この記事のポイント
1.ソフトウェアテストを「エンタープライズ市場」と「エンターテインメント市場」で展開。売上高の9割は前者。
2.積極的なM&Aで30社を超える子会社を擁し、市場調査から運用サポートまで「ONE-SHIFT」体制で支援。
3.テレワーク勤務をアフターコロナでも継続予定。1ヶ月あたりの平均残業時間は10.3h。定年70歳。
SHIFTの企業概要
SHIFTは、“品質保証と第三者検証のプロ集団”を掲げるソフトウェアテストの専門会社です。
SHIFTは、スマートフォンアプリやATM、ネットショッピングなどのソフトウェアがきちんと動作するかの「確認作業」と「修正作業」を行います。
16兆円といわれる国内IT市場のうち、アウトソースされているソフトウェア市場はわずか1%。開発者がテストまで実施することによって、以下のような問題が生じます。
- 「第三者性がない」
- 「不具合を見逃しやすい」
- 「品質に不安」
- 「結果としてコスト高になる」
開発会社は、ソフトウェアテストの工程をSHIFTにアウトソースすることで、開発者を本来業務に専念させることができるうえ、第三者性のあるテストを利用することでソフトウェアの品質を高めることができます。
■ビジョン
SHIFTは「すべてのソフトウェアにMade in Japanの品質を」をコーポレートビジョンに掲げています。
このほか、以下のような企業理念やコーポレートアイデンティ、行動指針などを掲げ、それぞれの意味を企業サイトで解説しています。採用面接に臨む際には、必ず目を通しておきましょう。
コーポレート・ビジョン:すべてのソフトウェアにMade in Japanの品質を
企業理念:新しい価値の概念を追求し、誠実に世の中に価値を提供する
コーポレートアイデンティティ:「これからの“Made in Japan”を牽引する。そんな企業であるために」 ~“How”から“What”へ~
行動指針:
1.ふてくされない、素直に受け入れる
2.できないとは言わない、できると言った後にどうやるかを考える
3.我々はビジネスの世界におけるアスリートである、脳で汗をかけ
4.楽しいと思えることを提案し、自ら仕事を創りだす
5.つらいときこそ、笑顔
■代表者
SHIFTの創業者で、現在も代表取締役社長を務める丹下大(たんげ・まさる)氏は、1974年広島県生まれ。1997年同志社大学卒、2000年京都大学工学研究科機械物理工学専攻修了後、製造業向けコンサルティング会社のインクス(現SOLIZE)に入社しました。
2005年に独立しSHIFTを設立、2009年にソフトウェアテスト事業に参入。2014年東証マザーズ上場、2019年東証一部に市場変更。2021年8月16日付けForbesは、自社の株価急上昇により丹下氏の保有資産が10億ドルを突破したと報じています。
■拠点
SHIFTは東京都港区麻布台に本社、東京オフィスを構えるほか、札幌、大阪、名古屋、福岡にもオフィスを置いています。
SHIFTの事業
■展開市場
有価証券報告書によると、SHIFTは「エンタープライズ市場」と「エンターテインメント市場」の2つのセグメントで事業を展開しています。
エンタープライズ市場では、大規模かつ社会基盤を支える企業における業務システムや情報システムにおいて、ソフトウェアの品質保証に関するサービス全般を提供しています。
エンターテインメント市場では、モバイルゲームやソーシャルゲーム、コンシューマーゲームなどを中心とした娯楽を提供する企業向けに、品質保証に関するサービス全般を提供しています。
2020年8月期の連結売上高は、エンタープライズ市場が259.9億円で全体の90.5%を占め、エンターテインメント市場が27.2億円で9.5%でした。
SHIFTの企業サイトによると、エンタープライズのマーケットでソフトウェアの品質保証サービスを展開しているのはSHIFTのみ。仕事の範囲も、最上流工程から下流工程までワンストップで行っているとのことです。
■サービス内容
SHIFTのソフトウェアテストサービスは「コンサルティング」「ソリューション」「ヒンシツプラットフォーム」の3つのカテゴリで構成し、それぞれデータを循環させ、効果的な作用を生み出しています。
