0 編集部が注目した重点ポイント
① 北米拠点を統合し成長シナジーを追求する
2025年4月1日付で、北米連結子会社であるAPEM, Inc.をIDEC CORPORATIONへ吸収合併しました。この構造的変化により、米国市場におけるブランド統合と拠点集約が進み、販管費の効率化と営業力の強化が図られています。北米事業の体制強化に伴い、グローバル展開を担う人材の活躍機会が大きく拡大しています。
② 構造改革が結実し営業利益が大幅に改善する
当期は日本・米州などの収益性の高い地域や、安全関連機器の売上が伸長したことで、営業利益が前年同期比で90.4%増の43.8億円と劇的に回復しました。不採算だった太陽光発電事業を売却し、「その他」セグメントを廃止した選択と集中も功を奏しており、筋肉質な経営体質への転換が鮮明になっています。
③ システム事業が前年比58.8%増と急成長を遂げる
日本やアジア・パシフィックにおいて、半導体製造設備や物流関連設備向けの制御盤売上が大幅に拡大しました。単なる製品販売にとどまらず、顧客のニーズに合わせたシステムソリューションを提供する能力が評価されています。特に半導体・物流分野の専門スキルを持つエンジニアにとって、非常に魅力的なフェーズにあります。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.2
売上高
530.1億円
+7.2%
営業利益
43.8億円
+90.4%
経常利益
49.1億円
+107.6%
四半期純利益
28.8億円
+78.6%
第3四半期累計の業績は、流通在庫の解消が進む日本市場や、自動車・半導体業界の需要が拡大する中国市場の好調に支えられました。また、米州における追加関税分の販売価格への転嫁も増収増益に大きく寄与しています。利益面では為替差益も押し上げ要因となり、経常利益は前年同期の2倍を超える水準に達しました。
通期予想に対する進捗率は、売上高が77.1%、営業利益が92.2%に達しており、業績は極めて順調に推移しています。特に利益項目は通期目標の達成が目前に迫っており、堅調な事業環境が伺えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.8
HMI事業
事業内容:制御用操作スイッチ、ジョイスティック、表示灯など、人と機械の接点となるインターフェース製品群を提供。
業績推移:売上高246.7億円(前年同期比+3.2%)。欧州の景気低迷の影響を受けつつも、産業用スイッチの売上が堅調に推移。
注目ポイント:同社の売上の約46%を占める基幹事業です。流通在庫の正常化が進み、ファクトリーオートメーション(FA)向けの安定した需要が強みとなっています。既存製品の改良に加え、グローバルでのシェア拡大に向けた製品企画・営業職の役割が重要視されています。
インダストリアルコンポーネンツ事業
事業内容:スイッチング電源、制御用リレー、端子台など、機械・装置の制御の基礎となるコンポーネントを展開。
業績推移:売上高94.5億円(前年同期比+14.5%)。アジア・パシフィックや北米市場でリレーなどの売上が大幅増。
注目ポイント:アジア圏での力強い成長が際立っています。制御盤のダウンサイジングや効率化に寄与する高付加価値製品へのシフトが進んでおり、アジア市場への知見や電子部品のマーケティング経験を持つ人材にチャンスがあります。
オートメーション&センシング事業
事業内容:プログラマブルコントローラ(PLC)、センサ、自動認識機器などの自動化貢献製品を提供。
業績推移:売上高57.0億円(前年同期比-9.2%)。北米は伸長したものの、日本のバーコードリーダ売上減少が響く。
注目ポイント:PLC(機械の頭脳)は北米で堅調に推移しており、OEM先との連携も改善傾向にあります。リテール・物流分野での自動化需要は底堅く、ソフトウェア制御や通信技術に長けた技術者のニーズが高まっています。
安全・防爆事業
事業内容:非常停止用スイッチや安全スイッチなどの安全関連機器、爆発防止のための防爆機器を展開。
業績推移:売上高93.2億円(前年同期比+17.2%)。中国市場を中心に安全関連機器が堅調に推移。
注目ポイント:「安全のIDEC」を象徴する高収益部門です。世界的に労働安全基準が厳格化する中、中国を含むアジアでの需要が急拡大しています。国際安全規格の知見を持つ専門家は、グローバル拠点での技術指導など重要な役割を担えます。
システム
事業内容:制御盤のシステム化提供、協働ロボットシステムソリューションなどの受注生産型ビジネス。
業績推移:売上高38.5億円(前年同期比+58.8%)。半導体製造や物流関連での制御盤需要が爆発的に増加。
注目ポイント:現在最も成長率が高いセグメントです。協働ロボットを用いた自動化ニーズも高く、プロジェクト単位でのマネジメントが求められています。顧客の課題をオーダーメイドで解決したいエンジニアに最適な環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.17
2026年3月期の通期見通しは、売上高687億円(前期比2.0%増)、営業利益47.5億円(同30.0%増)と、当初予想を据え置いています。しかし、第3四半期時点ですでに利益進捗率が9割を超えており、上振れへの期待が高まる水準です。
今後の成長ドライバーとして、グローバルで力強い成長が見込まれる「半導体」市場や「AGV(無人搬送車)/AMR(自律走行搬送ロボット)」分野が挙げられます。特に北米における子会社統合後のシナジー創出や、中国での「安全」に対する潜在需要の掘り起こしが鍵となります。構造改革に伴う組織の筋肉質化と、新製品・新サイト(EC)を通じた顧客リーチの拡大により、攻めの姿勢に転じる同社では、自律的に動ける中途採用者の活躍がますます期待されています。
4 求職者へのアドバイス
「新生IDEC」として、地域や製品の枠を越えたビジネス構造の転換に注力しています。志望動機では、単に「ものづくりが好き」というだけでなく、同社が推進する「HMI×安全」のグローバル競争力をどう高められるか、あるいは急成長するシステムビジネスの拡大をどう技術面・営業面で支えられるか、という具体性を持たせると高く評価されるでしょう。
面接では、「北米子会社の統合後、具体的なシナジー創出に向けた現在の進捗や課題は何か?」や「急成長中のシステム部門において、現在不足しているエンジニアの具体的なスキルセットは何か?」といった、決算資料の成長戦略に基づいた質問を投げてみてください。経営の優先課題に対するあなたの貢献意欲が伝わるはずです。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 第3四半期 決算説明資料



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