0 編集部が注目した重点ポイント
① 中間期の売上高が過去最高を更新する
2026年3月期第2四半期の連結売上高は、前年同期比6.0%増の5,935億円となり、過去最高を更新しました。すべての事業セグメントで増収を達成しており、特に主力のセキュリティサービス事業や保険事業が成長を牽引しています。強固な顧客基盤を背景に、安定した収益拡大を実現している点は、転職者にとっても大きな魅力です。
② 海外セキュリティ企業の完全子会社化を完了する
2025年10月、グローバルセキュリティシステムインテグレーターであるAVTEL Holdings (Pte) Ltd.を完全子会社化しました。この構造的変化により、世界各国の拠点に対するセキュリティシステムの導入・保守体制が強化されます。海外事業の成長加速が期待される中、グローバルな舞台でのキャリア機会が大幅に拡大する可能性が高まっています。
③ 大阪・関西万博の警備完遂で信頼性を高める
2025年4月から10月に開催された「大阪・関西万博」において、会場全体の人的警備やオンライン・セキュリティシステムの導入を担い、「安全・安心」な開催に貢献しました。国家規模の大規模プロジェクトを完遂した実績は、同社の技術力と組織力の証明であり、社会貢献性の高い業務に携わりたい人材にとって強い志望動機となります。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期第2四半期(中間期)決算説明資料 P.4
当第2四半期の連結売上高は、すべての事業セグメントで増収となった結果、前年同期を大きく上回りました。営業利益についても、価格改定の効果や効率的な運営により、前年同期比14.2%増と大幅な増益を達成しています。経常利益と純利益が前年を下回ったのは、米国での投資事業組合運用益の減少(135億円減)や、非支配株主に帰属する利益の変動といった一時的な外部要因が主因であり、本業の収益力は極めて強固です。
通期予想に対する進捗状況は、営業利益ベースで1,500億円の予想に対し674億円(進捗率44.9%)となっていますが、防災事業や地理空間情報サービス事業は期末に向けて収益が集中する季節特性があるため、全体としては概ね順調に推移していると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期第2四半期(中間期)決算説明資料 P.6
セキュリティサービス事業
[事業内容]
家庭・事業所向けのオンラインセキュリティ、常駐警備、現金護送、防犯商品の販売などを行うグループの核。
[業績推移]
売上高3,243億円(+6.4%)、営業利益614億円(+9.3%)。価格改定やシステム販売の好調により増収増益。
[注目ポイント]
多様化する安心ニーズに対応するため、家庭向けAED「セコム・MyAED」やカスタマーハラスメント通報アプリなどの新サービスを次々と投入。単なる警備を超えた「技術×サービス」の融合を推進しており、企画・開発・運用の全フェーズでIT・DX人材が必要とされています。
防災事業
[事業内容]
能美防災株式会社を中心に、火災報知設備や消火設備などの開発・設計・施工・保守を提供。
[業績推移]
売上高774億円(+4.9%)、営業利益44億円(+1.0%)。火災報知設備の販売が堅調に推移。
[注目ポイント]
建設業界の影響で下半期に利益が集中する構造ですが、人件費上昇をこなしつつ増益を確保しています。建物のスマート化に伴い、防災設備も高度にネットワーク化されており、施工管理や技術営業の専門性が高く評価される領域です。
メディカルサービス事業
[事業内容]
訪問看護、在宅医療サポート、電子カルテ販売、海外での病院運営支援などを展開。
[業績推移]
売上高450億円(+5.9%)、営業利益32億円(+20.8%)。医療機器・医薬品販売が極めて好調。
[注目ポイント]
インドのタクシャシーラ ホスピタルズ等の収益貢献も進んでおり、グローバル×ヘルスケアの視点での成長が顕著です。超高齢社会に向けた在宅医療ニーズの深化に伴い、医療知識とビジネス感覚を併せ持つ人材が求められています。
保険事業
[事業内容]
セコム損害保険株式会社を通じて、ガン保険「メディコム」や自動車保険などを提供。
[業績推移]
売上高306億円(+8.5%)、営業利益40億円(+82.7%)。自然災害の減少も重なり大幅増益。
[注目ポイント]
自由診療をカバーする「メディコム」など、セコムならではの差別化された商品力が強みです。セキュリティ契約先へのクロスセル戦略が加速しており、保険業界出身者にとって「売りやすさ」と「顧客本位」を両立できる環境があります。
地理空間情報サービス事業
[事業内容]