- コンサルティング:ソフトウェアテストや品質保証の体制構築支援、ソフトウェアテストに関する戦略、計画の策定支援、ソフトウェアテストの設計工程などを受託しています。
- ソリューション:テスト実行や自動テストのためのスクリプト作成業務を提供しています。
- ヒンシツプラットフォーム:人のスキルに関わるスコアリングから、プロジェクト体制の良否、ドキュメントのインスペクション、ソフトウェア開発における環境面でのスコアリング、最終的なソフトウェア製品のスコアリングなどに対して、評価を実現します。
■グループ企業
SHIFTの2021年8月期の売上高は460億円ですが、2025年までに1,000億円の達成を目標とした中期成長戦略「SHIFT1000」を掲げています。
この達成時期を早めるべく、現在はサービス機能の追加や優秀なエンジニアの確保などを目的に、積極的にM&Aを行っています。
2019年末から2021年7月までの実績をもとにすると、およそ2か月に1回のペースでM&Aを実行。2021年5月31日現在、SHIFTグループはSHIFT本体と子会社32社により構成されています。
プロジェクトの案件は、グループ会社全体で連携し、市場調査、事業戦略コンサルティングから運用サポートまで一気通貫で支援する「ONE-SHIFT」体制を構築しています。
- マッチング・プラットフォーム:A-STAR
- 企画デザイン:saunashi、Nadia、xbc
- マーケティング:CLUTCH
- マーケティング、UI/UX:assion
- マーケティングデータ分析:分析屋
- 上流からのコンサルティング:メソドロジック
- 開発:ALH、システムアイ、VISH、ホープス、RGA
- 品質・テスト:SHIFT ASIA、マスラボ
- ローカライズ:DICO
- セキュリティ:SHIFT SECURITY、クラフ
- キッティング:SNC
- システム性能改善:Airitech
- カスタマーソリューション:SHIFT PLUS
- ネットワーク構築:サーベイジシステム
- 農業:トゥリーアンドノーフ
SHIFTの働き方
SHIFTでは「一人ひとりが生き生きと働きつづけられる環境」を実現するため、働き方を支える制度と福利厚生制度が整備されています。
◆働き方を支える制度
- テレワーク勤務制度:コロナ禍を機にチャットツールやWeb会議システムなどを活用しシームレスな労働環境を整備。アフターコロナも継続予定
- メリハリのある働き方(残業時間の削減):1ヶ月あたりの平均残業時間は10.3h、有給取得実績は年間平均10.3日(2020年8月期実績)
- ライフステージに合わせた働き方:産休・育休・時短制度の他、提携保育園(事業所付近の保育園と提携)も整備
- 従業員育成カリキュラム「トップガン教育」:カリキュラム受講後、検定試験に合格すると、お客様への提示単価や給与が上昇する仕組み
- 定年70歳:定年到達まで、それまでの経歴・スキルを活かせるポジションを準備
◆福利厚生制度
- 選択制確定拠出年金制度
- SHIFRe:全従業員が利用できるマッサージルームを本社内に常設
- ふるさと納税:SHIFT従業員専用のふるさと納税用社内ポータルサイト「まん福」を設置
SHIFTの人材育成
■キャリアコース
SHIFTでのキャリアは、大きく6つのコースに分かれています。
- ラインマネージャー系:主にプロジェクトマネージャー、コンサルタントとしてのキャリアを重ねたあと、ラインマネージャーとして管理業務に従事、経営陣へのキャリアアップも。
- プロジェクトマネージャー系:大小様々なプロジェクトのプロジェクトリーダー、マネージャーとして、プロジェクト完遂にミッションを持つ。
- コンサルタント系:営業部隊の活動をうけながら、技術的側面からお客様への提案業務を実施。
- エンジニア系:主に品質保証のスペシャリストとしてキャリアを形成。
- 営業系:いち業界を担当、最前線でお客様に触れ合う立場。お客様の経営層に対する営業活動のため、経営視点を身に着けることが可能。
- 専門職種系:主に人事領域、管理領域に所属。事業のスピード感と拡大を継続できる基盤づくりをミッションとする。
