0 編集部が注目した重点ポイント
① 「アーリーダ」の販促契約改定により通期売上収益を20億円上方修正する
前立腺がん治療剤「アーリーダ」の共同販促契約改定(リバース・コ・プロモーション)に基づき、当第2四半期より製品売上高を同社で計上する体制へ移行しました。この構造的変化により、通期の連結売上収益予想を1,680億円へ上方修正しており、国内営業部門における主力製品の商流変化に伴うキャリア機会が拡大しています。
② 米国拠点NS Pharmaの増員を加速し新製品の上市準備を本格化させる
米国子会社NS Pharmaにおいて、2025年1月以降に約30名を採用し、コマーシャル部門を中心にさらなる増員を計画しています。特にKAM(最重要施設担当)とABM(エリア担当)の専門性を分けた組織編制を進めており、グローバル展開を担う高度なコマーシャル人材の採用意欲が非常に高まっています。
③ 難病領域の遺伝子治療剤RGX-121の承認審査が2026年2月へ進展する
ムコ多糖症II型を対象とした遺伝子治療剤「RGX-121」の米国承認審査において、長期臨床データの追加提出により審査終了目標日が2026年2月8日に設定されました。難病・希少疾患領域における最先端モダリティの実用化が間近に迫っており、同社の研究開発・薬事部門におけるマイルストーン達成が期待されています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第2四半期決算説明会資料 P.5
2026年3月期第2四半期の累計実績は、売上収益が796億円と前年同期比で微増となりましたが、営業利益は195億円(同9.6%増)と大幅な増益を達成しました。これは研究開発費の減少や、前年に計上された多額の為替差損が解消されたことが主な要因です。中間利益については、税引前利益が改善したものの、法人所得税費用の増加により微減となっています。
通期修正予想に対する進捗率は、売上収益で47.4%、営業利益で59.3%に達しています。営業利益ベースでは中間時点で半分を大きく超えており、業績の進捗は極めて順調と評価できます。主力製品の海外展開や新薬の上市準備を背景に、経営基盤の強靭化が進んでいます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第2四半期決算説明会資料 P.23
医薬品事業
事業内容:泌尿器、血液がん、難病・希少疾患、婦人科領域の治療剤の開発・販売。米国市場での自社販売を強化中。
業績推移:売上収益は685億円(前年比+0.1%)。「フィンテプラ」が前年比159.6%増と飛躍的に成長しました。
注目ポイント:米国子会社NS Pharmaを通じたグローバル展開が加速しており、現地での販売・マーケティング体制が急速に拡大しています。国内では「アーリーダ」の売上計上開始による営業戦略の再構築が進んでおり、希少疾患領域でのスペシャリティMRやグローバルSCM人材の価値が高まっています。
機能食品事業
事業内容:健康食品素材、品質安定保存剤、プロテイン製剤、サプリメントの製造・販売。美容・エイジングケアに強み。
業績推移:売上収益は110億円(前年比+2.3%)。健康食品素材が27.5%増と大幅に伸長しました。
注目ポイント:美容関連製品やスポーツ分野の需要拡大を的確に捉え、増収を維持しています。提案型営業の推進により、ユーザー企業の製品開発を支えるビジネスモデルを強化中。ヘルスケア市場のトレンドを分析し、BtoB営業や研究開発をリードできる人材が求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第2四半期決算説明会資料 P.27
今後の成長戦略において最優先されるのは「米国自社販売体制の確立」です。米国子会社NS Pharmaでは、新製品「RGX-121」および「CAP-1002」の上市に向けて販売体制の構築が2025年度第2四半期末でほぼ完了しました。今後は、超低温輸送を含むサプライチェーンの整備や、保険償還(ペイヤー対策)の担当者、患者支援担当者(PEL)の連携を強化するフェーズへと移行します。
国内開発においても、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤「ビルテプソ」の適応拡大や、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)治療剤の申請など、希少がん・難病領域のパイプラインが充実しています。新薬の投入が相次ぐ中、製品の上市(ローンチ)を経験したマネジメント人材や、グローバル基準のメディカルアフェアーズ人材にとって、活躍のフィールドが広がっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
日本新薬は現在、国内中堅メーカーから「グローバルなスペシャリティファーマ」への変革期にあります。「米国での自社販売体制の構築」や「最先端の遺伝子治療剤の実用化」といった具体的な挑戦にどう貢献できるかを語るのが効果的です。特に、難病領域における高い専門性を追求しながら、グローバル拠点のNS Pharmaと連携し、国境を越えたチームで成果を上げたいという意欲は高く評価されるでしょう。
面接での逆質問例
- 「米国NS Pharmaで進めているKAMとABMの分業体制において、日本本社の営業部門とどのような連携やノウハウ共有を行っていますか?」
- 「遺伝子治療剤などの複雑なサプライチェーン整備において、今後直面すると予想される課題と、それを乗り越えるための組織的な取り組みについて教えてください。」
- 「難病・希少疾患領域において、患者支援担当(PEL)という新しい役割が重視されていますが、ペイシェント・セントリシティ(患者中心主義)を現場で具現化するために最も大切にしていることは何ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
上司やメンターがしっかりとフォロー
私が日本新薬株式会社で特に感謝しているのは、上司やメンターのサポートです。
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 日本新薬株式会社 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)
- 日本新薬株式会社 2025年度 第2四半期(中間期)決算説明会資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。