0 編集部が注目した重点ポイント
① ベトナム企業の買収により東南アジアでの事業基盤を確立する
2026年3月より、ベトナムの医療機器メーカーであるUSM Healthcareの業績連結を開始します。同社はベトナム唯一の国産ステントメーカーであり、成長著しい東南アジア市場での新たな拠点となります。これにより、メディカルテクノロジー分野でのグローバルなキャリア機会が大きく拡大する見通しです。
② 医薬品CDMO事業の過去最高益達成を受け増産投資を決定する
2025年1月に買収した滋賀県製薬が業績に大きく貢献し、医薬品分野で過去最高益を更新しました。需要拡大を受け、ディバイス事業の津工場を医薬品生産へ転用・再稼働させる増産投資を決定しています。既存の生産資産を成長分野へシフトさせる構造改革が加速しており、中途採用者の活躍の場も広がっています。
③ 規模拡大から収益性重視へ舵を切り事業を整理する
2025年には2件の事業開発テーマを終了するなど、低収益事業の収益性改善またはダイベスティチャー(事業売却)を徹底する方針を明示しました。連結営業利益率を1~2ポイント改善させるインパクトを目指しており、規律あるポートフォリオ経営への移行により、より強固な収益基盤を持つ企業への変革が進んでいます。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算説明会 P.5
2025年12月期の売上高は1,948億98百万円、営業利益は40億40百万円となりました。モビリティ向け新製品の生産立ち上げ費用や、医薬品CDMO拡大に向けた旧設備の減損損失など、将来の成長を見据えた先行費用が利益を圧迫しましたが、実質的な事業成長の種まきは完了しています。
2026年12月期の通期計画では、売上高1,915億円(1.7%減)に対し、営業利益は66億円(63.4%増)と、減収増益の大幅な回復を見込んでいます。売上高の微減は不採算事業の整理や為替影響によるもので、収益性の高い事業へのシフトを鮮明にしています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算説明会 P.15
産業資材
事業内容:加飾フィルムや蒸着紙などの生産・販売。モビリティや家電製品、サステナブル資材を提供。
業績推移:2025年度売上高は763億円(3.0%増)。新製品立ち上げ費用により営業利益は37億円(23.2%減)。
注目ポイント:モビリティ分野における「外装機能部品」の新製品がQ3から量産開始。2026年度は受注プロジェクトが拡大し、増収増益に転じる計画です。自動車業界向けの品質管理や生産技術、さらには海外の新規顧客開拓を担う営業人材が切望されています。
ディバイス
事業内容:フィルムタッチセンサー、ガスセンサーなどの精密機能部品。タブレットやモビリティ向けに展開。
業績推移:タブレット需要減により売上高は584億円(13.5%減)。工場集約の効果で営業利益は21億円(18.5%増)。
注目ポイント:減収ながら増益を達成した構造改革の成果が顕著です。2026年度は津工場の転用により規模を縮小しますが、固定費圧縮と生産性向上により高い利益率を維持します。限られたリソースで高効率な生産ラインを構築できる生産技術の専門家が活躍できる環境です。
メディカルテクノロジー
事業内容:手術機器やウェアラブルセンサーなどの開発製造受託(CDMO)。自社ブランド製品も展開。
業績推移:2025年度売上高は471億円(3.3%増)。一過性費用計上により営業利益は20億円(14.8%減)。
注目ポイント:医療機器CDMOの需要は底堅く推移しており、2026年度は営業利益47.3%の大幅増益を計画。欧米大手メーカーとの共同開発プロジェクトが多数進行しており、薬事規制(RA)や品質保証(QA)に関する国際的な知識を持つ人材にとって、グローバルな活躍が約束されたフィールドです。
その他(医薬品CDMO含む)
事業内容:一般用医薬品CDMO(滋賀県製薬)や情報コミュニケーションなど。
業績推移:買収効果で売上高は130億円(55.8%増)。営業利益は黒字化を達成。
注目ポイント:滋賀県製薬の買収により医薬品CDMOが新たな成長の柱となりました(注:2025年1月連結開始のため前年との単純比較不可)。2030年に向けて売上高を2倍超へ引き上げる強気な計画を掲げており、医薬品製造の管理体制構築や、新工場の立ち上げをリードできる経験豊富な人材が強く求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算説明会 P.20
今後の成長戦略におけるキーワードは「サプライチェーンの統合・連携」です。産業資材事業の成形技術、ディバイス事業の機能部品技術、メディカルテクノロジー事業のCDMO能力を相互に活用し、医療機器市場での競争力を高めます。
また、東南アジアの医療機器市場は年率10%の成長が見込まれており、買収したUSM Healthcareを通じてステントやバルーン製品の拡販を加速させます。単一の事業分野に頼らず、培ったコア技術を多様な市場、特に社会課題解決に直結する医療分野へシフトさせる同社の姿勢は、社会貢献意欲の高い技術者にとって大きな魅力となるはずです。
4 求職者へのアドバイス
「人材能力とコア技術の多様性」をMissionに掲げているため、自身のこれまでの専門性が他分野(例:自動車技術×医療)にどう応用できるかを語ることが重要です。特に、「メディカル市場への積極的なシフト」や「サステナブル資材のグローバル展開」という長期ビジョンに、自身のキャリアがいかに合致するかを具体的にイメージしておきましょう。
「現在進行中の『津工場の医薬品CDMOへの転用』において、異なる事業分野の生産資産を再構築する際、技術面や組織文化の面でどのような課題があり、それをどう乗り越えようとしているのでしょうか?」
「USM Healthcareの買収により東南アジアでの展開が加速しますが、日本の開発チームとベトナムの製造現場との技術連携やグローバル管理体制において、どのような役割の中途人材が最も貢献できるとお考えですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
育児や介護に関する制度はかなり充実
育児や介護に関する制度はかなり充実している。フレックス勤務を採用している部署が多く業務時間の調整はしやすい。子の看護休暇が、年間こども1人当たり5日間、最大10日間あり、年次有給休暇とは別に有給扱いで取得できる。育休は男性も取得可能で、実際に取得している人もいる。育休取得しても出世している人はいるので、評価への影響もない。
(30代前半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]忙しい部署は非常に残業が多く終電間近
部署間により、差は大きいが、忙しい部署は非常に残業が多く、終電間近のことも多いようです。 業務分担のバランスが悪いように思え、残業が慢性化している印象が有りました。
(30代前半・カウンターセールス・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- NISSHA株式会社 2025年12月期 決算説明会資料(2026年2月12日発表)
- NISSHA株式会社 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日発表)



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