ラインマネージャー系、プロジェクトマネージャー系、コンサルタント系、エンジニア系の4つの職種間では、転換も可能。個人の志向に合わせて柔軟なキャリアチェンジができる仕組みです。
■教育・研修
SHIFTでは「ヒューマン&マネジメント」と「技術スキル」という2軸で、階層別に様々な研修が整備されています。また、正社員のみならず契約社員・アルバイトなどの雇用形態の従業員も対象に、研修を実施しています。
独自で資格を取得したメンバーに対しては、スキルアップ応援制度を通して受験料(または報奨金)を支給する仕組みもあります。
SHIFTの求人
SHIFTは現在、非常に積極的に人材採用を行っています。募集職種は、大きく「技術/コンサルタント」と「営業/人事/コーポレート」の2つに分類されます。
キャリア採用サイトには、この2つの職種を細分化したポジション・担当業務内容別に求人が掲載されています(2021年10月15日現在、計55件)。職種別の内訳は以下の通りです。
◆技術/コンサルタント
- サービス開発(DAAE)
- コンサルタント
- プロジェクトマネージャー
- 品質保証エンジニア
- 技術スペシャリスト
- アジャイル開発
- ゲーム開発
◆営業/人事/コーポレート
- 営業
- 人事
- 経営管理
- デザイン
- 情報システム
なお、東京以外にも大阪や名古屋の拠点の求人もあり、専門性とポジションをマッチングする「オープンポジション」も設定されています。
また、前述のように数多くのグループ会社があり、地方に拠点を置きながら前述した「ONE-SHIFT」体制を担う会社を含む求人もあります。
SHIFTの採用面接で聞かれる質問
面接に際して、志望動機をまとめるためには「Can」「Will」「Must」についてよく考え、整理しておいた方がいいでしょう。念のため簡単に説明すると、
- Can:自分ができること(スキル、能力、経験、実績)
- Will:自分がしたいこと(意思、意欲、ビジョン)
- Must:自分がしなければならないこと(会社から要求・期待されると認識していること)
の3点を整理し、それらが重なったところで「自分の志望動機」を整理するということです。
SHIFTの面接では、転職理由や志望動機など、オーソドックスな質問が多い傾向です。しかしエンジニア職の場合は具体的な業務内容に関する質問をされるケースも見られます。
業務内容はもちろん、自身のスキルをどのように活かすのか、入社後にどんなキャリアを志向しているのかをまとめるなど、しっかりと準備をして臨みましょう。
マネジャークラス以上の面接準備
マネジャー以上については「Can」「Will」「Must」は当然として、職務に応じた個別の質問が多くなっており、あらかじめ準備が必要です。詳しくは、グローバルウェイ・エージェントまでお問い合わせください。(※登録フォームの備考欄に「SHIFTの件」と明記願います。)
SHIFTへの転職を成功させるために
以上、SHIFTという会社について、概要をご説明させていただきました。
求人は、求められるスキルのハードルが高いのが特徴的です。しかし、仮に書類が通過したしたとしても、次の面接でつまづく方が多くいらっしゃいます。
面接の質問は、様々な内容が投げかけられます。定番的なものから地頭のよさを測るもの、職種特有の質問もあり多種多様です。
あらかじめ面接対策をしないと、選考を通過する確率はかなり落ちます。現時点で数千万円を稼ぐ優秀な営業の方が、面接対策を怠ったために失敗することもあります。限りあるチャンスを活かすためにも、ぜひ十分な準備を行ってから臨んでいただきたいと思います。
SHIFTの採用面接に臨む前に
転職成功の確率をアップさせたい方は、ぜひグローバルウェイ・エージェントにご相談ください。私たちはCxOや役員から直接情報を共有してもらうことで、必要な候補者像を把握しており、上記以外の「候補者公開不可情報」や「過去の面接成功・失敗事例」を把握しています。
なお、スピーディな対応を行うために、登録フォームの備考欄に「SHIFTの件」と明記願います。費用は一切かかりません。ぜひご相談ください。
東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。