0 編集部が注目した重点ポイント
①AI半導体需要の拡大により半導体関連材料が過去最高の出荷量を更新
中国市場の旺盛な需要に加え、AIサーバー向けパワーデバイスやエッジAI用先端材料の採用が拡大しています。主力の封止材は第1四半期に続き過去最高の四半期出荷量を更新しており、最先端領域での圧倒的なシェアを背景に、高い技術力を活かしたキャリア機会が広がっています。
②北米拠点の不採算製品撤退を含む構造改革を加速し収益性を改善
高機能プラスチック部門では、北米を中心に汎用フェノール樹脂等の不採算製品からの撤退を進めています。単なる売上追及ではなく、収益構造の抜本的改善に舵を切っており、生産ラインの最適化や自動化設備の導入など、生産・管理体制の変革を推進できる人材への期待が高まっています。
③ヘルスケアおよび車載HUD向け高付加価値製品が順調に成長を牽引
医療機器や車載ヘッドアップディスプレイ(HUD)用光学シートなど、QOL(クオリティオブライフ)関連製品が堅調です。特に海外市場での血管内治療デバイスの販売や、AGC株式会社からの事業譲受による製品ポートフォリオの変革が加速しており、新領域でのビジネス開発機会が豊富に存在します。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期(2025年度)第2四半期 決算説明会資料 P.3
売上収益
1,565億円
+2.2%
事業利益
171億円
+8.2%
親会社所有者帰属利益
133億円
+4.3%
※事業利益 = 売上収益 - (売上原価 + 販売費及び一般管理費)(事業の経常的な実力を測る指標)
当第2四半期は、海外での人件費増加等のコスト増要因はあったものの、高付加価値品へのシフトと販売価格の適正化が奏功しました。特に半導体関連材料が前年同期比で大幅に伸長したことが全体の利益を押し上げています。また、前期に実施した減損による減価償却費の減少も利益貢献の要因となっています。
通期予想に対する進捗状況については、売上収益が50.5%、事業利益が52.7%となっており、中間決算として順調に推移しています。下期に向けてもAI関連やヘルスケア領域の好調が続く見通しであり、目標達成に向けた基盤は強固です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期(2025年度)第2四半期 決算説明会資料 P.4
半導体関連材料
事業内容:半導体封止用エポキシ樹脂成形材料、感光性材料、ボンディングペースト、基板材料「LaZ」シリーズ等の開発・販売。
業績推移:売上収益513億円(+11.1%)、事業利益102億円(+8.5%)。過去最高の出荷量を記録し、利益率も高い水準を維持しています。
注目ポイント:AIサーバー向けパワーデバイス用高放熱封止材や、モバイル機器・AIサーバー用基板材料が急成長しています。世界シェアNo.1の信頼を武器に、インド等の新市場開発や次世代パッケージング技術の開発が進んでおり、最先端の技術営業や研究開発人材の需要が極めて高い領域です。
高機能プラスチック
事業内容:工業用樹脂(フェノール樹脂等)、成形材料、積層板、航空機部品等の製造・販売。
業績推移:売上収益512億円(-4.2%)、事業利益26億円(+1.4%)。不採算品撤退により減収ながら、利益は微増を確保しました。
注目ポイント:北米での構造改革や、中国南通工場の自動化による生産性向上が鍵を握っています。一方で、AI半導体用途で実績化した透明高耐熱樹脂「COPLUS」や、EVバッテリー用材料等の高付加価値領域へのシフトを加速させており、事業再生や拠点の最適化を担える専門人材の活躍の場が広がっています。
クオリティオブライフ関連製品
事業内容:医療機器、医薬品包装用フィルム、産業機能性材料(HUD用光学シート)、防水シート関連製品。
業績推移:売上収益538億円(+1.0%)、事業利益67億円(+11.6%)。2桁の利益成長を達成し、収益性が向上しています。
注目ポイント:ジェネリック医薬品向け包装材の旺盛な需要に加え、低侵襲治療用マイクロカテーテル等の医療機器が海外で伸長しています。HUD用光学シートの事業譲受によるシェア拡大など、ニッチな高付加価値市場で勝負する独自のビジネスモデルが確立されており、特定の専門性を持つ人材が大きな裁量を持って活躍できる環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期(2025年度)第2四半期 決算説明会資料 P.12
下期についても、通期連結業績予想の変更はなく、増収増益を目指す姿勢を維持しています。成長の主役である半導体関連材料では、中国での新工場のフル稼働に加え、台湾市場の回復やインドへのマーケティングスタッフ派遣など、グローバル展開を加速させます。
注目すべきは、単なる既存事業の延長ではなく、「AI関連パワーデバイス」「熱マネジメント製品」「インド市場」といった明確なターゲットに対する専門チームを組織し、世界シェアNo.1の地位を盤石にしようとする動きです。これに伴い、特定の地域や技術に精通したプロフェッショナル人材の採用意欲が高まっており、転職者にとっては自らの専門性をグローバルな舞台で試す絶好のチャンスと言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「世界シェアNo.1の技術力を持ちながら、現状に甘んじず不採算事業の抜本的改革や新市場(インド等)への挑戦を厭わない姿勢」に惹かれた、という構成が有効です。特に半導体や医療機器といった、社会貢献度と成長性の高い領域でのスペシャリストを目指す姿勢を、具体的な実績と共に語ると評価に繋がりやすいでしょう。
面接での逆質問例
・「北米や欧州での収益性改善プロジェクトにおいて、現場レベルで現在最も大きな障壁となっていることは何でしょうか?」
・「AI半導体向け先端材料の需要が急増する中で、開発から量産認定までのスピードを最大化するために、組織としてどのような取り組みをされていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2026年3月期(2025年度)第2四半期 決算説明会資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。