SCREENホールディングスの転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

SCREENホールディングスの転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

SCREENホールディングスの2026年3月期3Q決算はSPE事業の調整により前年比減収減益となったものの、第4四半期に向けた回復局面入りが示唆されました。生成AIを背景とした「アドバンスドパッケージ」や「水素製造」といった新規領域への投資が加速しており、グローバルな開発体制強化に伴うエンジニアの採用機会を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

半導体装置事業が底打ちし回復局面へ移行する

主力であるSPE事業において、ロジック向け装置が減少した影響で前年同期比では減収減益となりました。しかし、引き合いは旺盛であり、業績は底打ちから回復局面へと入っています。特にファウンドリーや生成AI関連のHBM(高帯域幅メモリー)向け需要が今後の成長を牽引する見通しです。

投資家層拡大に向けた1対2の株式分割を実施する

2026年3月31日を基準日として、普通株式を1株につき2株の割合で分割することを決定しました。投資単位当たりの金額を引き下げることで、より投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大を図ります。これは中長期的な企業価値向上に対する経営側の自信の表れであり、採用市場での注目度も高まることが予想されます。

米国NY州に新たな海外開発拠点ATCAを開設する

2025年12月、米国ニューヨーク州に海外開発拠点「ATCA」を開設しました。IBM等のグローバルパートナーと連携し、最先端プロセスの開発を加速させます。顧客に近い環境でデバイス特性の評価が可能となるため、次世代技術の早期立ち上げが期待されており、エンジニアにとってグローバルな活躍機会が広がっています。

1 連結業績ハイライト

前年同期比では SPE 事業の調整により減収減益となったものの、第3四半期単体では SPE の利益率が改善し、回復の兆しが鮮明になっています。
連結業績概要

出典:2026年3月期 第3四半期決算説明会 P.4

売上高 4,253億円 前年同期比 -7.5%
営業利益 774億円 前年同期比 -23.0%
営業利益率 18.2% 前年同期比 -3.7pt

第3四半期累計の連結売上高は前年同期比7.5%減の4,253億円となりました。営業利益は前年同期比23.0%減の774億円となり、SPE事業におけるロジック向けの減少や固定費の増加が響いた形です。一方で、FT事業(ディスプレー装置)が大幅な増収増益を達成し、全社利益を下支えしています。財務面では、自己資本比率が65.4%まで向上しており、極めて健全な財務基盤を維持しています。

通期予想の売上高6,210億円に対する進捗率は68.5%となっており、基準である75%を下回っているため、現時点では進捗が遅れている状況です。しかし、会社側は第4四半期での SPE 事業の回復を見込み、通期予想を据え置いています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

半導体洗浄装置で世界トップシェアの強みを活かしつつ、ディスプレーやアドバンスドパッケージなど、複数の成長領域を展開しています。
セグメント別売上構成

出典:2026年3月期 第3四半期決算説明会 P.6

半導体製造装置 (SPE)

事業内容:半導体メーカー向けに世界シェアトップの洗浄装置を中心に、現像・露光装置などを提供。

業績推移:3Q累計売上高は3,386億円(前年同期比11.8%減)。ロジック向け減少が響くも利益率は23.1%と高水準。

注目ポイント:ファウンドリーやメモリー向けの引き合いが非常に強く、特にHBM関連の需要拡大が顕著です。ポストセールス(保守・サービス)売上も21%増と堅調で、安定収益基盤としての重要性が増しています。最先端プロセス開発を担うエンジニアの需要が高まっています。

注目職種:プロセス開発エンジニア、フィールドサービスエンジニア、生産技術

ディスプレー製造装置 (FT)

事業内容:液晶およびOLED向け塗布乾燥装置、洗浄装置などを提供。

業績推移:3Q累計売上高は358億円(前年同期比44.5%増)。営業利益は436.5%増と驚異的な伸びを記録。

注目ポイント:OLED向け投資の活発化により、採算性が劇的に改善しています。さらに、独自の「塗る」技術を半導体のアドバンスドパッケージ領域へ応用展開する動きを本格化させており、既存事業の枠を超えた技術革新が進んでいます。新規領域への技術適応を担う人材が求められています。

