【平均年収2100万円超】キーエンスの給与・ボーナスが高いのはなぜなのか

【平均年収2100万円超】キーエンスの給与・ボーナスが高いのはなぜなのか

【年収研究シリーズ】キーエンスの年収・給与・ボーナス・報酬について、ただ額面に注目するだけではなく、高い理由や、デメリット、同業他社や、年代、職種間での比較を通じて実態に迫ります。転職先決定の判断材料にご活用ください。


キーエンスは、1974年に現名誉会長である滝崎武光氏によって設立された、FA用センサーや自動制御装置(PLC)を始め電気・電子部品の開発・販売を行うBtoB企業です。
本社は大阪府大阪市にあり、現在では自動車や半導体、電子・電気機器など、製造業のあらゆる分野において世界45か国・200拠点で事業を展開する企業へと成長しました。

キーエンスは「年収ランキング」「生涯給与ランキング」の常連として有名であり、国内企業でトップクラスの年収を維持しています。創業者である滝崎武光氏もアメリカの経済紙「Forbes」が発表する日本長者番付2017では、資産額1兆3880億円で4位、世界でも102位にランクインしていて、富豪の一人として有名です。

なぜここまで高給なのか、その理由がベールに包まれていることから、世間では「謎の大企業」と呼ばれることもあります。

それでは、キーエンスの年収はいったいどれくらい高いのか、またなぜそんなに高いのか、そして就職・転職先として適しているのかを探っていきましょう。

キーエンスの年収(給与・報酬)はどれくらい高いのか

キーエンスの平均年収ですが2110万6666円(有価証券報告書2019年3月期)でした。

あわせてキーエンスの同業他社のも見てみましょう。
まずオムロンですが821万円(有価証券報告書2019年3月期)、つづいて村田製作所は743万円(有価証券報告書2019年3月期)でした。それでは各社の平均年収を比べてみましょう。

・キーエンス:2110万円
・オムロン:821万円
・村田製作所:743万円

このことからキーエンスの平均年収は業界内でも突出して高いことがわかります。

男女あわせた正規雇用者の平均年収が494万円(2017年国税庁・民間給与実態統計調査)ですから、どれだけ高いのかがわかりますね。

と、ここまではほぼ公開データ上での話。同業他社同士で給与明細を比較してみました。めったに見れない給与明細の中身。初めてわかった驚愕の実態とは!?


電機・電子部品業界の給与明細(キャリコネ)

同年代・同職種でもこれだけの会社間格差が

キーエンス・20代コンサルティング営業(非管理職)の 給与明細

オムロン・20代ルートセールス(非管理職)の 給与明細

村田製作所・20代ルートセールス(非管理職)の 給与明細

キーエンスの平均年収の推移

続いて、過去5年間における年収の推移を見てみましょう。

有価証券報告書を元に平均年収額と平均年齢を書き出してみました。

2015年3月期 1648.6万円 (平均年齢 35.6歳)
2016年3月期 1756.1万円 (平均年齢 35.3歳)
2017年3月期 1861.8万円 (平均年齢 36.1歳)
2018年3月期 2088.5万円 (平均年齢 35.9歳)
2019年3月期 2110.6万円 (平均年齢 35.8歳)
(出典:有価証券報告書)

年収額は毎年確実に上昇しています。2015年と2019年ではなんと約462万の差が。
この額だけ見ても日本の平均年収に迫っているというとてつもない額です。
平均して毎年約116万円上昇している計算です。

でもなぜこんなに年収が高いのでしょうか?その理由を探っていきましょう。

ファブレスと独自商品で利益率50%を確保

キーエンスは、自社工場を保有せずに製造業を行うファブレス企業です。
そのため製造設備の投資費やランニングコストが極端に少ないことが、高収益高収入の一因です。

セールス手法に注目してみると、顧客の話を徹底して聴くコンサルティングセールスが特徴です。顧客の潜在ニーズを追求し製品開発をしていることから、新商品の7割が業界初であり、「世界初」「世界最小」など付加価値のある商品力が強みで、選ばれる製品を世に送り出しています。

