パイオニアの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
アメリカ製のスピーカーにインスパイアされた、日本初の純国産スピーカーの製造で知られるパイオニア。かつては「オーディオ御三家」の一角として、名実ともにホームオーディオ業界におけるトップクラスメーカーの座にありました。
しかし、スマホやタブレット端末が普及し、国内のオーディオ需要が変化したことを受け、業績が悪化。ホームオーディオ機器事業をオンキヨーホームエンターテイメントへと譲渡し、再建を目指して事業を再編したものの、売上は伸び悩みました。香港の企業再生ファンド、BPEAの完全子会社となった2019年3月に東証一部への上場を廃止し、現在は自動車関連機器や業務用音響機器に特化した機器メーカーとして事業展開しています。
モビリティ領域において優れた製品とサービスを提供することを目指す同社は、ソリューションサービス企業へと変革の舵を切りつつあります。2021年3月には資金調達を目的として、子会社「インクリメント・ピー」の売却を発表、今後の経営の行方に注目が集まっています。
そんなパイオニアには、社名に表れる開拓者精神に共感する社員が多く在籍しているようです。「新しいものを作り出したいという思いを抱く人が多い」「自分の携わった製品が世に出るのが嬉しい」といった口コミからは、より良い製品づくりに熱意をもって取り組む社員の姿が浮かび上がります。また、人員整理などを経た現在でも、平均以上の水準の労働環境や穏やかな職場の雰囲気があることなど、社員を大切にする企業風土が維持されています。
さらに、経営再建に向けた改革により、年功序列だった評価制度は成果主義へと移行しつつあるようです。「実力のある人が昇進している印象」「新卒入社・中途入社の別による待遇の差はない」といった声からは、実力が公平に評価される環境がうかがえます。しかし、業績いかんによっては福利厚生制度や経営方針に変化が生じる可能性を指摘する声も少なくありません。応募にあたっては、企業動向に注意しておく必要があるでしょう。
再建に向け、開拓者精神をもって製品づくりやサービス提供に取り組む。このようなパイオニアの社風にフィットし、経営再建に貢献できる人物であるかどうかは、採用面接において重視されるポイントです。自己分析・企業分析とともに業界の動きに関する情報収集も忘れずに対策を進めましょう。
■選考は何次まで?
2021年5月現在、パイオニアではプロジェクトリーダーやデータアナリスト、クラウドアプリ開発エンジニアなど、幅広い職種において中途採用をおこなっています。
選考フローの詳細については明記がありませんが、口コミによると、書類選考通過後、2~3回程度の面接を経て内定に至る場合が多いようです。「1次・2次面接はフランクな雰囲気の中で進んだが、3次面接になって急に印象が変わった」との口コミもありました。どのような面接官が相手でも臆することのないよう、心の準備をしておきましょう。面接の前後に適性検査が実施される可能性もあるため、事前対策をしておくと安心です。
また、採用サイトには、募集要項や採用メッセージだけではなく、パイオニアの事業やスピリットについて解説するコンテンツが用意されています。企業理解に大いに役立つ内容となっているため、事前にしっかりと目を通しておいてください。
■面接内容の傾向は?
口コミによると、パイオニアの面接では、人柄や仕事に対する考え方を探る傾向が見られます。
「長所と短所を1分で教えてください」「今までの業務で大変だったのはどんなことで、どのように解決を試みましたか?」といった質問をはじめ、応募者の人柄や仕事に対する考え方を探る質問をされたという口コミが多く見られました。「ジョブリーダーの心構えとは?」「なぜ前職での開発は失敗したと思うか?」と問われた人も。また、内定を獲得した人からは「好印象かつ和を乱さない人が好まれると感じた」という意見も聞かれました。パイオニアで仕事をするにあたって、その社風や仕事の流儀などになじめる人物であるかどうかが重視されるようです。
自己分析を徹底し、企業研究の結果と照らし合わせておくようにしましょう。ともに働く仲間としてふさわしい人間性や考えの持ち主であることを伝えられると有利です。
パイオニアの面接攻略法(面接対策)
■パイオニアの企業理念とビジョンを理解した上で自己分析をする
面接を受けるにあたって、パイオニアの企業理念とビジョンを理解しておく必要があります。
2025年までにありたい姿として、上図のような企業ビジョンを掲げるパイオニア。製品づくりとサービス構築をかけ合わせ(同社では「モノ×コト」と表現)、顧客に新たな価値と感動を与えられるソリューションサービス企業となることを目指します。
創業以来培ってきた技術力を活かし、引き続き自動車関連分野に注力していく方針です。車載機器を通じて運転環境を向上させること、物流業界における課題を解決に導くサービスを生み出すことなどに取り組んでいくとしています。「より多くの人と、感動を」を企業理念とする同社は、こうした事業を通じて、コロナ禍を経てニューノーマルへとシフトする社会においても人びとに感動をもたらす存在であり続けようとしています。
また、同社の社是は、開拓者精神を忘れず業務に向かうことを奨励しています。採用サイト内にも「未来の開拓者たちへ」というコンテンツが用意されているなど、中途採用においても新奇なアイデアと主体的な姿勢を持った人材を求めていると言えます。自分のアイデアを組織的な成果へと結実させた経験、主体性を示すエピソードなどがあれば積極的にアピールしましょう。
■「なぜパイオニアに転職したいのか」の明確化には他社研究を
中途・新卒ともに、採用面接では志望動機について問われることが少なくありません。企業理解の度合いだけでなく、入社後の仕事への熱意やビジョンも計ることができる志望動機は、面接時に重視されるポイントのひとつです。
訴求力の強い志望動機を導き出すには、「他社とパイオニアの違い」という観点からも企業研究をおこない、「パイオニアというフィールドで何をしたいのか」を明確にしておくことが不可欠です。以下のような企業についても研究し、比較することで、同社独自の理念やビジョン、経営方針を把握しておきましょう。
- 株式会社JVCケンウッド
- アルパイン株式会社
- フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
- パナソニック株式会社
パイオニアの採用面接で実際に聞かれた質問内容
パイオニアの求める人物像やビジョンが具体化してきたのではないでしょうか。
パイオニアの採用面接を受ける際には、「再建に向け、開拓者精神をもって製品づくりやサービス提供に取り組む社風」を意識して、「周囲と調和しながら、自分のアイデアを結実させるために主体的に仕事に取り組める人材」と印象づけられるようなエピソードを用意しておくとよいでしょう。
以下、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。こうした質問に自分ならどのように答えるか、面接対策の一環としてシミュレーションしてみましょう。
パイオニア株式会社の面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
[20代前半・男性/セールスエンジニア] 【結果:二次面接で不採用】
[30代前半・男性/システムエンジニア] 【結果:二次面接で不採用】
[30代前半・男性/営業企画] 【結果:一次面接で不採用】
[40代前半・男性/電気・電子回路設計/] 【結果:入社】
パイオニアの採用面接に向けて
パイオニアの採用面接を受けるにあたって、その社風や企業理念、ビジョンなど、押さえておきたいことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「再建に向け、開拓者精神をもって製品づくりやサービス提供に取り組む社風」を意識して、「周囲と調和しながら、自分のアイデアを結実させるために主体的に仕事に取り組める人材」であることを、具体的なエピソードを交えてアピールする。
- パイオニアの企業理念とビジョンに沿った自己分析をおこない、有効な自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究することで、「なぜパイオニアなのか」という質問に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備をおこない、面接当日は、パイオニアで実現したいキャリアビジョンや仕事への熱意などを、自分の人柄が伝わる言葉で伝えましょう。
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大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。