0 編集部が注目した重点ポイント
① グループ連結修正純利益は459億円で概ね計画通りに進捗する
2026年3月期第2四半期の連結修正純利益は、生命保険事業の減益などにより前年同期比4.8%減の459億円となりました。しかし、通期見通し980億円に対する進捗率は47%に達しており、経営陣は「概ね計画通り」と評価しています。一時的な市況変動を除いた収益力は堅実に推移しており、中長期的な成長に向けた基盤は揺らいでいません。
② ライフプランナー陣容が拡大し営業基盤を強化する
ソニー生命において、質の高いコンサルティングを担うライフプランナー数が5,832名(前年度末比37名増)へと順調に拡大しています。代理店サポーター数も313名へと大幅に増加しており、法人分野での新契約獲得が好調に推移しています。販売チャネルの陣容拡大は、将来の収益源となる保有契約の積み上げに直結するポジティブな動向です。
③ ソニーグループの通算制度から離脱し独立性を高める
2025年10月1日付でソニーグループの完全子会社ではなくなったことに伴い、グループ通算制度から離脱しました。これは経営の独立性が高まる構造的変化であり、資本効率の向上を目的とした自己株式取得や、財務基盤強化のための国内劣後社債発行など、独自の資本政策を機動的に実行できる体制への移行を意味しています。キャリアの観点でも、より自律的な経営環境での挑戦が可能です。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度第2四半期 業績説明会資料 P.3
営業収益 (IFRS)
4,948億円
(前年同期比 +8.3%)
修正純利益
459億円
(前年同期比 -4.8%)
税引前利益 (IFRS)
254億円
(前年同期比 -73.5%)
※修正純利益:当期純利益から市況変動や一時的な要因等を除き、事業の持続的な収益力を表す指標。
2026年3月期中間期の連結業績は、営業収益が前年同期比8.3%増の4,948億円と伸長しました。一方で、修正純利益は459億円(同4.8%減)となりました。これは、生命保険事業において金利上昇に伴うリスク調整や将来キャッシュ・フロー見積もりの変更による「損失要素」が増加したことなどが要因です。しかし、銀行事業における適切な利鞘確保や、損害保険事業での自然災害減少に伴う発生保険金の抑制など、各事業部門で底堅い収益基盤が示されています。
通期予想の修正純利益980億円に対する進捗率は47%となっており、第2四半期単体での進捗も計画に沿っています。下半期に向け、主力事業の安定的な成長が期待されることから、中間期時点での評価は概ね順調と言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度第2四半期 業績説明会資料 P.4
生命保険事業 (ソニー生命)
事業内容: ライフプランナーによるコンサルティングセールスを主軸とした個人・法人向け生命保険商品の開発・販売。
業績推移: 修正純利益は366億円(前年同期比6.9%減)。金利上昇に伴う一時的な会計上の損失要素の影響を受けたものの、営業基盤は極めて堅調です。
注目ポイント: ライフプランナー数は5,832名、保有契約年換算保険料は1兆3,379億円と拡大が続いています。特に法人分野での獲得が好調であり、高度な専門性を備えたコンサルタントや営業支援人材の需要がさらに高まっています。
損害保険事業 (ソニー損保)
事業内容: 自動車保険を中心としたダイレクト自動車保険。医療保険や火災保険なども展開。
業績推移: 修正純利益は46億円(前年同期比77.1%増)と大幅増益。元受正味保険料も966億円(同14.1%増)と成長しています。
注目ポイント: 自然災害の影響が少なかったことに加え、自動車保険の増収が寄与。コンバインドレシオ(保険料に対する保険金と経費の比率)が92.0%に低下しており、収益性が大幅に改善しています。マーケティングやデータ分析の知見を活かせる環境です。
銀行事業 (ソニー銀行)
事業内容: 店舗を持たないネット銀行。住宅ローンや外貨預金を強みとし、資産運用サービスを提供。
業績推移: 修正純利益は58億円(前年同期比17.5%減)。システム関連費用の増加などが影響しましたが、預金残高は着実に拡大しています。
注目ポイント: 円預金残高が3.8兆円に達し、住宅ローンの利鞘も適切に確保しています。システム開発への積極投資を行っており、金融×テクノロジーの領域でのキャリア機会が豊富です。
その他 (ソニー・ライフケア、SFV)
事業内容: 介護事業(SLC)およびベンチャーキャピタル事業(SFV)。
業績推移: セグメント損失は11億円(前年同期比2億円の悪化)となりました。
注目ポイント: 介護事業においては、高品質なサービスの提供を通じてグループの社会貢献的側面を担っています。金融グループとしてのポートフォリオ多様化に寄与するセグメントです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度第2四半期 業績説明会資料 P.11
2026年3月期の通期連結修正純利益見通しは、980億円から変更ありません。配当総額についても年換算500億円の計画を維持しています。特筆すべきは、財務基盤の強化に向けた積極的な動きです。2025年10月には、ソニー生命に対する劣後貸付金への充当を目的として、最大1,500億円の国内公募劣後社債の発行を決定しました。これにより、ソルベンシー(支払余力)規制に対応した強固な資本構成を維持する方針です。
また、2025年8月に実施した約16倍の大規模な株式分割および1,000億円を上限とする自己株式取得の実施は、株主還元と流動性向上に向けた強い意志を感じさせます。ソニーグループからの離脱後も、ソニーブランドを冠した唯一無二の金融グループとして、デジタル技術と「人」のコンサルティングを融合させた成長戦略を加速させる見込みです。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
ソニー生命の「ライフプランナー」モデルやソニー銀行の「ネット完結型」モデルなど、既存の金融枠組みに捉われない独自のビジネスモデルに共感することが第一歩です。今回の決算では、金利上昇局面での適切な利鞘確保や販売チャネルの拡大が示されており、市場環境の変化をチャンスに変える「機動力」と「専門性」をアピールすることが有効です。
面接での逆質問例
「ソニーグループのグループ通算制度からの離脱後、経営の独立性や独自の意思決定が、中長期の成長戦略に具体的にどのようなプラスの影響をもたらすと考えていますか?」や、「金利上昇局面において、生命保険事業のALM(資産・負債管理)の高度化に向けて、新たにどのような専門人材が求められていますか?」といった、構造的変化を捉えた質問が評価されるでしょう。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
人々の価値観を根源から覆すプロダクト作り
最高峰の技術を持つ集団なので、毎日わくわくできる。最高峰のチームで、人々の価値観を根源から覆すような、新しいプロダクトを作ることができるのは、とてもやりがいを感じた。
(20代後半・商品企画・男性) [キャリコネの口コミを読む]時間外での自助努力は必要
新卒で入社をし業界経験ゼロから金融、経営の経験、知識を習得できる環境が整っているので安心してキャリアを積むことができた。 ただし資格の勉強面等で時間外での自助努力は必要。
(20代前半・マーケティングコンサルタント・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- ソニーフィナンシャルグループ株式会社 2025年度第2四半期 業績説明会資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。