を果たしたものの、業績の伸び悩みが著しく「第3の柱」が必要に。4月には海外事業本部を立ち上げるなど、盤石の財務を背景としたM&A等の攻めが期待されます。財務諸表等を基に会社の現状と課題を整理します。


損益計算書(PL):増収幅は小さいが大幅増益を実現

ベネッセの2020年3月期決算は3期連続の増収増益でした。売上高は前期比2.1%増の4486億円、営業利益は同30.9%増の213億円となっています。

売上原価は前期比0.4%増の2500億円とわずかな増加に抑えたため、売上総利益は同4.3%増の1986億円、粗利率は同0.9pt増の44.3%となりました。

販売費及び一般管理費は前期比1.8%増の1773億円に増加しましたが、営業利益率も同1.0pt増の4.7%に改善しています。

この他、連結子会社ののれん等の減損損失を計上するも、経常利益及び子会社売却による増益が大きく寄与し、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比28.3%増の63億円に増えています。しかし売上高に対する当期純利益率は1.4%と低い水準となっています。

なお、2021年3月期の通期業績予想は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、現時点で合理的な業績予想の算定が困難であることから見送りとなっています。合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示予定となっています。

 

セグメント分析:進研ゼミの「国内教育事業」は売上の半数未満

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この記事の執筆者

企業戦略の策定や分析をしています。分かりやすい財務分析を目指します。

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