株式会社パスコを中心に、航空測量やGIS(地理情報システム)を活用したコンサルティングを提供。
[業績推移]
売上高223億円(+4.0%)、営業損失18億円(前年より赤字幅縮小)。公共部門が堅調。
[注目ポイント]
国土強靱化や自動運転、スマートシティ構想など、国家のデジタル基盤を支えるデータ活用が主戦場です。測量技術にAIや解析技術を掛け合わせる領域で、データサイエンティストやエンジニアの専門性が求められています。
BPO・ICT事業
[事業内容]
データセンター運営、セキュリティクラウド、株式会社TMJによるコンタクトセンター運営など。
[業績推移]
売上高647億円(+2.8%)、営業利益39億円(Δ0.2%)。新データセンター稼働に伴う原価増を織り込み済み。
[注目ポイント]
企業のサイバー攻撃対策ニーズが激増する中、物理警備と情報警備を統合した「トータルセキュリティ」の提供能力を強化しています。セキュリティ領域に強みを持つITインフラエンジニアにとって、国内屈指の巨大基盤を支えるやりがいがあります。
その他事業
[事業内容]
不動産賃貸、建築設備工事など、グループの資産・リソースを活用した周辺事業。
[業績推移]
売上高290億円(+10.2%)、営業利益39億円(+15.0%)。2桁の増収増益と好調。
[注目ポイント]
セコムグループの広大な顧客ネットワークを基盤とした、派生事業の収益化が順調です。不動産管理や設備工事の知見を活かし、グループシナジーを最大化する企画・調整能力が重視されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期第2四半期(中間期)決算説明資料 P.8
セコムは「セコムグループ ロードマップ2027」を掲げ、さらなる成長を確実なものにする取り組みを強化しています。特に注目すべきは、2025年10月に実施されたAVTEL社の完全子会社化です。これにより、世界各地で事業展開するグローバル企業に対し、国を跨いだ統一的なセキュリティシステム(グローバルセキュリティSI)を提供する能力が飛躍的に向上しました。
また、2025年10月には従業員持株会の福利厚生拡充を決定するなど、人的資本への積極投資も継続しています。自社株買い(448億円)の実施など、株主還元だけでなく社員への還元姿勢も明確であり、長期的に安心してキャリアを築ける環境が整っています。社会のあらゆる「安全・安心」を支えるインフラとして、事業領域を広げ続ける同社は、専門性を高めたい転職者にとって極めて有望な選択肢です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
セコムは単なる警備会社から、医療・保険・ICTを融合した「社会システム産業」へと進化を遂げています。自身の経験が、単一の事業成長だけでなく「社会全体の安全・安心インフラ」をどう強固にするのかという視点で語ることが重要です。特にグローバル展開の加速や、DXによる新サービス創出(AED、ハラスメント対策アプリ等)への貢献意欲は高く評価されるでしょう。
面接での逆質問例
・「AVTEL社の買収によりグローバルSI体制が強化されましたが、日本の拠点から海外プロジェクトへどのように関与していく機会がありますか?」
・「ロードマップ2027において、『人的投資の拡充』が謳われていますが、具体的にどのようなスキルアップ支援や福利厚生のアップデートが予定されていますか?」
・「大阪・関西万博での大規模警備の知見は、今後どのような次世代セキュリティサービスに還元される予定でしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
多様な事業展開が魅力的
多様な事業展開が魅力的で、特にインバウンド関連の需要が高まる中、常に新しい課題に対応できる体制が整っています。観光地周辺の住宅や自然災害への対応も含め、幅広い分野での活動が強みです。どんな経済状況でも柔軟に対応できるため、安定感があります。
(30代前半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]技術革新の面ではまだ課題が多い
技術革新の面ではまだ課題が多く、製品のデザインや性能においては改善の余地があります。人材の確保が難しい業種であるため、少子化が進む中での人員確保と労働環境の改善が急務です。
(40代前半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- セコム株式会社 2026年3月期 第2四半期決算短信(連結)
- セコム株式会社 2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。