0 編集部が注目した重点ポイント
① 過去最高業績の更新と3期ぶりの増収増益を達成する
2025年12月期は、売上高が前年比9.4%増の4,903億円、営業利益が20.3%増の212億円となり、売上高・純利益ともに過去最高を更新しました。新規顧客の獲得やM&Aによる新規連結効果に加え、不採算拠点の収支改善や料金適正化といった収益構造改革が進展したことが、大幅な増益に寄与しています。
② ブリヂストン物流の買収でタイヤ物流の基盤を強化する
2025年10月にブリヂストン物流の株式を取得し、グループへ迎え入れました。2026年1月より損益計算書への連結が開始される予定で、年間約550億円の増収効果を見込んでいます。国内180の拠点とタイヤ物流の高度なノウハウを取り込むことで、配送網の共同化やさらなる外販拡大といったシナジー創出が期待されます。
③ 2030年に売上高7,000億円を目指す新中期経営計画を策定する
2030年度を最終年度とする5か年計画「Harmonized Growth 2030」を始動しました。3PL、国際、ECの成長3分野に不動産開発を組み合わせ、売上高7,000億円、物流事業の営業利益率4.5%を目指します。規模の拡大だけでなく、DX推進による省人化や人員構成の最適化を通じて、質の高い成長を追求する方針です。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 決算説明資料 P.4
売上高
490,344百万円
(前年比 +9.4%)
営業利益
21,295百万円
(前年比 +20.3%)
親会社株主に帰属する純利益
11,783百万円
(前年比 +22.5%)
2025年12月期の連結業績は、新規顧客の獲得や新規連結効果が寄与し、売上高は過去最高を更新しました。利益面では、物流事業における料金適正化や既存の不採算拠点の収支改善が進んだことに加え、不動産事業での流動化規模拡大が追い風となり、営業利益は前期比で35億円以上の増加となりました。自己資本利益率(ROE)も12.7%へ上昇し、収益性の改善が明確に表れています。
通期実績は、期初に掲げた予想を全項目で達成しており、極めて順調な着地と言えます。特に下期にかけて物流事業の利益率が向上しており、構造改革の成果が定着しつつある状況です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算説明資料 P.5
物流事業
事業内容:3PL(物流一括受託)、国際物流、EC物流、即配便など多岐にわたる物流サービスを提供。
業績推移:売上高4,602億円(前年比+9.5%)、営業利益118億円(前年比+28.9%)と大幅増益。
注目ポイント:SBS東芝ロジスティクスやSBSネクサードといった主要子会社が堅調に推移しています。新たにオランダのブラックバード・ロジスティクスを連結し、欧州での基盤も強化。(注:ブリヂストン物流は当期末に連結範囲へ含まれたため、損益への影響は次期から本格化します)不採算拠点の赤字縮小が進んでおり、収益構造が筋肉質に変化しています。
不動産事業
事業内容:大型物流施設の自社開発、賃貸、および信託受益権の譲渡による流動化。
業績推移:売上高193億円(前年比+7.8%)、営業利益91億円(前年比+12.7%)と増収増益。
注目ポイント:野田瀬戸物流センターの流動化などを通じ、安定した投資回収サイクルを維持しています。用地取得から建設、運営まで自社で行う独自スキームが強みで、現在は富里などで新たな大規模開発が進行中です。物流事業と連動した開発提案はグループの強力な競争優位性となっています。
その他事業
事業内容:人材派遣、マーケティング、太陽光発電、環境関連事業などを展開。
業績推移:売上高107億円(前年比+9.1%)、営業利益6.7億円(前年比+73.0%)。
注目ポイント:人材派遣事業やマーケティング事業が伸長しており、営業利益は前年から約7割の大幅増となりました。物流事業を支える周辺領域として着実な成長を見せており、グループの総合力向上に寄与しています。特に現場の人手不足対応において、人材派遣機能の重要性が高まっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 決算説明資料 P.12
2026年12月期は、売上高5,600億円(前年比+14.2%)、営業利益240億円(前年比+12.7%)を見込んでいます。売上高の伸長には、ブリヂストン物流の新規連結による550億円の増収効果が大きく寄与する計画です。また、物流事業の利益率向上を重要課題とし、LT(物流テクノロジー)とITを駆使した省人化、倉庫の空き坪解消、料金適正化の継続により、着実な増益を目指します。
中長期的には、新中期経営計画「Harmonized Growth 2030」に基づき、2030年度に売上高7,000億円を目指す野心的な目標を掲げています。国内メーカー物流の取り込みを目的とした積極的なM&Aの継続や、自社開発倉庫投資の全国拡大を予定しており、PMI(買収後の統合プロセス)や拠点開発の専門スキルを持つ人材の重要性が一段と高まる見通しです。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
SBSグループは「M&A」と「物流施設開発」を両輪で進める独特の成長モデルを持っています。志望動機では、単なる物流の知見だけでなく、「異業種のノウハウを統合し、グループ全体のシナジーを生み出す意欲」や、DX(LTxIT)による「物流現場の抜本的な効率化への挑戦」を強調するのが効果的です。特に新中期経営計画で掲げた「3PL・国際・EC」のいずれかにおいて、具体的な専門性を提供できることをアピールしてください。
面接での逆質問例
- ブリヂストン物流の連結にあたり、タイヤ物流特有のノウハウを既存事業へどのように水平展開していく計画でしょうか?
- 新中計で「物流利益率4.5%」を掲げていますが、現場のDX推進(LTラボの活用等)において中途採用者に最も期待する役割は何ですか?
- 欧州拠点(ブラックバード社)との連携強化において、日本国内の3PL顧客に対する国際一貫輸送サービスの展望を教えてください。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度 (2025年12月期) 決算説明資料
- SBSグループ中期経営計画「Harmonized Growth 2030」



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