エービーシー・マートの転職研究 2026年2月期3Q決算に見るキャリア機会

エービーシー・マートの転職研究 2026年2月期3Q決算に見るキャリア機会

エービーシー・マートの2026年2月期3Q決算は、国内需要の堅調な推移により売上高2,792億円と増収を確保。フィリピン初進出や「Grand Stage」の拡大など、多業態戦略を加速させています。「なぜ今エービーシー・マートなのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

国内需要が牽引し増収を達成する

2026年2月期第3四半期累計の連結売上高は、国内需要の緩やかな増加に支えられ前年同期比0.8%増を記録しました。インバウンド増加や企業収益改善を背景に、特に国内店舗でのプロパー販売が強化されており、客単価の上昇が業績の下支えとなっています。地政学リスク等の不透明感がある中でも、国内市場での底堅い成長が継続しています。

複合業態とGS業態の出店を拡大する

大型商業施設において「ABC-MART」と「ABC-MART SPORTS」を同時展開する多業態出店戦略を加速させています。当3Q末時点で「Grand Stage(GS)」は126店舗、複合業態店舗は141店舗まで拡大しました。これにより、幅広い顧客層を取り込むとともに、スポーツアパレルを含めたライフスタイル提案の強化を実現しています。

フィリピン初進出で海外網を広げる

海外事業において、成長著しい東南アジア市場への布石としてフィリピン初進出(2店舗オープン)を果たしました。既存の韓国、台湾、ベトナム、米国に加え、新たな地域への進出は今後のグローバル成長を担う重要な一歩となります。構造的な変化として、当期より海外生産工場を保有する子会社を連結したことで、サプライチェーンの強化も図られています。

1 連結業績ハイライト

国内市場の好調により売上高は微増を確保。利益面では人件費増や海外環境の変化を受け、戦略的な投資・セール実施の局面。
連結売上高と海外シェアの推移

出典:2026年2月期 第3四半期決算の概要 P.3

売上高

2,792億円

(前年同期比 +0.8%)

営業利益

466億円

(前年同期比 -2.8%)

経常利益

497億円

(前年同期比 +0.2%)

2026年2月期第3四半期の連結累計期間は、売上高が2,792億85百万円となりました。営業利益については、賃金上昇に伴う人件費の増加や、海外(韓国・米国等)におけるインフレ対策セールの実施による粗利率低下により、前年同期を下回る推移となりました。一方で、国内単体では5期連続の増収増益を達成しており、基盤事業の収益性は極めて高い水準を維持しています。販管費率が34.4%(前年同期比+0.6pt)に上昇した要因には、キャッシュレス決済手数料の増加等も含まれています。

通期予想(売上高3,839億円、営業利益640億円)に対する進捗率は、売上高が約72.7%、営業利益が約72.8%となっており、第3四半期累計の実績としては概ね順調な推移と評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

国内市場が安定した成長ドライバーとなる一方、海外事業は地域ごとに異なる市場環境への適応が進んでいます。
業態別店舗数の推移

出典:2026年2月期 第3四半期決算の概要 P.7

国内事業

事業内容:「ABC-MART」を中心に、国内1,113店舗を展開。Grand Stageやスポーツ、レディース、アウトレット等、多業態による店舗網を構築しています。

業績推移:売上高は2,034億51百万円(前年同期比+5.7%)、セグメント利益は424億86百万円(同+4.3%)と、盤石な増収増益基調を維持しています。

注目ポイント:既存店客単価が前年比4.2%上昇しており、高付加価値な新作シューズやアパレルのプロパー販売が成功しています。また、SNSでのタレント起用や雑誌コラボ等のマーケティング施策が実売に直結しており、トレンドを素早く店舗展開に反映できる商品企画力と販売力が強みです。店舗改装による増床(25店舗)も利益率向上に貢献しています。

注目職種:店舗マネジメント職、商品企画、デジタルマーケティング、販促企画

海外事業(韓国・台湾・米国・他)

事業内容:韓国、台湾、米国、ベトナム、そして新進出のフィリピンで計397店舗を運営。主要エリアで独自のドミナント戦略を展開しています。

業績推移:売上高800億48百万円(前年同期比-7.5%)、利益は41億94百万円(同-42.7%)と、物価高や関税政策の影響により苦戦しています。

注目ポイント:利益面では厳しい状況にありますが、韓国市場は回復基調にあり、GS業態の拡大による収益性改善を急いでいます。フィリピン進出に見られるように、海外新市場の開拓は継続されており、ローカライズされた店舗運営とグローバルな調達網の最適化を担う人材の重要性が高まっています。米国での関税リスク対応など、地政学を踏まえた経営管理が課題です。

注目職種:海外店舗運営・開発、グローバルSCMマネージャー、エリアマネージャー(海外)

3 今後の見通しと採用の注目点

「ハンズフリー」と「トレンドブーツ」を軸とした商品戦略で下期の売上拡大を狙う。
商品戦略とハンズフリーシューズの展開

出典:2026年2月期 第3四半期決算の概要 P.5

今後の成長戦略において、最も注目すべきは高付加価値商品のカテゴリー拡大です。好調な「ハンズフリーシューズ」については、従来のレディース層からメンズやキッズ、ブーツカテゴリーへとターゲットを広げ、全世代に向けた利便性提案を強化しています。また、下期はレザーブーツの新規投入や、トレンドであるロープロファイル(薄底)スニーカーの展開を多数予定しており、ファッション感度の高い層へのアプローチを強めます。

店舗戦略では、国内のGS業態をさらに拡大し、都市部でのブランド力強化を図るとともに、海外では韓国・フィリピン等の成長市場への投資を優先します。また、IR資料内ではサステナビリティ商品の取り扱い拡大についても言及されており、環境配慮型素材を用いた製品の拡充など、ESGを意識した商品企画も今後の重要な柱となります。デジタルインフラの活用による店舗とECの融合も引き続き推進される見通しです。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機には、同社の「多業態出店戦略」と「商品力」への理解を盛り込むのが効果的です。単なる小売業ではなく、SNSや雑誌コラボを駆使したデジタルマーケティングの成功事例や、ハンズフリーシューズに代表される機能性トレンドの創出にどう貢献したいかを具体的に語ることで、即戦力性をアピールできます。

Q&A

面接では「Grand Stage 4.0という新業態における顧客体験の設計や、従来の店舗とのオペレーションの違い」について質問してみましょう。また、海外展開を志望する場合は「フィリピン市場での初期戦略における成功の定義」について尋ねることで、事業の核心に迫る意欲を示すことができます。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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職場の激務に産後の体が持たなかった

出産の為一時期休みをもらっている人が居たが、復帰後職場の激務に産後の体が持たなかったらしくやはり退職していった。

(20代前半・ショップスタッフ・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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コミュニケーションスキルは養われる環境

仕事をする中でお客様はもちろん、店舗スタッフ共先輩後輩関係無く距離感が近い為コミュニケーションスキルは養われる環境。そのため仕事が大変でも支え合う事ができる為やりがいは数字以外の部分でも見出しやすい環境だと感じる。

(30代後半・店長・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 株式会社エービーシー・マート 2026年2月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 株式会社エービーシー・マート 2026年2月期 第3四半期決算の概要

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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