カカクコムの転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

カカクコムの転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

カカクコムの2026年3月期3Q決算は、売上収益21.5%増と大幅増収を達成。求人ボックスへの先行投資で増収減益となる一方、エンゲージ社の子会社化合意によりHRテック領域での支配力強化が鮮明です。「なぜ今カカクコムなのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


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編集部が注目した重点ポイント

求人メディア「エンゲージ」運営会社を子会社化します

カカクコムは2026年1月、エン株式会社が新設する「株式会社エンゲージ」の株式を取得し、連結子会社化することに合意しました。2026年4月の実行を予定しており、HRテック領域での垂直統合が進みます。求人ボックスとの相乗効果により、エンジニアや企画職のキャリア機会が飛躍的に拡大する構造的変化といえます。

住宅メンテナンス領域のLiPLUSを新規連結しました

2025年4月より、ホームサービスのマッチングプラットフォームを運営するLiPLUSホールディングスが新規連結に加わりました。この影響でインキュベーション事業の売上高は前年同期比+26.6%と急成長しています。既存の「スマイティ」等の不動産アセットとの連携強化が進んでおり、新領域でのサービス開発職の重要性が高まっています。

求人ボックスへの投資拡大で売上高21.5%増を達成しました

「求人ボックス」へのブランド投資を累計約45億円に拡大し、全社売上高は前年同期比+21.5%の大幅増となりました。意図的な「増収減益」フェーズにあり、先行投資による市場シェア拡大を最優先する攻めの経営姿勢が鮮明です。マーケティングや営業体制の強化に伴い、実力主義のフィールドを求める求職者には絶好のタイミングです。

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連結業績ハイライト

積極的な成長投資により売上収益は過去最高の水準へ。食べログの二桁成長と求人ボックスの急拡大が牽引しています。
連結経営成績

出典:FY26/3 Q3 決算説明資料 P.4

売上収益

68,891百万円

+21.5%

営業利益

21,133百万円

-4.2%

親会社帰属利益

14,369百万円

-4.8%

2026年3月期第3四半期の連結業績は、売上収益が68,891百万円と、前年同期比で+12,204百万円の増収を記録しました。一方で、営業利益は21,133百万円(前年同期比4.2%減)となりました。これは、成長ドライバーである「求人ボックス」に対して、代理店手数料3,021百万円増、広告宣伝費等の戦略的投資を累計45億円規模で実施したことが主因です。増収減益は計画通りの進捗であり、将来の利益基盤を構築するフェーズにあります。

通期業績予想に対する進捗率は、売上収益で74.9%、営業利益で75.5%に達しており、期初計画に対して順調に推移しています。第4四半期に需要期を迎える求人・グルメ領域の特性を考慮すると、目標達成に向けた確度は高いと判断されます。

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事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

各事業がそれぞれの成長ステージに合わせた戦略を推進中。特に「食べログ」の利益成長と「求人ボックス」のシェア拡大が目立ちます。
セグメント別実績

出典:FY26/3 Q3 決算説明資料 P.5

価格.com

事業内容

購買支援サイトの運営。ショッピング、金融、通信、自動車など多岐にわたるジャンルでユーザーの意思決定を支援します。

業績推移

売上収益17,555百万円(前年同期比+1.9%)、セグメント利益9,311百万円(同+12.9%)と増益を維持しています。

注目ポイント

Windows10サポート終了に伴うパソコン買い替え需要によりショッピング領域が好調です。金融領域は金利上昇で苦戦していますが、保険が堅調に推移。安定した収益源として、収益性の改善に注力しており、既存事業のブラッシュアップを担う企画・分析職の役割が重要です。

注目職種: サービス企画、マーケティング分析、営業(保険・通信)

食べログ

事業内容

レストラン検索・予約サービス。飲食店広告および予約手数料が主な収益源です。店内オーダー等のDX支援も展開。

業績推移

売上収益29,677百万円(前年同期比+20.5%)、セグメント利益17,028百万円(同+24.5%)と二桁の増収増益を達成。

注目ポイント

オンライン予約人数が37.60百万人と過去最高を更新しています。特にインバウンド予約が力強く成長しており、12月の1日平均予約人数は1万人に到達。飲食店向けの総合DX(デジタルトランスフォーメーション)サービスも拡大中で、顧客の業務課題を解決するコンサルティング営業やシステムエンジニアの需要が急増しています。