キーエンスは代理店を通さない直販体制のため、中間マージンを取られることがなく、メーカーでありながら利益率は50%以上にのぼります。
製造業において、営業利益率が5%未満の企業が多いなかで、社員が2000人も在籍していてこの数字を出すことは驚異的だと言えます。

そういった理由から、利益は社員に還元されやすいといってよいです。
キーエンスでは、基本給を基準とした賞与とは別に、連結営業利益の一定割合を社員に支給する業績連動賞与の制度があることも、年収が高い理由です。

給与テーブルでベースが決まる

続いてキーエンス内部に目を向けていきましょう。職種や能力によって年収の差はどのぐらいあるのでしょうか。

職種は
 ビジネス職【営業、海外、マーケティング、生産管理、人事、経理、総務 ほか】
 エンジニア職【商品開発、ソフトウェア開発、生産技術、コンサルティングエンジニア ほか】
 S職 事務専任職【営業事務、人事、経理、総務、販売促進、購買、生産管理 ほか】

に分かれています。

給与テーブルによってベースが決まるため、職種による年収の差はほとんどありません。

新卒社員の場合、入社してから3年間は能力や実績とあまり関係なく自然と昇給しますが、4年目からは部署や能力によって昇給に差が出てきます。

キーエンス社員の給与明細(キャリコネ)

20代でも十分高いが、30代になれば大台に!

20代コンサルティング営業(非管理職) の 給与明細

30代コンサルティング営業(非管理職) の 給与明細

同年齢でも能力によっては◯倍の格差が!

30歳コンサルティング営業(非管理職)の 給与明細

30歳コンサルティング営業(非管理職)の 給与明細

残業禁止で、時間内パフォーマンスの高さが求められる

キーエンスは「40代で墓が立つ」といわれるほど、激務だと噂されていました。
しかし現在は、ルールとして21時半以降は繁閑問わず残業をすることは厳禁とされ、会社の資料やパソコンを自宅に持ち帰るのも一切禁止です。さらに接待をすることも許されていないため、クライアントと飲みに行ったり、土日に接待ゴルフに行くこともありません。

その一方でキーエンスのルール上、長時間労働ができないことから、限られた時間のなかで成果を出していかなければなりません。
営業はテリトリー制を採用しているので、担当範囲でどれほど売り上げたかを問われます。営業目標の設定は担当者の自己申告がベースとなっていて、入社後早い段階で裁量権のある仕事に取り組むため、どのように運用するのかは個人次第です。

徹底した成果主義で、甘えは許されないという雰囲気があり、仕事に対するプレッシャーは大きいです。高い報酬を得るわけですから、要求される仕事へのハードルは厳しく、精神的にかなり負担がかかります。

結局キーエンスは就職・転職先として選んでもいいのか

ここまでキーエンスを見てきました。結局「就職・転職先として選んでもいいのか」なんですが、

結論から言うと「選ぶべき」です。

キーエンスでは、長時間労働にならない仕組みづくりを徹底しています。
年間休日126日という実績が示すように「Work Hard、Play Hard」、つまり本気で働いて、本気で遊ぼうというスタイルでメリハリのある生活を送ることができます。
仕事は激務といわれていますが、ブラック企業ではありません。

近年では、誘導型や光学式、接触型等5つのタイプのセンサーを製造しています。その営業利益率は米国のコグネックスやオムロン等の競合他社をはるかに上回り、大変好調です。

今後、人手不足やAI化の背景から飛躍的にハイテク化・効率化が進み、ファクトリーオートメーション関連の需要が益々伸びることが予想されています。
このような背景の中で、コンサルタントが顧客の要望に沿って製品を販売するスタイルはよりいっそう重要度を増していきます。

そしてビジネスフィールドの面では、未開拓な海外のエリアも存在しており、企業として成長し続けている魅力があります。
国内外で、“付加価値の高い商品”と“課題解決のアイデア”を提供することで、モノづくりの現場を支える仕事に挑戦できることはかなりの醍醐味だと言えます。

就職・転職先として非常に魅力的だと言っていいでしょう。

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