東京応化工業の転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

東京応化工業の転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

東京応化工業の2025年12月期3Q決算は、生成AI需要の拡大により売上高17.9%増、営業利益37.2%増と大幅増収増益。通期では過去最高益更新を見込み、進捗も極めて順調です。装置事業売却による先端材料への資源集中が進む今、エンジニアがどの事業でどんな役割を担えるのかを整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

生成AI関連需要の拡大で過去最高益の更新を見込む

2025年12月期第3四半期は、売上高が前年同期比17.9%増、営業利益が37.2%増と大幅な成長を遂げました。スマートフォンの低調さを、好調な生成AI関連向け需要とパソコンの買い替え需要が完全にカバーしています。通期でも売上高2,270億円、営業利益400億円と、過去最高の更新を予想しており、先端半導体材料の需要を取り込む力が非常に強まっています。

装置事業の譲渡により先端材料への経営資源集中を図る

当期より装置事業の譲渡を完了させ、経営資源をコア領域である化学材料へ集中させる構造的変化を実行しました。これにより装置事業譲渡に伴う特別利益を計上し、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比41.1%増と急伸しています。ポートフォリオの最適化により、転職者にとっても材料開発や高度な化学品供給という専門性を発揮しやすい環境が整いつつあります。

新中期経営計画が始動し先端レジストのシェア向上を狙う

2025年より新たな3カ年中期経営計画「tok中期計画2027」を始動させました。「Go beyond 27, Jump to the Future!!」をスローガンに掲げ、先端レジストのグローバルシェアNo.1を目標としています。2030年の長期ビジョン実現に向け、高品質製品の安定供給や新規分野での事業構築を加速させており、次世代半導体プロセスに携わりたい技術者にとって大きなキャリア機会となっています。

1 連結業績ハイライト

生成AI・PC需要が牽引し、全指標で前年同期を大幅に上回る。売上・利益ともに過去最高の更新に向けた歩みは極めて順調。
2025年12月期 第3四半期 サマリー

出典:2025年12月期 第3四半期決算説明資料 P.1

売上高

1,727億円

前年比 +17.9%

営業利益

318億円

前年比 +37.2%

純利益

220億円

前年比 +41.1%

2025年12月期第3四半期累計期間は、主力のエレクトロニクス市場において、スマートフォンの低調さを生成AI関連向け需要の急増が補い、大幅な増収増益となりました。営業利益は前年同期から86億円の増加となり、経費の増加分を売上高の増加による利益押し上げが大きく上回っています。また、装置事業譲渡に伴う特別利益に加え、過去の株式譲渡に関連する条件付対価受入益14億円を計上したことで、純利益の伸び率も顕著となっています。

通期計画に対する第3四半期時点の進捗率は、売上高が76.1%、営業利益が79.7%、親会社株主に帰属する四半期純利益が83.3%に達しています。主要な指標がいずれも基準となる75%を超過しており、通期目標の達成に向けて業績は極めて順調に推移しています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

先端材料を担う「エレクトロニクス機能材料」と、高純度化技術を誇る「高純度化学薬品」の両輪が力強く成長。
売上高・営業利益 四半期推移

出典:2025年12月期 第3四半期決算説明資料 P.4

エレクトロニクス機能材料

事業内容:半導体製造に不可欠なフォトレジスト(感光材)や、高密度実装を実現する各種材料の研究開発・製造。

業績推移:売上高909億円(前年同期比+14.9%)。3Q期間(7-9月)でも過去最高の売上を更新し、利益成長を牽引しています。

注目ポイント:生成AIの普及に伴う先端半導体向けの先端レジスト需要が非常に堅調です。特に微細化プロセスに対応するArFレジストなどが成長を支えています。グローバルシェア向上を掲げる中で、最先端プロセスの開発に携わる研究開発職やプロセスエンジニアの重要性が一層高まっています。

注目職種:半導体材料開発、感光性樹脂の合成、プロセス技術開発

高純度化学薬品

事業内容:半導体・液晶パネル等の製造工程で使用される現像液、剥離液、洗浄液などの高純度薬品の提供。

業績推移:売上高798億円(前年同期比+21.2%)。パソコン向け需要の回復と生成AI関連の好影響で大幅な増収を達成しました。

注目ポイント:先端デバイスの製造難易度が上がる中、歩留まり向上の鍵を握る究極の洗浄・現像技術が求められています。顧客の新工場稼働に伴う供給体制の構築が進んでおり、高品質を維持しつつ安定供給を担える品質保証や生産管理のプロフェッショナルが、グローバル展開を支える要となります。

注目職種:品質管理・保証、生産技術、海外拠点での供給体制構築

その他

事業内容:上記以外の関連事業。装置事業譲渡の影響により、現在は小規模ながら着実な推移を見せる。

業績推移:売上高20億円(前年同期比+31.0%)。

注目ポイント:事業ポートフォリオの見直しが進んでおり、新たな成長分野の芽を育てるフェーズにあります。

3 今後の見通しと採用の注目点

2025年12月期は過去最高益の更新を維持。顧客の新工場稼働やAI需要の継続が追い風。
設備投資・減価償却・研究開発進捗

出典:2025年12月期 第3四半期決算説明資料 P.5

通期の業績予想については、2025年8月に上方修正した計画(売上高2,270億円、営業利益400億円)を据え置いています。下期は為替レートを1ドル140円(実績値146.8円)と保守的に見積もっているものの、足元の市況は堅調であり、更なる上振れも期待できる状況です。

成長を支える投資も加速しており、3Q累計で設備投資209億円、研究開発費118億円を投じています。これらはすべて計画通りに進捗しており、次世代半導体材料の供給能力拡大に向けた攻めの姿勢が鮮明です。転職者にとっては、充実した研究開発・設備予算のもとで、世界の先端デバイス進化に貢献できる醍醐味があります。また、8期連続の増配予想を堅持しており、強固な経営基盤と株主還元意識の高さも、安心感を持って働ける要素の一つといえるでしょう。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

「生成AI関連の爆発的成長に、化学の力で直接的に寄与したい」という切り口が強力です。同社が掲げる先端レジストのグローバルシェアNo.1という目標に対し、自身の専門性(有機合成、分析、生産管理等)をどう活かし、長期ビジョン「tok Vision 2030」の実現を加速させられるかを具体的に伝えると、高い評価につながるでしょう。

Q&A

面接での逆質問例

  • tok中期計画2027の始動にあたり、私の配属予定部署では現在どのような組織課題の解決が最優先されていますか?」
  • 「装置事業の譲渡により材料事業への集中が進んでいますが、材料と装置を組み合わせた従来型のソリューションに代わる、新しい顧客価値提案の形をどのように描かれていますか?」
  • 「生成AI以外の新規分野における事業構築について、中途採用者が0から1を作るプロセスに関与できる機会はありますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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独身寮が非常に好評

福利厚生は独身寮が非常に好評。破格の安さで何年も住めるし、食費もかなり抑えられる。また、各拠点にコーヒーマシンが置いてある。

(20代後半・管理関連職・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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残業は部署・人によって差がある

定時帰宅が当たり前の部署から、休日出勤が常態化している部署まで様々。海外赴任した人は特に残業が多いらしい。

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※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 東京応化工業株式会社 2025年12月期 第3四半期決算説明資料
  • 東京応化工業株式会社 2025年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。

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