0 編集部が注目した重点ポイント
① 当3Qより単体決算へ移行し国内へ集中する
ジャフコは、2025年10月のアジア法人譲渡および2026年1月の米国法人譲渡の完了に伴い、当第3四半期より連結決算から非連結(単体)決算へ移行しました。今後は日本国内へリソースを完全集中させる方針を鮮明にしており、国内スタートアップ支援やバイアウト投資におけるキャリア機会が質・量ともに拡大する見込みです。
② 基幹ファンドSV8を設立し1,000億円を目指す
2025年12月、次世代を担う新ファンド「ジャフコSV8シリーズ」を設立しました。第3四半期末時点ですでに約500億円を確保しており、最終的には1,000億円規模の大規模ファンド化を目指して募集を継続中です。運用資産の拡大に伴い、投資実行から育成までを担うプロフェッショナル人材の重要性が一段と高まっています。
③ 成功報酬は減少も国内キャピタルゲインは堅調
出口環境の厳しさから成功報酬は4億円(前年同期比39%)に留まりましたが、国内投資分に絞ったキャピタルゲインは65億円を確保し、対前期比で84%の水準を維持しています。ミラティブの新規上場やM&Aによる売却益など、国内マーケットでの確かな「目利き」と支援力が収益の柱となっており、転職者にとっても再現性の高い投資実績は魅力です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.5
売上高(単体)
177億円
対前期比 84%
営業利益(単体)
39億円
対前期比 43%
当期純利益(単体)
56億円
対前期比 78%
当第3四半期より、海外子会社の譲渡に伴い単体(非連結)決算へ移行しました。売上高は177億円となり、国内キャピタルゲインは65億円と、市況が冷え込む中でも相応の利益を確保しています。特に、管理報酬で販管費を賄う「管理報酬カバー率」は94%と高い水準を維持しており、成果報酬に依存しすぎない安定的な経営基盤が構築されています。
同社は事業特性上、通期の業績予想を公表していませんが、国内リソースへの集中により、基礎的な収益力は堅調に推移しています。海外拠点の切り離しにより組織がスリム化され、国内投資のパフォーマンスがダイレクトにROE(自己資本利益率)向上へ寄与する構造に変化した点は、今後の成長に向けたポジティブなマイルストーンと言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.11
VC(ベンチャーキャピタル)投資
事業内容:スタートアップ企業への投資および経営支援。シードからレイトステージまで幅広くカバーし、ハンズオンでのバリューアップを担います。
業績推移:当3Q累計の投資実行額は106億円。ミラティブのIPOなど、不況下でも着実なEXIT実績を積み上げています。
注目ポイント:新ファンドSV8の設立により、新規投資の余力が大幅に拡大しています。IT・ディープテック・ヘルスケアなど各分野の深い専門知識を持ち、起業家と共に事業を創り上げるマインドを持つ人材が強く求められています。
バイアウト投資
事業内容:成熟企業の株式を取得し、経営権を握って抜本的な改革や生産性向上を支援する投資活動です。
業績推移:当3Q累計で60億円の投資を実行。伊澤タオルのIPOやウォーターフロントのM&Aなど、質の高いEXITが続いています。
注目ポイント:事業承継ニーズの増加を背景に、単なるファイナンスだけでなく「経営そのもの」に関与する案件が増加。CXO候補として投資先へ派遣されるチャンスもあり、プロ経営者を目指す層にとって稀有な経験を積めるフィールドです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.33
ジャフコの長期目標は、ROE 15〜20%の高効率経営です。この実現に向け、海外拠点の譲渡という大規模な構造改革を断行しました。今後は国内新設ファンドのサイズを拡大させ、外部出資約束金額をキーライブラリーとして年間管理報酬額を積み上げていく戦略です。これにより、市況に左右されない基礎収益力がさらに強化されます。
国内投資における目標投資倍率(ROI)を3倍に設定しており、より質の高い案件発掘と徹底したハンズオン支援が求められます。投資先企業へのビジネスディベロップメント(本業支援)機能の強化を掲げており、金融業界出身者のみならず、IT企業での新規事業開発やコンサルティングファームの出身者など、スタートアップの成長を「実務」で加速させられる人材へのニーズが高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「国内スタートアップへのリソース集中」という明確な経営方針に対し、自身の専門性がどう貢献できるかを語ることが重要です。特に、新ファンドSV8の設立により、大規模な投資実行のフロントに立てるフェーズであることを強調すべきです。単なる資金供給ではなく、ジャフコ独自のネットワークを活かした「ビジネスディベロップメント(本業支援)」への関心を伝えると、現在の戦略的ニーズと合致しやすくなります。
面接での逆質問例
・「国内リソース集中により、投資チームとビジネスディベロップメントチームの具体的な連携手法やバリューアップの指標はどのように高度化されているのでしょうか?」
・「SV8シリーズで1,000億円規模を目指す中、1件あたりの投資規模やリード投資家としての役割にどのような変化を期待されていますか?」
・「管理報酬カバー率が高い水準にありますが、この安定した財務基盤を活かし、投資先への人的支援(派遣など)をさらに強化する計画はありますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
会社全体のスケールアップ経験は貴重
スタートアップの成長を支援するというミッションに携われることは、非常に充実感があります。事業の仕組みづくりやミドルマネジメントの役割を担うことで、経営者と密接に連携しながら、会社全体のスケールアップを実現する経験は貴重です。また、社内のキャリアアカデミーを通じて自己成長の機会が多く、常に新しい知識やスキルを身につけることができる点も魅力です。
(40代後半・コンサルタント・男性) [キャリコネの口コミを読む]投資先を見つけるといった感覚に陥りがち
やりがいが感じられるのは自分の開拓した投資先を見つけてから。それまではどこでも良いので投資先を見つける、といった感覚に陥りがち。
(20代後半・経営コンサルタント・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
- 2026年3月期 第3四半期 決算説明資料



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