注目職種: 飲食店DXコンサル、プロダクト開発、データサイエンティスト

求人ボックス

事業内容

求人情報の一括検索サービス。エリア・職種を問わず豊富な求人情報を提供し、採用企業へ送客します。

業績推移

売上収益14,413百万円(前年同期比+58.3%)。利益面は成長投資により869百万円の損失(赤字)となっています。

注目ポイント

売上高が爆発的な伸びを見せています。稼働アカウント数は13,300件と前年比で大幅増。今後は子会社化するエンゲージ社との連携により、求人広告市場での存在感が一層高まります。急拡大する組織の中で、新規アカウント獲得やプラットフォームのアルゴリズム改善に携われる、挑戦的な環境が用意されています。

注目職種: 広告運用コンサル、B2B営業、プラットフォーム開発エンジニア

インキュベーション

事業内容

不動産、旅行、暮らし、ライフスタイル等の多岐にわたる新規・周辺事業群。M&Aを通じた拡大も積極的です。

業績推移

売上収益7,246百万円(前年同期比+26.6%)、セグメント利益1,940百万円(同+54.9%)と高成長を維持。

注目ポイント

(注:LiPLUSホールディングスは当期より新規連結のため単純比較不可)
タイムデザインのダイナミックパッケージ予約(宿泊と交通機関のセット販売)が堅調なほか、暮らし領域のLiPLUSが加わったことでポートフォリオが多角化しました。各領域が独立して意思決定を行うため、PM(プロダクトマネージャー)としての裁量が大きく、0から1を生み出すキャリアを志向する方に適しています。

注目職種: プロダクトマネージャー、新規事業開発、WEBデザイナー

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今後の見通しと採用の注目点

中期経営計画に基づき売上・利益の二桁成長を目指す「攻め」の姿勢。エンゲージ社の子会社化が次なる成長の鍵を握ります。
中期経営計画

出典:FY26/3 Q3 決算説明資料 P.20

カカクコムは、2030年3月期に向けた中期経営計画で、連結売上高1,430億円、営業利益530億円(5年CAGR+13%)という高い目標を掲げています。特に「求人ボックス」については、売上高500億円(5年CAGR+31%)を目指す最重要成長領域と位置付けています。

注目すべきは、2026年4月に予定されている株式会社エンゲージの子会社化です。これにより、集客から採用管理までを一気通貫で提供できる体制が整い、HRテック市場での競争力が格段に向上します。採用においても、既存事業の安定した収益を背景に、生成AI活用や先端技術への研究開発投資を積極的に進めており、技術者やサービス企画者にとって「潤沢なリソースを用いた挑戦」ができる環境が継続する見込みです。

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求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

「求人ボックス」と「エンゲージ」の統合によるHRテック領域での覇権獲得や、食べログの飲食店DX(総合DXサービス)への進化など、単なるメディア運営を超えた「プラットフォーマーとしての変革」に貢献したいという熱意が有効です。また、LiPLUSのようなM&Aを通じた新規領域への積極展開を、自分の専門性(エンジニアリング、マーケティング、PMなど)で支えたいという具体性を持たせましょう。

Q&A

面接での逆質問例

・「求人ボックスとエンゲージの垂直統合において、具体的にどのようなプロダクト面でのシナジーを最優先で計画されていますか?」
・「食べログの飲食店DX推進において、現場のオペレーションを変えるための最大の技術的・組織的課題は何だとお考えですか?」
・「インキュベーション事業でLiPLUSが加わりましたが、今後どのような新規領域への事業横展開にリソースを割く方針でしょうか?」

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転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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フレックス制度が充実し非常に働きやすい

フレックス制度が充実しており、午後3時以降は自由に退社できるため、非常に働きやすい環境です。

(40代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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他部署との交流が少なく人柄を知る機会が限定的

リモートワークの影響で、他部署や異なるチームのメンバーとの交流が少なく、彼らの業務内容や人柄を知る機会が限られています。

(40代前半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料:
・株式会社カカクコム 2026年3月期 第3四半期決算説明資料(2026年2月4日発表)
・株式会社カカクコム 2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月4日発表)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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