注目職種:機械設計、電気・電子回路設計、技術営業

グラフィックアーツ (GA)

事業内容:商業印刷向けデジタル印刷機や、プリプレス工程向けの装置を販売。

業績推移:3Q累計売上高は395億円(前年同期比1.3%増)。米国関税の影響等で減益(19億円)。

注目ポイント:インク等の消耗品を扱うリカーリングビジネスが堅調に推移しています。米国の通商政策による関税影響に対しては、価格転嫁や効率化によるリカバリーを急いでおり、変化の激しい市場環境で事業を立て直す戦略的思考を持つ人材にチャンスがあります。

注目職種:海外営業、サプライチェーン管理、インク開発

プリント基板関連機器 (PE)

事業内容:スマートフォンやサーバー向けプリント基板の直接描画露光装置を提供。

業績推移:3Q累計売上高は89億円(前年同期比7.3%減)。5億円の営業損失を計上。

注目ポイント:足元の業績は厳しいものの、中国や韓国市場での投資回復の兆しが見えており、第4四半期での装置売上回復を見込んでいます。高機能な基板へのニーズは根強く、ポストセールスは引き続き堅調。市況回復期に向けた製品競争力の強化が急務となっています。

注目職種:光学設計、制御ソフトウェア開発、海外カスタマーサポート

3 今後の見通しと採用の注目点

生成 AI の普及に伴う「アドバンスドパッケージ」と、脱炭素社会を支える「水素関連」が、次なる飛躍の鍵となります。
通期業績予想概要

出典:2026年3月期 第3四半期決算説明会 P.16

今後の成長戦略において、最も注目すべきはアドバンスドパッケージ(半導体先端パッケージング)分野です。チップレット化などの高度なパッケージ技術に対応するため、SPE と FT の技術を融合させた新装置「DW-3100」や「Lemotia」の展開を加速させています。今期目標は予想通りに推移しており、来期以降の爆発的な成長が見込まれています。

また、ESG関連の取り組みとして、低コストなグリーン水素製造に不可欠な水電解用部品「PEXEM(ペクセム)」の量産受注体制を確立しました。国内最大規模となる年産2GW相当の生産能力を持ち、将来的には6GWまでの拡張を計画しています。この新規事業領域では、化学やエネルギー分野の専門知見を持つ人材の活躍の場が急速に広がっています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

SCREEN HDは、洗浄装置という「単一の強み」に留まらず、それをアドバンスドパッケージ水素エネルギーといった複数の成長市場へ応用し、社会課題を解決する「ソリューションクリエーター」へと進化しています。既存の技術を新しいドメインへ転用する柔軟性と、NYの開発拠点 ATCA に代表されるグローバルな研究開発体制に魅力を感じるという文脈は、同社の戦略と強く合致します。

Q&A

面接での逆質問例

「半導体の後工程(アドバンスドパッケージ)向けの新装置 DW-3100 や Lemotia の立ち上げにおいて、異なるセグメントのエンジニアが協力する場面が増えているとお聞きしました。異なる技術バックグラウンドを持つ人材がシナジーを最大化するために、どのようなチーム編成やコミュニケーションを工夫されていますか?」や、「米国の新拠点 ATCA での開発成果を、日本の生産拠点へどのようにフィードバックし、スピーディな製品化に繋げているのでしょうか?」など、具体的かつ戦略的な質問が効果的です。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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有給休暇が初年度から23日もらえる

有給休暇が初年度から23日もらえるのは魅力的で、取得に関しても柔軟な対応がされているため、個人の裁量でしっかりと消化できる環境です。特に、前日でも申請が可能な点はありがたいです。

(20代後半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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部門を超えたプロジェクトの進行には苦労する

組織全体としては縦割りの文化が根強く、部門を超えたプロジェクトの進行には苦労することがあります。特に、新卒や中途採用の社員にとっては、古くからの人間関係が影響する場面があり、業務の推進が難しいこともあります。

(20代後半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2026年3月期 第3四半期決算説明会資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。

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